2010年3月29日

プーリア便り16

Ciao dalla Puglia!

ここ数日のプーリアは風もなく、日中気温は20度近くまで上がり、すっかり春の陽気。
そんな中、友人のラウラ&オラツィオ夫妻のお誘いでクルージングに参加してきました。

クルージングというと日本では社長や芸能人クラスのお金持ちの高級な趣味というイメージですが、プーリアではもっと身近で純粋な趣味のようです。
中でもラウラ&オラツィオは筋金入り。海と船をこよなく愛し、真冬を除き、晴れの日の週末は殆どといっていいほど愛船“Ola(オラツィオの愛称)”の上で過ごし、毎夏のバカンスも同じくクルージングを趣味とする友人達と共に愛船を連ねて旅しています。

3月の声を聞くや否や私とGIANにも参加のお声がかかっていたのですが、私が寒さに弱いので天候条件の揃う日を待ってようやく参加と相成りました。
本日はラウラの妹、ロッセッラ一家も含め、計7人で出発です。

P3210016.jpgお昼はもちろんデッキの上で。イタリア人は野外ごはんが大好き。そして野外ごはんでもしっかりデザートと食後酒まで楽しみます。


P3210029.jpg食後は沖に進んで釣り。数羽のカモメが水面をつついているのが見えたので獲物がいるかと思ったのですが…、この日の収穫はゼロ。
今日は残念な結果でしたが、時にはマグロが釣れることもあるそうです!


P3210020.jpgクルージングしながらトスカーナ葉巻を吹かすのが何より好きなオラツィオ。
「今日はNAMIもいるし、アンジェラ(ロッセッラ夫妻の養子でセネガル出身)もいるし、エキゾチックで楽しい!」といつもにも増してご機嫌でした。
船はオラツィオが操縦、ラウラが補佐。運転、お疲れ様&ありがとう!

彼らの抜群のチームワーク、よいお天気、プーリアの美しい海、の3拍子が揃った気持ちのよいクルージングとなりました。
透明度抜群で港の桟橋からでも魚影を確認できるほど美しいプーリアの海は、これから夏に向けてますますにぎやかになっていきます!

2010年3月28日

坂本鉄男 イタリア便り サメ食い人間


 サメは昔から人間を襲う獰猛(どうもう)な海の悪魔と考えられてきた。

 神話の「大国主命と因幡(いなば)の白兎(しろうさぎ)」のサメ(山陰ではワニとも呼ばれる)はまだしも、スティーブン・スピルバーグ監督の映画「ジョーズ」の巨大な人食いザメは人間の大敵である。

 だが、現在は「人食いザメ」と言ったら逆にサメの方から抗議が出る。日本では昔からサメは下級魚に分類され、切り取って干したヒレが中華材料として利用されるほかは、身の部分はほとんどがはんぺんやかまぼこ類、つまり「すり身」の材料に使われてきた。

 しかし、ヨーロッパでは、フライやトマト煮などでも食べられ、イタリアは欧州連合(EU)最大のサメ漁獲国スペインに次ぐサメの消費国で、地中海の地元産では足らず、年間1万3千トンも輸入している。

 また、最近のように「カニもどき」の原料の「Surimi」が世界語になる時代になると、世界中でサメの大乱獲が始まり、地中海のサメは昔の40%に減少した。

 この結果、世界各地の海でサメの乱獲防止が始まり、3月下旬には絶滅危険野生動物の国際取引を規制するワシントン条約締約国会議で、大西洋に多く生息しフカヒレの材料としてよく知られるサメの一種の取引がEUの提案で、制限されることも議題に上がった。

 今に「ヒト食いザメ」ならぬ「サメ食いヒト」の語が普通になるかもしれない。

坂本鉄男
(3月28日『産経新聞』外信コラム「イタリア便り」より、許可を得て転載)

2010年3月25日

『テルマエ・ロマエ』マンガ大賞受賞


古代ローマの浴場と現代日本の風呂を舞台とした異色のマンガ、「テルマエ・ロマエ」が、全国の書店員が選ぶ「2010年 マンガ大賞」を受賞しました。

主人公は古代ローマの浴場設計技師ルシウス。
浴場のアイデアについて悩む彼が、気を失うたびにタイムスリップして、やってくるのが現代日本の銭湯や温泉、家庭風呂。
「テルマエ・ロマエ」第1巻
そこで知ったアイデアを、古代ローマで実現すると……。

あるときは書き割りの富士山を参考にしてローマの浴場にヴェズーヴィオ火山を書き、またあるときは風呂上がりの牛乳をローマっ子に出す。
はたして、その反応は?

