2010年2月28日

坂本鉄男 イタリア便り 天気予報の的中率


 昔、天気予報の的中率が低かった時代に、遠足や運動会の前日、下駄を放り上げ自分で天気を占ったり、てるてる坊主に頼ったりした経験をお持ちの方は多いに違いない。

 最近の新聞によると、英BBCが90年間続いた英国防省所属気象部との契約を打ち切るらしい。もちろん、理由は的中率の悪さ。イタリアの場合も、国営テレビの予報は空軍の気象班が担当し、軍服姿の尉官か佐官級の予報官が解説する。

 さて、的中率だが、1975年当時は60%だったが、最近のように気象衛星から直接映像が入る時代になると、的中率も大幅に向上して90%は当たるらしい。

 だが、的中率90%とは365日のうちの37日は当たらないことである。視聴者は勝手だから、万一、的中しない37日に連休や自分の旅行予定日がぶつかれば、あとの328日が当たっていようと「それみろ、天気予報なんて信用できない」ということになる。

 イタリアの場合、当日の予報的中率は98%でも、3日目は79%、5日目は70%と急減する。また、イタリアの地形は予想が難しいのか天気の「太陽」、曇りの「雲」、雨の「降雨」のマークが3つ重なっている日も多い。

 いっそのこと、予報が非常に難しい日には、ヒゲの将校を引っ込めて美人アナウンサーを出し、「当たらなくてもご免なさい」とニッコリさせればいいのにと思ってしまう。

坂本鉄男
(2月28日『産経新聞』外信コラム「イタリア便り」より、許可を得て転載)

2010年2月25日

春期イタリア語講座のご紹介 アニメで学ぶイタリア語

このコーナーでは、春期イタリア語講座の新設コースをご紹介してゆきます。

今回ご紹介する「アニメで学ぶイタリア語」は、初級2から中級レベルまでの方を対象にしたコースです。担当のステファノ・カルレッティ先生にお話をうかがいました。

P2241373.JPGInterviewer: 初級2からということですから、ほぼ2年ぐらいイタリア語を勉強した方を対象にしたコースですね。どんなアニメを使って勉強するのですか?
Stefano Carletti: 授業で使うのは、実際にイタリア人がテレビで見ているアニメです。ですから本物のイタリア語が使われているわけです。
でも心配する必要はありません。というのも、今回使うアニメは、比較的短いエピソードからできたもので、ストーリーも簡単に理解できます。
授業では、そんなアニメを用いて、登場人物たちのダイアローグを学んでゆきます。
セリフを聞き取り、話の内容をイタリア語で伝えたり、役になりきってロールプレイに挑戦したりします。

I: 楽しいそうな授業ですね。けれでも、ただアニメを楽しんで終わってしまうことにはなりませんか。
SC: いいえ、そんなことはありませんよ。
ダイアローグには、初級の授業で学んだ内容がたくさん出てきます。ですから、とてもよい復習になると思いますよ。
それに、普段の授業では触れることができなかったフレーズも数々登場します。つまり、文法の確認をしながら、新しい表現を学ぶことができるというわけです。

I: なるほど。アニメの内容は子ども向けのものなのでしょうか?
SC: たしかに、子どもにも楽しめる内容になっています。けれども、登場人物が話す言葉は、とてもきれいなイタリア語です。奇抜なところがなく、文法的にも模範となるセリフばかりです。しかも、ひとつひとつのフレーズがそれほど長くありません。
ですから、外国人学習者にとっても、十分にお手本になるようなイタリア語にふれることができると思います。

I: ということは、この授業で学んだフレーズを使えるようになれば、イタリア語がずっと上手になるということでしょうか?
SC: この授業で学んだことをすべて使えるようになれば、きっと完璧なイタリア語を話すことができるでしょうね。けれども、そのためには、言葉を正しい文脈で使えるようにならなければなりません。
たとえば、みなさんは “Che è successo? ” という表現はご存知ですよね。「どうしたの?」という意味です。
では “Che succede? ” はどうでしょうか。どんなときに、この表現を使えばよいかわかりますか?
あるいはまた “Ci penso io” という表現はどうでしょう。日常的にとてもよく使われるものですが、どんな場合に用いるのかわからなければ意味がありませんね。
今回の授業では、愉快なアニメを楽しみながらも、これらの言葉が、どんな状況で用いられるのかを理解してもらえることでしょう。

