2010年4月13日

MINESTRONE 7

パスクワの休みがあったり、5年ぶりのインフルエンザで寝込んだりしているうちに、少し日にちがたってしまいましたが、3月28日29日、イタリア統一地方選挙がありました。州知事、州議会議員選挙+いくつかの市長選挙です。

結果は、13州中7州が左派、6州が右派の勝利。と書くと、それでは左派の勝利ですね、という思われるかもしれませんが、前回2005年選挙の際、11州が左派、2州が右派の勝利だったので、今回は左派の大敗戦ということになります。
ちなみに北から結果を書いていくと、Piemonte 右派 Lombardia 右派 Veneto右派 Ligria 左派 Emilia Romagna左派 Toscana左派 Umbria左派 Marche左派 Lazio右派 Campagna右派 Puglia左派 Basilicata左派 Calabria右派。
お気づきのように、北部南部は右派優勢で中部は左派優勢となっています。
イタリアではToscana、Umbria、Emilia Romagna、Marche地方は、Zona Rossa(赤エリア)と呼ばれ、伝統的に左派が強い地域です。
一方北部、特にLombardia、Veneto地方は右派の強い地域です。
1990年代の初めまで、ミラノはクラクシ氏率いる社会党の本拠地だったのですが、汚職騒ぎでクラクシ氏が亡命し、あれよあれよと社会党は姿を消し、その後左派は絶対に選挙では勝てない地域になりました。
まあ、イタリア社会党が左派と呼べたかどうかは、ちょっと疑問の余地の残るところですが…。
クラクシ氏の後、社会党は分裂し、その1派は右派と同盟を組んだりして、社会党とファシスト系統の同盟と言うのがどうしても良く分からないのは、私だけだったのだろうか?

イタリアの政党に関して書き始めるときりがないので、選挙の話題に戻ります。
結果として、今回の選挙は、右派の勝利、ということです。
そして多く語られたのが、今回の投票率。イタリア国憲法によると、投票は「市民的義務」(ただし、投票しない人に処罰はない)です。時々どこかで目にするように、イタリアでは投票は義務だから、投票しない人には何か罰がある、というようなことはありません。
政治離れをしていない国民性のイタリアでも、最近は投票率が落ちてきて問題視されることが多いですが、それでも70%を切ることは稀です。
ところが今回の投票率は64%でした。
日本、そして世界の先進国諸国に比較すれば立派な投票率ですが、前回が72%でしたから、大幅減です。
そして、伝統的に左派支持者の投票率が高いのですが、今回は左派支持者の投票率が落ちています。

さて、話は変わりますが、選挙戦。もうこれはイタリアらしさ満載です。
まず、選挙前の政治家繰り出しての政治討論テレビ番組。
初めてイタリアに来て政治家の登場する討論番組を見た私は、言葉通り「目の玉が飛び出るほど」驚いたものです。
人の話を聞かない。人の話を折って話し出す。2人、時に3人が同時に、相手より少しでも大きな声になるようにと大声で怒鳴り合う。「聞いてくれ、話を聞け、私の話す番だ、聞いてくれ~ おい、僕の話を聞くんだ。聞け~俺が話すんだ。オレに話させろ~」と叫ぶ人。
時に、怒り狂い自分の感情を抑えられなくなった政治家が、もうどう考えたって、日本語には翻訳できないようなすごい罵倒の言葉を吐き捨ててスタジオから出て行ってしまう。
ちなみに日本に帰ると、父が、確か日曜日の午前中に放映していた政治討論番組を「いやぁ、言いたいこと言っておもしろいんだよ」と楽しみに見ていましたが、イタリアに慣れていた私から見ると、みんな超優等生で礼儀正しく、えっ?これで討論しているの?、と思いました。お~こわ。朱に交われば赤くなる、で、私にもラテン系のドクドクしい濃い血が流れ始めているのかもしれない。

公営掲示板.jpgそして最後に、選挙ポスターについて。選挙前になるとイタリアにも日本と同様、選挙用の公営掲示版が街の至る所に立ち上がります。
ところが、その掲示板の使用方法がいまいち分かりません。
とにかくめちゃくちゃに、何枚も何十枚もどんどん重ねてポスターが貼りつけられていき、最後には根気とお金のある候補者の勝ちなのでしょうか…。
それぞれの政党、又は候補に場所を指定すればいいだけのような気がするのですがね。
ポスターは、どこにも貼り付けていいわけではありませんが、もちろん、その辺の「隙間」がポスターであふれます。

 そしてその上に「AFFISSIONE ABUSIVA」(違反掲示)と貼られるわけです。
 「AFFISSIONE ABUSIVA」と刷る代金。それを探し、貼って歩く人件費。はがすための人件費。それは誰が払っているのかと言うと、もちろん私たちで、そんな違反するやつに投票するものか、と思うわけですが、そんなこと言っていたら誰にも投票できなくなる勢いで、街中が掲示違反なのです。

違反掲示2.jpg
ミラノのLombardia地方の左派右派2大候補者のポスターをご覧ください。

ロンバルディア地方左派候補.jpg ロンバルディア地方右派候補.jpg選挙前から誰も疑うことなく、そして実際に大勝したFormigoniさん。白いYシャツのそでをめくり、ネクタイを緩めた「ラフ」なお姿。選挙ポスターに、こういうのありだと思いますか?

コメント

いやいや、やっぱりイタリアの選挙事情はおもしろい!
残念ながら、これまで選挙期間中にイタリアにいたことがなかったんですが、この記事で生の姿を知ることができました。

ところで、ラフな姿、日本でも誰かにやってほしいな。
選挙前から「絶対勝つ」とわかっているような人ならば、ちょっと冒険してくれるかも。

イタリアの選挙…というか、政治はおもしろいです。
政治家には、首をひねることが多いですけど。
めちゃくちゃですもの。

このラフポスターありですか?
それでは次回は、「えっ、これ選挙ですか、●●ですか?」と疑問が生まれるような、女性候補者のセクシー悩殺ポスター特集でもくみたいです。

おお、日本の法律に触れない程度で、ぜひお願いします!

香織さん、こんにちは!
私、未だにイタリアの討論番組(政治に限らず、模擬裁判番組等も)が大の苦手。相手の話なんてお構いなしにひたすら自己の主張のみを声高に叫ぶ人を見るとげんなりしてしまって。サンタンケー女史とか美人で有名ですけど、討論を始める鬼のような顔になってものすごく下品になる気が・・・。あ、あとなぜそこまで胸の谷間を強調する必要が?とも思います(笑) もっとイタリア歴が長くなればおもしろさを感じられるようになるのかなあ?
話はそれますが先月知人の葬儀でヴェンドラ氏をお見かけしました。鋭い目つきで耳には大きいダイヤのピアスが光っていて”TVで拝見するお顔そのままだ~”とちょっとミーハー気分で見てしまいました。ベルルスコーニ氏もそうですけど彼らのような人々が当選するってことは、イタリア人にとって政治家のプライベートは関係ないのでしょうね。日本の政治家がプライベートな問題が起こると即辞職となるのとは対照的でその点は興味深く思います。

NAMIさん、こんにちは!
政治討論番組は、時に「漫才」だと思えば楽しくなるかもしれません。
それに…すごい勢いで叫んでいる政治家たち、実はたいして興奮してなくて、演技で役になりきって楽しんでいるのではないかと思います。
あっ、先日サローネでサンタンケ女子を見ましたが、正直言って驚きました。(どういう意味で驚いたかは、ご想像にお任せしますが…)

ヴェンドラ氏は私も好きです。
やはり、プライベートより、「頭脳」ですね!

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