まるでギリシャ・ローマ彫刻のようなルシウスが、いろいろと悩むところがかえって笑いを誘います。

タイトルがラテン語で「ローマの風呂」という意味であることからもわかるように、時代考証もしっかりしています(たぶん)。

教養に裏打ちされた笑いに、思わず引き込まれること請け合い。イタリア、ローマファンにお勧めです。


作者のヤマザキマリさんは、ヴェネト州のバッサーノ・デル・グラッパで新婚生活を送り、現在は旦那さんの仕事の関係でポルトガルのリスボン在住とのこと。

徐々に口コミで評判になっています。一度、書店でお手にとってご覧ください。
詳しい情報は、こちら を。

(画像ご提供:エンターブレイン様)
日伊協会F

2010年3月23日

春期イタリア語講座のご紹介 新聞で学ぶイタリア語

このコーナーでは春期イタリア語講座の新設コースをご紹介してゆきます。

IMG_1147.JPG今回はご紹介するのは「新聞で学ぶイタリア語」です。授業を担当するマリオ・ヴオット先生に内容の説明をお聞きしました。

Interviewer: この講座は中級レベルの方のためのコースですね。
なんとか文法の知識を一通り学んだ方が対象になると思いますが、イタリアの新聞は難しくはありませんか。
Mario Vuotto: 政治や経済の記事などはかなり難しいと思いますが、内容によっては楽しく読めるのではないでしょうか。
例えば、ナポリの「青の洞窟」などはみなさんもよくご存知だと思います。
洞窟に汚水が流れ込み、しばらくの間洞窟が閉鎖されたというものがありました。これなどは、おそらくどなたにもが関心を持っているニュースではないでしょうか。
ときどき日本のニュースを伝える記事なども見かけます。こうした記事を読むと、イタリア人の目に映る日本人像が分かり、大変おもしろいのではないでしょうか。

I: なるほど、わたしたち日本人にも親しみやすい記事だと、内容がよくわかるというわけですね。
それでもイタリア語の文章が難しいのではと、不安に思う方もいらっしゃると思いますが。
MV: 内容にもよりますが、たしかに語彙としては難しいものが出てくるかもしれませんが、文法的にはみなさんのレベルにあわせてゆこうと思います。
具体的に言うと、そのままでは長すぎたり、まわりくどい表現が多い記事は、私がわかりやすいイタリア語に書き換えるつもりです。
できるだけ生徒のみなさんのレベルにあわせた記事を用意しますので、太刀打ちできないということはないはずですよ。
もちろん、イタリア語らしい言い回しなども学ぶ必要はありますし、新しい語彙を覚えなければなりませが。

I: 中級レベルの方でも十分に理解できるような記事を読んでゆくわけですね。
では、具体的な授業の進め方は、どのようなものになるのでしょうか。
MV: このコースは前半9回、後半9回にわかれています。基本的にはひとつの記事を1回、あるいは2回の授業で読み進めてゆきます。
記事はその場でお配りしますので、最初はざっと読んで大意をつかむ練習をします。次に語彙や表現を確認しながら、内容をつかんでゆきます。ときには声に出して読む練習や発音の確認なども行うつもりです。最後には、記事の背景などを説明するつもりです。
また、日本の新聞記事を翻訳したものにも挑戦するつもりです。つまり、みなさんには、日本の記事をイタリア語で読んでもらうことになります。内容が理解できたら、今度はそれを日本語に翻訳しなおしてみようと思います。記事の原文と照らし合わせるのは、きっと楽しい作業になると思いますよ。

I: なるほど、イタリア語と日本語の対照も行うわけですね。面白そうな授業ですね。大勢の方に受講してもらいたいものです。

2010年3月21日

坂本鉄男 イタリア便り 聖人への道の険しさ


 ポーランド出身の前ローマ法王ヨハネ・パウロ2世は、死後ただちに、あらゆる方面から「すぐに聖人に」という声が上がったほど近年まれなる偉大な法王であった。だが、いくら偉い前法王でも一足飛びに聖人にはなれない。

 ごく簡単に言えば、専門の機関が聖人の資格審査を始めると「神の僕(しもべ)」と呼ばれ「尊者」の宣言を受ける。続いて聖人になる前の段階の「福者」になる審査を受ける。

 だが、この審査は最低1つの奇跡を起こしたか否かを含む厳しいもので、今でこそ非常に簡素化されたが、昔は数百年を要することも珍しくなかった。

 さて、前法王が起こした奇跡とは、2005年6月2日夜、パーキンソン病を患っていたフランス人修道女が前法王の夢を見たところ、一夜にしてパーキンソン病が治ってしまったというものである。