I: なるほど、とても実用的な授業でもあるわけですね。ぜひとも、多くの生徒さんに参加してもらいたいと思います。
ありがとうございました。

2010年2月21日

坂本鉄男 イタリア便り 一生、すねをかじられる


 近ごろは、子供が欲しくないという若い夫婦が増えてきたといわれる。だが、イタリアの最近の裁判を眺めていると、一概に彼らの選択が間違いだとは断言できないような気がする。

 最近、北イタリアのベルガモ市の裁判所が、32歳でいまだに大学に在籍して職に就いていない無職の女性が父親を相手取って起こした養育費支払い請求を正当なものと判断し、月350ユーロ(約4万3千円)の支払いとこれまでの未支払い分の一括支払いを命じた。

 もっとも、こうした裁判は少なくなく、その判決もまたさまざまである。例えば、ローマ裁判所は「これまでの10年間と同じような養育費」を60歳の父親に求めた30歳の女子大学生の要求を不当として退けた。

 また、ミラノ裁判所も、大学の工学部出身の36歳の息子が「これまで通り毎月2千ユーロ(約25万円)の養育費を支払え」と、著名な外科医の父親を相手に起こした請求訴訟でも、息子側の要求を退けている。

 イタリアの大学の授業料は日本と比べて高くはないし、奨学金の返済義務もない。大卒の失業率の高さに最大の問題があるのだ。

 それでは、親は一体、いつまで子供の養育義務を負わなければならないのだろうか。この点、生活保護法のないイタリアの民法はあいまいで、伝統的な「家族主義」に責任を負わせる面が強い。

 つまり、裁判官の判断によっては子供に「一生、すねをかじられる」危険なきにしもあらずなのである。

坂本鉄男
(2月21日『産経新聞』外信コラム「イタリア便り」より、許可を得て転載)

2010年2月18日

春期イタリア語講座のご紹介 イタリア語らしい発音を学ぶ

このコーナーでは、春期イタリア語講座の新設コースをご紹介してゆきます。

P2171370.JPG今回ご紹介するのは「イタリア語らしい発音を学ぶ」です。
このコースは、初級2、中級、上級の3つに分かれています。どんな授業になるのか、担当のリヴィオ・トゥッチ先生にお話を聞きました。

Interviewer: まずはじめに、この授業はどんな内容になるのでしょうか。
Livio Tucci: そうですね。簡単に言うと、6回の授業でイタリア語の音声学を勉強するコースです。

I: 音声学ですか。難しそうですね。
LT: そんなことはありません。できるだけ楽しい授業にしたいと思っていますから。
クラスのなかでは、どうすれば標準的なイタリア語に近い発音ができようになるのか、一緒に学んでゆきたいと思います。

I: つまり、発音のテクニックに重点をおいた授業になるのでしょうか。
LT: もちろん発音のためのテクニックも学びますが、クラスではゲームをしたり、声に出して文章を読んだり、リスニングをしたり、ともかくたくさんの練習をするつもりです。

I: なるほど、それなら初級の生徒さんでも楽しめそうですね。発音のためのコースということですが、具体的にはどんな生徒さんに来てもらいたいとお考えでしょうか。
LT: そうですね。ともかくイタリア語を勉強している方なら、誰にでも役に立つ授業だと思います。
もちろんオペラや声楽に関心のある方、自分の発音をもっとよくしたいと思っている方にはぴったりのコースですが、それだけではないのです。

