Ciao dalla Puglia !
今回はプーリア便り6-2で触れたヴェルディ劇場(Teatro Verdi)についてもう少し詳しくご紹介します。
マルティーナには劇場が2つあり、もう1つの劇場の名は「Teatro Nuovo」訳すと「新劇場」といったところ。
名前からもお分かりのように新しい劇場。
対してヴェルディ劇場は言わば「Teatro Vecchio:古劇場」。
1912年に建てられ、その後、数度の修復を経て今も住民に愛されています。
座席、空調等ハードは新劇場の方が整っていて快適な面もあります。
でも私はヴェルディ劇場が大好き!
というのも訪れる度にまるでトルナトーレ監督の映画「ニュー・シネマ・パラダイス」をほうふつとさせる温かみのある雰囲気と懐かしさを感じるから。
入口には昔のヴェルディ劇場の様子を伝える写真が飾られており、これはその一部。
50年代の宣伝カーだそうです。
昔はこうやって軽自動車にポスターを貼って町中を回りながら拡声器で宣伝していたんですね。
またヴェルディ劇場は映画館としてだけでなく芝居や演奏会も行われるオペラハウスのような役割もあることから、1932年に修復された内部の装
飾もなかなか豪華で美しいです。
金色の縁飾りが少々錆付いた入口の大きな鏡、少々剥がれかかっている所もあるビロードの座席等も落ち着く心地よさ。

そして何といってもいちばんの魅力はこの劇場の主、みんなから「ディレットーレ(Direttore)!」と呼ばれて親しまれている館長のサンティーノさん。
いつもきちっとスーツを着ていてニコニコ顔で優しく話しかけてくれます。
50年もこの仕事をしているだけに作品の批評眼も確かで、時には私達の鑑賞前に「この作品は実にくだらなくておもしろくもなんともないから今日は映画はやめて食事にでも行った方がいいよ」なんて商売っけのない忠告をしてくれることも…(笑)。
お仕事中にもかかわらず気軽に映写室にも入れてくれて笑顔でパチリ。
壁には有名人とのツーショット写真がいっぱい…、ディレットーレ、けっこうミーハー!?
ハード面もソフト面も古きよき温かさでいっぱいのヴェルディ劇場。いつまでも変わらずにいて欲しいです。

-余談-
先日、映画を見に行った際、途中2~3度、時間にして計10分程、音声が途切れるフィルム不具合がありました。
でもこういう時、イタリア人って「がんばれ(Forza)!」「頼むよ、順調に進んでくれ(Dai, andiamo)~」等、やいのやいのにぎやかにはなりますがあまり険悪な雰囲気にはならないんですよね。
日常の様々で時間通りに進まなかったり、不具合が多いことに慣れているからなのか、諦めているからなのか、細かいことは気にしないからなのか…。
トラブルさえも笑い話にしてしまうようなところがあります。
もちろん終了後にディレットーレに怒って詰め寄ったり、返金を要求している人も皆無(トラブルの大小にもよると思いますが)。
色々な意味で日本ではありえないことが起こるここイタリアですが、こういう大らかなところ、いいな~と思います。