 だが、このほど科学審査を行った4人の医師団のうちの1人がこの修道女の病名に疑義を示したから大変。今年の10月か11月に予定されていた福者を祝う「列福式」が大幅に遅れる恐れが出てきた。

 もっとも、特別秘書として前法王を長年にわたり支えた現クラコビア大司教は、「前法王に関する奇跡としては実に251件もの事例が提出されたから、別のものを選ぶにしても問題はない」としている。

 それにしても、聖人になる難しさにたいする認識を新たにした次第である。

坂本鉄男
(3月21日『産経新聞』外信コラム「イタリア便り」より、許可を得て転載)

2010年3月20日

春期イタリア語講座のご紹介 同時通訳

このコーナーでは、春期イタリア語講座の新設コースをご紹介してゆきます。

今回はリッカルド・アマデイ先生のコースをご紹介します。

青山教室の改装もようやく完成しました。
IMG_1139.JPG新たに同時通訳の設備を設置した小ホールも出来上がり、居心地よい空間となりました。
今まで東京にはなかった「同時通訳の練習場」としての顔もあります。

この設備を使って「同時通訳コース」を開講します。
イタリア語の“Interpretazione  Simultanea”の頭文字をとって INSIコース。

「通訳」の様々な形態の中で、恐らく「同時通訳(業界用語「同通」!)」はもっとも労力を費やす、もっとも神経を使う、最も緊張する、一言で言えば「最も疲れる」形態です。

まず8回のコースを作りました。この8回に通って「同通できるようになった!」と思わないで下さい。
8回はただの「前菜」です!フルコースは、やはり、多少の個人差はあるものの、一人前になるには恐らく少なくとも2年ぐらいはかかるでしょう。

通訳ですので、伊→和、和→伊、もちろん両方を行います。
最初は「オーバー・ヴォイス」、つまり講演者の声に合わせて、予め用意した原稿を読む練習です。簡単に聞こえますが、意外に難しいですよ!
それから、少しずつですが、原稿のないフリー・トーク(討論など)を練習することになります。
技術収得には時間がかかりますし、その場でいちいち辞書を引ける訳ではありませんので、自分の頭の中に辞書を「詰め込む」必要があります。
従って、教室における「実際の練習」のほかに、自分自身で行わなければならない勉強はとても大切です。

多くの方の申し込みをお待ちしております。
しかし、実際のクラスは6人ないし7人のみですので、選考試験をさせていただきます。

皆さん、頑張ってください!

2010年3月19日

イタリア政府奨学金留学生募集

外国政府および国際機関による2010年度イタリア政府奨学金留学生募集要項が発表されました。
応募締め切りは2010年3月31日となります。

2010年3月17日

春期イタリア語講座のご紹介 イタリアンポップスで覚えるイタリア語

このコーナーでは、春期イタリア語講座の新設コースをご紹介してゆきます。

今回は中級レベルの「イタリアンポップスで覚えるイタリア語」をご紹介します。
授業を担当するフィオーレ・リエート先生にお話を伺いました。

 Interviewer: 音楽を使った授業というが楽しそうですね。けれどもイタリア語を勉強する人には、クラシックやオペラが好きな人が多いのではありませんか。
Fiore Lieto: たくさんの生徒さんがクラシックやオペラを聴いていらっしいますし、たいへんよくご存知です。ナポリのカンツォーネなどもよく知られていますね。けれど最近のイタリア音楽についてはどうでしょうか。
たとえばサンレモ音楽祭などで歌われるような、いわゆる「軽い」音楽、つまりポップスについては、それほどご存知ないのではないでしょうか。
ポップスのような「軽い」歌は、シンプルで耳になじみやすく、ひろく聴かれています。口ずさむのも簡単ですし、内容も難しくありません。たいていは愛の歌ですからね。

P3171381.JPGI: つまり授業のなかでは、そんなイタリアの「軽い」音楽を聴くわけですね。
FL: 実はイタリアでよく聴かれる音楽には多くのジャンルがあります。 今お話した「軽い」ポップスに加えて、ロックやメロディアスロックもありますし、ラップもあります。それに「カンタウトーレ」と呼ばれる
シンガーソングライターたちは、かなり政治的で難しい内容の歌詞を書いています。現代イタリアの社会や個人の問題など、さまざまな問題に取り組もうとしているのです。
そんな歌の数々をよりよく理解できれば、社会的・文化的な視点から、今、イタリアで起こっていることに近づくことができるのではないでしょうか。