I: ということは、とくに発音には関心がないという生徒さんにとっても、面白い受講だということでしょうか。
LT: そのとおりです。
多くの生徒さんにとって、自然なイタリア語を理解するのは難しいですよね。なぜでしょうか。
たしかにイタリア語はほとんど表記された通りに発音されるものです。けれども実際の発音には、いくつもの細かい「修正」がみられます。そうでなければ言葉をうまく口できないのです。
そんな「修正」がどのように行われるのかを理解して、自分でもうまくできるようになれば、実は、イタリア語の聞き取りもうまくゆくようになるのです。
つまり、発音の仕方を学べば、うまく話せるようになるだけではなく、いままで以上にイタリア語を聞き取れるようになるというわけです。

I: 上級の生徒さんにとってはどうでしょうか。
たとえばイタリア滞在の経験があり、聞き取りには不自由しない人の場合、あらためて発音を学ぶことには、どんな意味があるのでしょうか。
LT: ひとつ言えることは、文法的な問題を理解できるようになるということです。
イタリア語にいくつかの不規則性がありますよね。勉強するときに厄介なものですが、発音の仕方を学べば比較的簡単に説明できるようになる。
たとえば定冠詞の男性形は、どうして2種類もあるのか。また、命令法の動詞が代名詞とともに用いられるとき、なぜいくつかの動詞では(例えば「dammi una mano 」)のように、代名詞の最初の子音が2重化するのか。
こうした小さな不規則性の問題も、言葉の音声に注意してゆけば、うまく納得できるようになるはずです。

I: それは面白そうですね。イタリア語を勉強していると、たくさんの不規則な例外に悩まされますから…
LT: それだけではありません。ことばの響きの重要性がわかるようになると、その言語の芸術的な側面もより理解できるようになります。
たとえば詩がそうですよね。広告のキャッチコピーも、ことばの響きを大切にしています。
イタリア語では、たとえば《 a 》を含む言葉(chiaro)は何か明るい感じがしますが、《 u 》を含むもの(scuro)では暗い感じあったりします。
そんなことばの響きを理解できるようになれば、自分が勉強している言語がどのようなものなのか、もっとはっきり意識できるようになります。
そして、これまで以上にイタリア語を味わえるようになれるのではないでしょうか。

I: なるほど。よくわかりました。
ところで、先ほど「標準的な」イタリア語とおっしゃいましたが、それはフィレンツェ語のことでしょうか?
LT: それは興味深い問題ですよね。
フィレンツェ語は何世紀にもわたってイタリア語の理想でしたが、今日では少し事情が変わってきています。フィレンツェの人々でさえ、北部の発音のいくつに影響を受けていますからね。
たとえば、よく生徒さんから質問されるのですが、《 casa 》という単語の発音は「カーサ」でしょうか、それとも「カーザ」なのでしょうか。
授業のなかでは、こうしたことも話してゆきたいと思います。

I: とても面白い内容だと思います。ぜひ多くの生徒さんに参加してもらいたい授業ですね。

2010年2月17日

坂本鉄男 イタリア便り 衣は僧を作らず


 衣は僧を作らず-とは、見かけだけ繕っても人間の本当の中身はできないという意味のことわざである。日本人的な発想から生まれたもののように見えて、実は、もともと欧米のことわざから出たものである。

 この2月初旬のこと。ローマの4大寺院のひとつであり、バチカン市国の治外法権に守られたサン・ジョバンニ・イン・ラテラーノ寺院で、このことわざが永遠の真理であることを証明するような事件が起きた。

 その日の朝、9時半ごろだった。僧服を着た司祭にネクタイを締めた紳士という2人組が、この寺院の事務所の玄関口に現れた。

 当日は、重要な儀式が行われ、参列者も多いことから、バチカン市国所属の門衛は疑うこともなく、通行を許した。2人組は、次の入り口の案内係の尼僧をも僧服でだまし、大きな建物の奥の奥にある寺院の会計事務所にたどり着いた。

 2人組は素早く黒いサングラスと襟巻きで顔を隠すや、会計係に対してピストルを突きつけて、金庫の中にあった現金約10万ユーロ(約1230万円)を奪い、さらに会計係の両手両足を縛って裏口から逃走した。

 人々はカトリック教の大寺院でカトリック教の僧服に欺かれたわけだ。これまでも発生してきたニセ警官による強盗事件と似たようなものである。

 さて、衛星テレビで最近の政治資金報道に接するにつけ、今の日本に必要なのは、「議員バッジは選良を作らず」ということわざではないかと思う。

坂本鉄男
(2月14日『産経新聞』外信コラム「イタリア便り」より、許可を得て転載)

プーリア便り13

Ciao dalla Puglia!

2月14日はバレンタインデーでした。
バレンタインデーはイタリアでは「Giorno di S.Valentino」と呼び、ローマ時代、禁止されていた兵士の結婚式を執り行ったため、皇帝の怒りを買って殉教した聖ヴァレンティーノが語源と言われています。
日本では女性から好きな男性やお世話になった男性にチョコレートを贈る日として定着していますね。
中には「義理チョコ」なんていうちょっとさみしい習慣もありますが…。

 イタリアでもバレンタインデーはカップルで過ごすことが多いのは日本同様ですが、女性からだけでなくお互いに、チョコに限らず様々な贈り物をしあいます。
アメリカ留学していた日本人の友人も「女性よりむしろ男性が贈り物をする方が多いのよ。
アメリカのバレンタインデーが懐かしい~」と話していましたので、日本のバレンタインデーはむしろ特殊なのかもしれません。

テーブルセット.JPGさてこの日、特に親しくしているラウラ&オラツィオ夫妻とステッラ&マルティーノ夫妻をお招きしてラン  チ会を開きました。
私達はイベント好きなのでテーブルセッティングもバレンタインデー仕様。
日本でもファンが多いイタリアのチョコ、バーチ(Baci:「キス」の意)を各席に一粒づつ飾りました。
赤い包み紙で中にサクランボのグミが入ったバレンタイン限定バージョンです。
女性にはGIANが花を買ってきてくれたので席に添え、すてきなテーブルが完成。
実は、バレンタインデーっぽい皿が無かったので、この赤い皿はプラスチックです(^^;)

この日のメニューは前菜色々、プリモはパッケリのキノコソース、セコンドはイノシシのオリーブ煮込み。
ワインはオラツィオが差し入れてくれたスプマンテと、尊敬するワイン生産者アントワーヌ・ルギンビュールが造った2種のキャンティ。
デザートはステッラ&マルティーノが差し入れてくれたザバイヨーネとヴェネツィア出身のラウラ手作りのキャッキエーレ(chiacchiere:リボン状のパイを揚げて粉糖をまぶした謝肉祭に食す北イタリアの菓子。この時期はちょうど謝肉祭の真っ只中なので)。
そして〆は食後酒と共にいただくバーチチョコ。
このチョコは包み紙の中に愛のメッセージが入っていることで有名です。
それぞれのメッセージを披露しあって楽しみ、どれもおいしくいただきました。

「日本にもバレンタインデーはあるの?」と聞かれたので日本の様子を話すとみんなびっくり、男性陣はうらやましがっていました。
こちらの女性は強い人が多く、男性は普段から相当気を使っているようなので、たまには女性からプレゼントをもらったり至れり尽くせりで癒されたいのかな(笑)
ホワイトデーの習慣もこちらにはないので、これまた驚いていました。

お開きには前の晩に作っておいた雪玉のように粉糖をまぶしたチョコクッキーを皆さんにお持ち帰りいただきました。

チョコクッキー.JPG
花束.JPGちなみに今年のバレンタインデーのGIANへの贈り物もこのクッキー、ちょっと手抜きだったかな…?
GIANからは華やかな花束でした。GIAN、ありがとう!

皆さんのバレンタインデーはいかがでしたか?