I: なるほど。つまりポップスの授業では、イタリア・ミュージックシーンの、さまざまなジャンル、さまざまな「カンタウトーレ」を取りあげて、その文化的側面も深く理解しながらイタリア語の力を高めてゆこうというわけですね。
授業は具体的にどんなふうに進められるのでしょうか。

FL: ひとつの曲に授業を2回かけようと思います。つまり前半と後半で4曲づつ、全部で8曲を勉強することになります。
まずは曲を聴いて、タイトルや歌詞の内容を想像しながら、みんなで話し合います。それから歌詞を読むことになります。声に出して、発音や韻律を確認します。
それがすんだら、もっと詳細に歌詞を読みます。単語の意味を確認し、文法的な問題を解明しながら、会話や作文で応用できる便利な表現を学びましょう。作詞家や歌手についての解説や、その歌が書かれた背景もお話することになるでしょう。
もちろん勉強した曲は一緒に歌ってみるつもりです。上手に歌おうなんて思わずに、歌うことを楽しめたらと思います。
そんなふうに学んだイタリアの歌は、CDで聞き直したり、ときにはラジオや旅行先で耳にすることもあるでしょう。それは外国語を深く学びための、楽しくて気軽な方法なのではないでしょうか。

I: なんだか楽しそうですね。けれども少し難しい内容になるのことはありませんか?
レベルとしてはどの程度の生徒さんが受講できるのでしょうか?
FL: なによりもポップスに興味をお持ちの方に受講したもらいたいと思いますが、レベル的には中級の方を考えています。
イタリア語の基礎を一通り学んだことがある方なら、楽しく授業に参加して有意義な時間を過ごしてもらえると思います。

I: ありがとうございます。たくさんの生徒さんにイタリアンポップスを楽しんでもえたらよいですね。

2010年3月15日

プーリア便り15

Ciao dalla Puglia!

3月6~8日、ローマに小旅行に出かけてきました。
今回の目的はブランカッチョ劇場(Teatro Brancaccio)で行われているミュージカル「WE WILL ROCK YOU」とスクデリエ・デル・クイリナーレ(Scuderie del Quirinale)で行われているカラヴァッジョの企画展の鑑賞でした。
連日良いお天気に恵まれ、当初の目的以外に町散策も気持ちよく楽しむことができました。
それぞれの町にそれぞれの良さがあるのですけど、私とGIANはイタリアでどれか1つ好きな町を選ぶとしたら迷わず「ローマ!」、それくらい大好き。
あ、もちろんマルティーナ・フランカは別格ですが。
有名な観光地は数あれど、ゴロゴロ存在している紀元前の建物と市井の人の活気ある普通の暮らしが同居しているごちゃごちゃ感が何より魅力的だし、季節や時間によってこれほど表情が変わる町を私は他に知りません。
カメラ片手に散策したローマの早春の様子を今回も写真を中心にお届けしたいと思います。

大好きな散策コースの1つ、チルコ・マッシモ。
スポーツを楽しむ人、おしゃべりしながら散歩する人、犬と一緒に遊ぶ人等でにぎわっていました。

P3070056.jpgパンテオン前の噴水も腰掛けておしゃべりする人やパニーノをほおばる人などで大にぎわい。

P3060022.jpgナヴォーナ広場で行われていたジャズのパフォーマンス。

P3060019.JPGこちらはタンゴのパフォーマンス。
最初は女性がソロで踊っていたのですが途中から観客の男性の1人が踊りを申し込み…、優雅に数曲を一緒に踊り、大喝采を浴びていました。

P3060039.jpgさすがに夜はまだ冷えますが、夜のローマも幻想的で、同じモニュメントも昼とはまた違う美しさがあります。
サンタンジェロ橋からサン・ピエトロ大聖堂のクーポラを臨む場所は特に好きな景色。
まもなく夜の散策も気持ちよい季節ですね。

P3070059.JPG3月8日は「女性の日」-感謝の気持ちを込めて女性にミモザの花を贈る習慣があります。
この日はクイリナーレ宮(大統領官邸)の門番も女性、そして入口を囲うロープ全てにミモザの花が結わえられていました。粋な演出ですね!