2010年2月16日

プーリア便り12-3

最後に気分よく上手にLCCを利用するために…
・まずは登録者に届けられるEメールやサイトの情報をチェック→
 英語はもちろん欧州各国の言語に対応。
 利用日や時間によって価格が変わる上、予約時期によって同じ便でも料金が変わる
 ので何度かチェックして希望やスケジュールに合うものを。

・利用規約をよく読んで遵守→
 事前にWeb上で済ませるべき手続きをしなかったり、発券(Web上で手続きを終え
 た書類のプリントアウト)しなかったりすると空港で手数料を払うことに!
 また大手では大目に見ることも多い荷物の重量オーバーも、LCCでは事前申請重量
 を1kgでも超えた時点で容赦なく超過料金を請求されることが多い模様。
 なので2時間前後のヨーロッパ圏内の短距離間往復であれば手荷物にまとめるのが
 おすすめ。
 破損や紛失の心配もなく、到着後すぐに移動できて快適!

・機内サービスにお金を払いたくない人は事前に準備を→
 搭乗前に港内のバールでコーヒーを飲んだり、売店で飲食物や新聞等を買ってから
 搭乗すればOK。
 でも機内販売の値段は別段高くはありませんでしたよ。

・早めに搭乗ゲートへ→
 座席指定をしない場合、席や手荷物の収容は早い者勝ちなので、どうしても連れの
 かたと隣同士で座りたいとか手荷物を自分の座席の真上に収納したいかたは早く搭
 乗する。
…こんなところでしょうか。

あとは高齢者やお体の不自由なかた、体格のよいかたは少しでも座席スペースが広い方がよいと思うので利用は避けた方がよいかもしれません。
また新婚旅行や大切な記念の旅行であれば気持ちや雰囲気も大事なので同じく避けた方がよいと思います。
周囲の人々を見ても上手に使い分けている模様。

それとEU圏外の国籍の人は Webチェックインであっても搭乗口に向かう前に空港カウンターでVISAスタンプをもらう必要があるのでお忘れなく!
LCC に限らずどの会社も長短ありますし、選択肢が多いことはよいことだと思います。
短い期間で日本との往復だけであれば利用航空会社も限られますが、ヨーロッパ長期滞在中に移動をされる場合は選択肢の1つとして状況に合わせて上手に利用したいですね。

12-1  12-2

2010年2月15日

プーリア便り12-2

利用者目線で気づいたLCCが活況を呈している理由。
それは何と言っても「従来の慣例に盲従せず、様々な新しい手法を取り入れて効率化し、利益を出していること」に尽きると思います。

ライアンエアーを例に取ると今ざっと思いつくだけでも…
・代理店を通さず、自社サイトからオンラインで予約や支払いはもちろん、発券やチェッ
 クインまで完了できる→
 LCCはこれらの業務で必要な時間や手間、費用を削減。PC使用に問題なければ利
 用者にとっても手軽で便利。

・荷物を預ける場合は別料金がかかる→
 機内持ち込み可能な手荷物は1つまで。それ以外は重量に応じた料金がかかる。

・座席のスペースが若干狭く、トイレの個数も少な目→
 詰めたスペース分、乗客を増やせる。

・スタッフが1人で何役も担当→
 1人のスタッフが荷物預かり業務後、搭乗口でチケットを切る、客室乗務員が機内清
 掃も行う、パイロットが荷物収納も行う等々。

・シンプルな機内サービス→
 機内エンターテイメントや新聞・機内誌等の提供は無し(機内誌を入れるシートポケッ
 トすら無し)、飲食物は有料、座席指定は有料等々。

・料金が安く、他社の少ない郊外の中小空港を使用するケースが多い→
 今回の私達のケースを例に取ると、ミラノのマルペンサやリナーテではなくベルガモ
 を利用。
…という具合。

他にも素人目には分からない工夫や理由も多くあると思いますし、感心するのはその乗客率の高さ! 毎回ほぼ満席です。
飛行機で空気だけ運ぶくらいなら例えただ同然で発券しても宣伝効果と併せて価値がありますものね。

「世界1サービスの悪いエアライン」なんて言われたり、リスクが高い、スタッフの質が悪い等と言われることもありますが、私はそうは思いません。
低料金を実現するために省けるサービスは省くのが当然だし(そもそも低料金であることもサービスの1つであるはず)、スタッフが1人で何役も担当ということは各スタッフが多くの業務を把握・精通している上、何かあった
時に利用者が担当者間をたらい回しにされたり情報がきちんと届かないと言うリスクもむしろ少ないのでは?