P3080087.jpg以上、ローマの春の速報でした。
この写真だけ見ているとすっかり春という感じですが、帰宅翌日はイタリア全土が冬に逆戻りしたかのような大荒れの天候。
ニュースを見たらローマも大雨でした。
3月はぽかぽか日和の日もあれば、どかんと雪や雹が降る日もあり、“marzo pazzerello”(狂気の3月)という言い回しもあるほど天候が変わりやすいのです。
本格的な春が待ち遠しいです!

P.S.
当初の目的だったミュージカル「WE WILL ROCK YOU」とカラヴァッジョ展、どちらもすばらしかったです! 
「WE WILL ROCK YOU」はご存知のかたも多いかと思います。クイーンの曲が全編に散りばめられているし、劇中のセリフはイタリア語ですがとても分かりやすかったので、クイーンが好きな方ならきっと楽しめると思います。
カラヴァッジョ展はもともとの作品数が多くない上に、今回の展示は宗教施設等の公の場にある作品は含まれず、かつ100%カラヴァッジョ作と鑑定されている作品のみの展示でしたので数はそれほど多くありませんでした。
しかし彼の激動の人生の各年代毎の特徴別に展示してあってとても見やすく、各解説板も充実していてよく練られた展示会と感じました。
ご興味のあるかたは旅の途中でご覧になるのも良いのでは?
どちらもネット予約可。
特にカラヴァッジョ展は混んでいましたので日時指定の予約をおすすめいたします。 

2010年3月14日

坂本鉄男 イタリア便り シーザーの命日


 古代ローマ帝国の基礎を築いた英雄ユリウス・カエサル(英語名ジュリアス・シーザー)は、紀元前44年3月15日の朝、ローマ元老院で暗殺された。

 元老院と言ってもフォーロ・ロマーノに現在再現されている元老院ではなく、ローマの著名な将軍兼執政官ポンペウスがローマ市民に贈った大劇場兼議事堂であった。当時、元老院の会議場としてしばしば使用されていた。

 これは、現在のローマ市の中央部にあるアルジェンティーナ広場の近くにあった。

 シーザーは前年9月に終身独裁官という最高の称号を得てあらゆる権力を一手にしたが、同時に彼の権力集中を恐れ、憎んだ政敵に命を狙われることになる。この日、彼が元老院に赴き席に着くと、暗殺加担者たちが尊敬の念を表すかのように彼を取り囲み、殺害実行が始まった。

 シーザーは、振り上げられた多数の短剣を見て覚悟を決め、死に際の体面を保つため自分の衣服をのばし、足まで覆った。

 しかし身体の23カ所を傷つけられ、議事堂の建設者ポンペウスの巨大な大理石像の足下で死んだ。

 ローマが世界に類のない都市であるのは、2000年以上も前にシーザーの暗殺事件を見守っていたこの大理石像が、現在でも市内のスパーダ館に残っていることである。

 「ローマは1日にしてならず」の諺(ことわざ)は正しい。

坂本鉄男
(3月14日『産経新聞』外信コラム「イタリア便り」より、許可を得て転載)

2010年3月 8日

坂本鉄男 イタリア便り 車はヒマ人のもの


 イタリアも不景気なはずなのに、昨年秋以来、ローマ市内の車の数は明らかに増えている。

 わが家の周囲でも道路の両側は路上駐車の車でビッシリだ。月に1、2回思いだしたように警官がやってきて目に余る二重駐車の車や歩道を勝手に占領している車に反則切符をはり付けるが、このペースで追いつくはずもなく「駐車違反の罰金とは運が悪い人間だけに振り掛かる一種の災難」と思われても仕方がない。

 なにしろ市民の多くがバスやトラムなどの公共交通機関を利用せず、勤めに行くのも買い物に行くのもすべて自分の車で済ませようとするから、道路が混雑するのは当然だ。

 昨年11月のある消費者団体の調査によると、ローマ市民が毎日渋滞によって失う時間は年間260時間、つまり年間11日に上るという計算結果だった。これは、ミラノの10日やナポリの9日と比べても多い。

 東京中心部の区をせいぜい2つか3つ合わせた程度の広さのローマ市内の道路が混雑するのは、路上駐車する多数の車によって道路の幅が半分に狭められていることも一因だ。

 このほか、市外から毎日300台以上も到着する大型観光バスと、週に少なくとも数回は中心部を練り歩くデモ行進も大きな原因になっている。

 要するに、市民が意識を切り替えない限り、ローマの交通渋滞の解消は到底不可能としか言いようがない。

坂本鉄男
(3月7日『産経新聞』外信コラム「イタリア便り」より、許可を得て転載)