それにヨーロッパではよほどの大都市でない限り公共交通が充実していなかったり、車でしか行けない魅力的な場所も多く、よって空港からレンタカーで移動することも多いので、郊外の空港利用もあまり苦になりません。
また格安とは言っても法的基準に則って運行されているはずですし、航空業界の財務調査は他業界に比べて大変厳しいそうで(必要経費まで削減して安全面に影響するのを防ぐため)昨年イタリアのLCC、マイエアーは業務停止となりました。
スタッフに関しても日系航空会社のように常に満面の笑顔で至れり尽くせりのサービスは望めませんが、これは海外の航空会社ではよくあること。

続いて気分よく上手にLCCを利用するために私が感じたことをお送りしたいと思います。

プーリア便り12-1

Ciao dalla Puglia!

先週は3泊4日でミラノへ行ってきました。
ブログ「MINESTRONE」」でおなじみの香織さんと一緒においし&楽しい時間を過ごしたり、GIANのお供で建築デザインの国際フェア「MADE expo」を見学したり、13年ぶりにドゥオーモやV・エマヌエーレのアーケードを散策したりして短いながらも充実した滞在でした。

さて今回はその往復に利用したローコストキャリア(以下LCC)、いわゆる格安航空会社についてお送りしたいと思います。

日本で十数年前にスカイマークやエア・ドゥといったLCCが誕生した時は「航空業界に新風」「価格革命」のように取り上げられてかなり話題になった記憶があります。
しかし新規参入会社には色々と不利な事情があるようで今だにあまり浸透していないようですし、価格面を見てもそれほど格安とは思えません。
対し、ここヨーロッパでは、LCC はすっかりメジャーな地位を確立しているようです。
なかでも価格や利便性で利用価値が高いと思うのは1985年にアイルランドで生まれたライアンエアー。
私達もヨーロッパ内の移動で今回のように日程がタイトな場合は飛行機が便利なのでよく利用しています。

多くのイタリア国内&国際路線があり(現在152都市に就航)、本当に格安!
例えば今回利用したバーリ⇔ベルガモ往復(ベルガモ⇔ミラノ間は車で片道約1時間)は税金や空港使用料等全て込みで1人38ユーロ(ちなみに同時期にバーリ⇔ミラノを大手航空会社で往復した友人は料金208ユーロ)。
LCC から登録者に届けられるEメールやサイトの情報をチェックすると更にお得なフライトもたくさんあります。
国際フェアのような大きなイベントが開催される日や週末等は避け、早めに予約をすれば片道5ユーロなんていう驚きの運賃も!
復活祭やバカンスといった最繁忙期に飛行機を使う場合も LCCなら金銭面の心配がかなり軽減されます。

私達の共通の趣味は旅行なので情報をチェックして自分達の希望やスケジュールと合うものがあれば「では来月はパリに行こうか」という感じで気軽に利用しています。
LCC でローマ、ピサ、トリノ等の国内都市、フランス、イギリス、スペインといった他のヨーロッパ諸国もたくさん旅しました。

どうしてこんなに格安で運営できるのか?
アリタリアやJAL といったフラッグキャリアが経営危機に陥ったのに対し、新参で乗客1人当たりの運賃が比べ物にならないほど安いLCC が健全運営を続け、今も規模を拡大し続けているのはなぜ?