MINESTRONE 6

我が人生に、ガンゾ(愛犬)が登場する前まで、私はミラノの移動に自転車を使っていました。ミラノの広さなら、たいていの所は自転車移動できます。
日本では経験不足だった石畳。ひどい衝撃を避けるため、お尻をあげたまま走る術も覚え(って大げさですか?)フランス製の黄色いわが愛車(愛ちゃりんこ)でミラノの街を走り回っておりました。

問題は「自転車泥棒」。デ・シーカの戦後の映画のことではありません。私が自転車でミラノの街を徘徊していた90年代も、「自転車泥棒の被害にあわずに自転車を愛用する」のは、結構ストレスがたまることでした。
日中、道に放置する時は、たとえパンを買うだけでも、大業なチェーンでガードレイル等と固定し、朝晩も厳重に管理をしなければなりませんでした。
それでも、タイヤがなくなってた、とか、部品がなくなっていたとか、そんな話は良く聞きました。

ガンゾがやってきた時も、巷でよく見る「おしゃれな籐かごワンコ」にしつけようと努力はしてみたのですが、うちの犬は、(飼い主に似たのか)かごの中でじっとしているなんてとてもできず、道を歩いている雌犬を見ると勝手に飛び降りる、雄犬をみると突然吠えはじめるはで、生死の問題になってしまい、「おしゃれな籐かごワンコ・ガンゾ」は諦めました。
それ以来、私のミラノ自転車人生は終幕を迎えたのでした。
例外!田舎で車の通らない道に行くと、私は自転車で、ガンゾは隣を幸せそうに走ります。田舎はいい。

さて、2008年の末から、ミラノでは自転車シェアーリングサービスの「Bike Mi」が始まりました。
bikemi1.jpg bikemi4.jpg最初は、ステーションも少なかったし、使用者も少なかったけれど、今では103ステーションもあり便  利になりました(http://www.bikemi.com/pfw_files/tpl/mapa/mappa%20milano_201009.pdf)。
職業病で(?)すぐデザインに目が行ってしまう私ですが、ごつい感じとはいえ、悪くないと思うのですがいかがでしょうか?なぜオレンジ色?と思われるかもしれませんが、オレンジ色はミラノを走るトラムやバスの色です。

年間・週間・1日契約ができます。
契約費用は、年間36ユーロ(約4400円)週間6ユーロ、1日2.5ユーロです。使用代金は、契約期間にかかわらず、最初の30分はタダ。後30分ごと2時間まで50セント。
2時間以上は2ユーロですが、3回以上2時間以上使用すると契約が解消されてしまいます。要するに、移動のみに使用せよ!ということですね。
長い間借りたければ、少なくとも2時間ごとにステーションに返還し、再シェアーすれば問題ないわけですけど。

bikemi5.jpgシステムはすべてデジタル化されており、ハイテックです。契約も、インターネットや携帯のSMS機能を使ってもできます。

2008年より、普通ガソリン車の場合Euro3以上のエコ車以外は、ミラノの中心部に入るのに、1日2ユーロから5ユーロかかるようになり、そのシステムをEcopassと呼びます。
ミラノ市長モラッティさんの市エコー対策の一環で賛否轟々でしたが、この自転車シェアーリングサービスの方は、良いアイディアなのでないかな、と思います。

モラッティ市長とベルルスコーニ首相.jpg使用者は?ここがなかなか難しいところ。
ミラノの冬は寒い!あの寒さの中を自転車で移動する気には、なかなかなれません。
雨が降ったり、雪が降ったりすると、ますます自転車どころじゃない。
真夏。日陰を探しながら歩くような暑さの中、自転車で移動するのは辛すぎる。汗をかいたら仕事場で困る。
その上、女性は思い切りおしゃれ。ヒールとミニスカートで自転車は…。
というわけで、ステーションにいつも自転車がたくさん残っている様子を見るのは残念です。
ミラノは自転車好きの人が多い街ですが、彼らは自分の自転車で移動しているのですね。
あっ、私のように、落ち着かない犬がいて自転車移動できない、という人もいるかも。

春と秋、ミラノの街を自転車で走るのは最高ですよ!!