続いてその理由について利用者目線で気づいたことをお送りしたいと思います。

2010年2月10日

トーニャとレジーナの南イタリア紹介「誰でも知らないナポリの話し」

ナポリといえば太陽の街、海の街、ピザとマンドリンの街…ですよね。もちろんそうですが、ナポリはこれだけではありません!
路地に入りこんで美しいカラヴァッジオの作品を見つけたり、一日の終わりまで口の中に味が残るような暖かいタラッリ(taralli / 輪状のクッキー)を食べたり、散歩の最中に耳に飛び込んでくる音楽を楽しんだりと、そんな事もナポリの魅力の一部なのです。

ナポリでできる事は数えきれないほど沢山ありますが、ある若いナポリ人の女性ジャーナリストが101のことを勧めてくれています。このジャーナリスト、アニエーセ・パルンボが 『人生で少なくとも一度はナポリでするべき101の事 (イタリア語タイトルは:101 cose da fare a Napoli, almeno una volta nella vita)』 という本を出版したのです。

palumbo_1.JPG私たちゼンゼロの友人でもあるアニエーセは、とても良い人でおもしろく、本のすべてのページから彼女のユーモアのセンスを読み取ることができます。
イタリア語版だけしかなく、日本のみなさんに気軽に読んでいただけないのが残念です。

101すべてを挙げるのは難しいですが、とりあえずひとつご紹介しますね!

その1 「目隠しでプレビシト広場にある2つの馬の像の間を通り抜ける」

ナポリを訪れた人なら、ナポリの名所のひとつ、プレビシト広場に行ったことがある方は多いのではないでしょうか?
では、目隠しでプレビシト広場にある2つの馬の像の間を通り抜けた方は・・・?

プレビシト広場にはサン・フランチェスコ・ディ・パオラの美しいバジリカ(大聖堂)があり、円形の広場中央には王宮を前に見据える、馬に乗るブルボン朝のカルロとフェルナンド1世の2つの像が建っています。
ここでは昔から「ナポリっ子の遊び」として知られている伝統のひとつがあります。

サン・フランチェスコ・ディ・パオラの反対側にある王宮から、目隠しでプレビシト広場まで真っ直ぐ歩き、二つの彫刻の間を通り抜ける。
一見簡単そうですが、実際にはそうではありません!

実はこの広場、微妙に傾いているので目隠しをすると真っ直ぐ歩くことが難しいのです。
ゲームをした人は最後に目を開けると、まるで砂漠で迷子になったような感覚に陥るはずです。

ぜひナポリでこの面白い体験をしてみませんか?
ゼンゼロが喜んで皆さまをご案内しますよ!

他の100の事も体験してみたい方は、ゼンゼロと行くナポリのウォーキング・ツーアをお薦めします。
そしてナポリについての面白い話をもっと知りたい方は、ブログの次の記事をお待ちください!

それでは、また!


Ciao a tutti
logo_zenzero.jpgTonia & Regina


                              P.S.
palumbo_2.JPGアニエーセ・パルンボさんについて知りたい方がございましたら、実際に彼女がししゃべってる映像はこちらをご覧ください。http://www.youtube.com/watch?v=oxAJParmteU
(イタリアのRAIテレビのインタービューです。少し難しいですが、頑張ってください!)

2010年2月 7日

坂本鉄男 イタリア便り お金持ちの多い国


 イタリアには、特に服飾またはその関連部門で、一代で巨額の資産を築いた人が多い。

 有力紙が今年初めに伝えたところによれば、昨年の株高でこの金持ちたちの資産が、一層膨らんだという。最大の株式資産の持ち主は、個人ではなく財務省で、優良な半国営企業株の値上がりにより、一昨年比6%増の総額353億ユーロを所有するから、国民にとっては心強い話といえるかもしれない。

 個人で、日本でも商標などで名前を知られているお金持ちをみれば、世界的な眼鏡メーカーの「ルクソティカ」の持ち主が37%増の80億ユーロ、服飾メーカーのベネトン一族が34%増の62億ユーロ、リキュール「カンパリ」の持ち主一族が54%増の10億ユーロ、「トッズ」の商標で知られる靴メーカーの持ち主が54%増の同じく10億ユーロなどとなる。ちなみに1ユーロは約122円だ。