2010年3月 4日

春期イタリア語講座のご紹介 入門会話

Arcadia L1.jpg今回ご紹介するのは、これからイタリア語を学びたいという方のための入門講座です。

日伊協会の入門講座は、「入門会話」と呼ばれています。
なぜ「会話」なのでしょうか。

もちろん、外国語を勉強するためには、文法的な知識は欠かせません。
けれども、複雑な文法の知識を覚えるよりも、まずはイタリア語を楽しむことが大切だと考えています。
日伊協会の「入門会話」は、会話を楽しむことを目的にした講座です。

ですから、最初に学ぶのは “Buongiorno”。カタカナで書けば「ブゥオンジョルノ」。言葉の意味は「よい一日でありますように」。
こんなふうに文字にしたり、日本語の意味を記してみても、イタリア語の響きを体験することはできませんよね。
教室では、そんな言葉の響きを皆さんに楽しんでもらいたい思います。
“Buongiorno”の響きを感じながら、口にしてみることで、皆さんはきっと何か新しい自分と出会ったような気持ちになるのではないでしょうか。

Arcadia L1 p1.jpg                                  ↑ 実際に使用するテキスト

日伊協会のイタリア語の授業は、そんな気持ちを大切にしたいという思いから、「会話」というタイトルを選びました。

最初の10回は、イタリア語を勉強してきた先輩である日本人講師がお手伝します。
これらの授業で「会話」のための手がかりをつかめたら、残りの8回はイタリア人の講師にお任せください。
ゆっくり、少しずつ、皆さんをイタリア語の世界へご案内します。

入門の18回が終わったら、次のステップとして「初級会話」をご用意しています。
この授業では、実際にイタリアに行ったような雰囲気のなかで、会話の楽しさを味わえるようになっています。

さらにイタリア語の奥深い魅力をご紹介できるように、日伊協会では、中級、上級のコースだけではなく、さまざまなテーマ別コースも開講しています。

将来はイタリア語のプロになりたいですって? お任せください!
日伊協会には、本格的な通訳や翻訳のコースもありますよ。

おっと、話が大きくなりすぎたかもしれません。
ともかくイタリア語に触れてみたいとお考えなら、ぜひ一度、体験レッスンにご参加ください。

私たちの考える「会話」のクラスの雰囲気をきっと楽しんでいただけると思います。

2010年3月 3日

春期イタリア語講座のご紹介 リチェッタを読む/ビデオで学ぶイタリア料理

P3021378.JPG今回ご紹介するのは、TV講座にも出演されているヴィオレッタ・マストラゴスティーノ先生の授業です。
マストラゴスティーノ先生のイタリア料理を題材にした「リチェッタを読む」(初級2クラス・上級クラス)、「ビデオで学ぶイタリア料理」(中級~上級クラス)が開講されます。どんな授業になるのかお話を伺いました。

Interviewer: まずは「リチェッタを読む」のクラスからお話をうかがいたいと思います。
これは、イタリア料理のレシピを読むクラスですよね。具体的には、どんな授業になるのでしょか。
Violetta Matragostino: ただ読むだけではありません。調理の映像を見て、イタリア語のリスニングも行います。ビデオを見ると、料理の手順が具体的にイメージできますしね。
また、3回に1度は実際に料理を作ろうと思います。そのときは、できるだけ勉強したレシピを使うつもりです。

I: 「リチェッタ」のクラスには、初級と上級のクラスがふたつありますが、授業の内容や、料理の内容も変わってくるのでしょか?
VM: 基本的な授業の進め方は同じです。
レシピについても、クラスのレベルによって少しは変わりますが、ときには同じものも使います。違うのは、やはりイタリア語のレベルですね。
初級クラスでは、なるべく簡単なレシピを読もうと思います。必要なら日本語でも説明します。
上級では、なるべく日本語は使わずに、できるだけイタリア語で授業をすすめたいと思います。

I: つまり、イタリア語のレベルが初級の方も、上級の方も、自分のレベルにあわせてイタリア料理が学べるというわけですね。
VM: そうです。
けれども、この授業は料理を覚えるためだけのものではありません。
レシピに出てくるイタリア語をしっかり理解するためにも、語彙や表現や文法事項を整理して、言葉の練習もしてゆきます。

P1040332.JPGI: なるほど、料理とイタリア語を学ぶことができるということですね。
ところで「ビデオで学ぶイタリア料理」のほうは、どんな内容なのでしょうか。
VM: ビデオのクラスは3回1組のコースですが、毎回違う料理を扱うつもりです。
まずは比較的簡単なイタリア語の映像から始めて、少しずつ複雑なものにしてゆこうと思います。
ビデオのなかのイタリア語のリスニングから始めましょう。
少しずつ単語を聞き取ってゆき、さまざまな表現を理解しながら、料理の作り方を自分のものにできるようにしたいと思います。
授業に最後には、きちんとしたのレシピのコピーをお配りしますから、安心してください。

I: 毎回レシピをひとつ持って帰ることができるということは、新しいイタリア料理を家で試せるということですね。
ところで、ビデオのコースでは、どのようなイタリア料理をご紹介くださるのでしょうか。やはりご出身のフィレンツェの料理ですか。
VM: フィレンツェ料理に限らず、できるだけ様々なイタリアの地方料理をご紹介したいと思います。
ご存知のように、イタリア料理は地方によってさまざまです。使う素材も違えば、料理方法も違う。それぞれの地方には、独特の食文化があるのです。
みなさんには、この授業を通して、そんなイタリアの食文化の豊かさをご紹介できればと思います。

I: 大変興味深い授業ですね。大勢の方に受講してもらいたいと思います。ありがとうございました。

2010年3月 1日

プーリア便り14

Ciao dalla Puglia!

2月最後の土曜、プーリアは良いお天気に恵まれ、気温も20度近くまで上がりました。
日もだいぶ長くなり、まだ風は少し冷たいものの、春の訪れがそこかしこで感じられました。
こうなると家でじっとしていられません。GIANと一緒に出かけた郊外の春の様子を写真を中心にお届けします。

犬達も日向ぼっこ。気持ちよさそう…。

DSC_2709.JPG
色が少ない冬のヨーロッパ。ミモザが鮮やかな黄色の花を咲かせると春の訪れを感じます。
DSC_2720.JPG豊かな大地と海、プーリアを象徴する光景です。

DSC_2741.JPGのんびり散策していたらあっという間にお昼。
「そろそろ例の店、開店したかな?」と向かったのは…。

“L’OASI DEL RICCIO”その名も「ウニのオアシス」!
名前のとおりウニを中心とする魚介専門のレストランで、初春から初秋迄の期間限定営業です。
もう少し温かくなったら屋外のテーブルで潮風を受けながらいただくのもおすすめ!
プーリア人は日本人同様、生の魚介類が大好き、もちろんウニも人気があります。
今日も店内はほぼ満席でした。

DSC_2735.JPGまずは前菜に生ウニ、生カキもおすすめだったので、それも半ダース。
生ウニは2人で50個いただきました…。
日本人の感覚だとビックリですが、こちらではみんな1人当たり20個30個は平気で食べます。
値段は時価ですが1個当り約0.4~0.5ユーロなので、日本のお鮨屋さんのようにビクビクしなくても大丈夫(笑)
捕りたてで海の塩気が残っているので調味料等は必要ナシ。
スプーンですくって食べる上品な食べ方もありますが、写真のように直接パンですくっていただくのがいちばん旨味を堪能できて美味!
パートナーがプーリア人でよかったーとしみじみ思う瞬間です(笑)
昨夏、日本人の友人が遊びに来てくれた時も海水浴の後にお連れしたらとても喜んでくれました。

DSC_2728.JPGプリモは私はウニの、GIANは魚介のスパゲッティ。
普段は食べきれないのでプリモをGIANと半分こすることが多いのですがここのウニのスパゲッティは別!
いつもきっちり私もイタリアサイズの1人前を平らげます。
ちなみにこのパスタ、ウニの漁獲量が少ない日はメニューに載らないのです。
プリモの後はおなかに余裕があれば魚介のフライがセコンドにおすすめ!

DSC_2730.JPG食後は海を眺めつつ休憩してから散策の続き…。 

桜!? と一瞬日本にいるかのような錯覚を覚えますが、実はアーモンドの花。
ミモザ同様、春の訪れを告げる花です。
オリーブの木と一緒に並んでいるのがプーリアらしいところ。
他にも名前はわかりませんが色々な野花が咲き初めたので、それらを眺めながらのそぞろ歩きが楽しい季節です。

DSC_2747.JPG野花を少し手折ってきて帰宅後に生けてみました。
PB230013.jpg野花はすぐに弱ってしまうことが多いのですが、この可憐なオレンジ色の花はわりに丈夫で、去年も水切りすれば1週間くらいもちました。
プーリアのそこかしこの野原に山のように生えているので、時々失敬しては、こうして家の中でも楽しめるのも、東京暮らしの頃はなかなか味わえなかった楽しみです。

以上、プーリアの春の速報でした。
日本も間もなく桜の季節。なんだかわくわくしますね!