 ベルルスコーニ首相も一代で巨万の富を築いた一人で、彼の資産は36%増の39億ユーロとなった。これを単純計算すると、昨年は月額8000万ユーロ以上が株の値上がり分として懐に入ったことになる。離婚手続きを進めている夫人が要求しているとうわさされる離婚後の扶養料は、推定で月額350万ユーロというが、彼の資産からすれば屁のかっぱだ。

 リビア最高指導者、カダフィ大佐も投資した金融株が大当たりして、イタリア国内でため込む株式資産は、18億ユーロにのぼっているということだ。

坂本鉄男
(2月7日『産経新聞』外信コラム「イタリア便り」より、許可を得て転載)

2010年2月 3日

MINESTRONE 5

 日本では今一つ人気の出ない FACEBOOK をご存知でしょうか?
日本でよく知られたMIXIと同じく、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)です。
MIXIは日本語のみで、会員の招待メールと日本の携帯メールアドレスがないと入れないのに比べ、FACEBOOK は62カ国語に対応しており、誰でも入ることができます。
もう一つ MIXI との違いは、匿名性が少ないこと。普通にサービスを使用している人は、本名で登録しており、自分の顔写真を載せている人が大多数で、友達や知り合いを検索するのも簡単です。
  個人HP.jpgFACEBOOK が生まれたのは、アメリカですが、ここで FACEBOOK の歴史を語るのは止めておきます。
気になる方は、http://ja.wikipedia.org/wiki/Facebookをご参照ください。

さて、この FACEBOOK がイタリアでブームとなり始めたのは2008年で、若者からあっという間に広がり、2009年9月時点で約1800万人の利用者がいるそうです。
私が登録したのも確か2008年だったと思います。
ただその頃は、利用者や団体がまだ少なかったのと、使用方法を理解しきっていなかったので、利用価値はあまりなかった気がします。

                     ↓ 日本語サイト

日本語HP.jpg友達同士で写真や動画や YOU TUBE を共有したり、チャット、メッセージといった、個人的使用もできますが、この半年くらいの間に、驚くほど多くの団体が FACEBOOK のコマーシャル効果を狙い始め、それぞれの HP に FACEBOOK へのリンクをつけはじめました。
その団体と友達になるかファン登録をすることにより、その団体の情報を得ることができ、仕事や宣伝に使っている人も大変多くなりました。
例えば、私はデザイナーなので、デザイン関係の雑誌に登録していますが、その雑誌が Twitter のように1日何回も更新しながら、世界中で開かれている展示会の話題や、コンペ、新しい商品、建築、アート等の話題を流し続けてくれます。アートギャラリー等は、新たな展示会の話題や評判を流しています。
もちろんスポーツや音楽、その他の趣味や文化の団体やファングループもたくさんあります。
そして…、政治好きのイタリア人、政治関係の団体もよりどりみどりです。

さて、去年の12月5日ローマで9万(警察発表)~100万(主催者発表)を集めて行われたデモ「NO BERLUSCONI DAY」は、首相や大統領をふくむ国の高位在職者が在職中は起訴されないという裁定案 Lodo Alfano に違憲判決のでた2日後、ベルルスコーニ首相に辞任を要求しよう、とFACEBOOK を使用して召集された政治デモでした。
デモの多いイタリアですが、FACEBOOK を媒体としたものは史上初で、そのことが大きな話題に上がりました。
それからもうひとつの出来事。12月13日、ミラノ大聖堂広場で行われた政治集会の後、一人の男が、人混みに紛れてベルルスコーニ首相に大聖堂のおもちゃを投げつけ、鼻中隔と歯を折り、顔に怪我をさせる事件が起きました。
その数時間後には、FACEBOOK に犯人のファンクラブができ、何百人ものファンを集め、当日のニュースでベルルスコーニ派の政治家が難しい顔をして社会問題として現象を批判していました。
というわけで、色々是非はありますが、イタリアでは、ますます飛ぶ鳥を落とす勢いのFACEBOOK…いつまで流行続くやら?