MINESTRONE 8
イタリアで新聞を読むときは気をつけなければいけない…、のをご存知でしょうか?
というのは、イタリアの新聞は、各紙に政治色がはっきりとあるからです。
イタリアで一番売れている新聞は「コリエーレ・デラ・セーラ」と「ラ・レプブリカ」。この2誌でさえ、「コリエーレ」が比較的中道であるとしても、「レプブリカ」誌は左派寄りになります。
完璧に右派の「イル・ジョルナーレ」や「リーベロ」。元共産党の新聞であり、今でももちろん左派の「ウニタ」。とにかく購買する新聞で、政治色を世間に告白していることになるわけです。
するとどのようなことが起きるか…。
例えば、元気で爽やかな気分の朝。7階の我が家から階段を降りようと、タカタカと階段を駆け下りながら、同じコンドミニオの住人の政治色が分かってしまうのですね。
ロッシさんは中道左派。ベルナルディさんは中道右派。ナルディさんは超左派。ヴァレンティさんは超右派。
もしくは、仕事で初めて会う企業の社長さん。机の上にさりげなく新聞が置いてあったりして、「おっ、そうか。それじゃあ、政治の話題には触れない方がいいな」とか、「あぁ、この人とは政治の話題もできるな」とか判断材料になったりします。
でも、時々、ドキリとするような素敵な男性が、かばんの中から超右派の新聞なんか出してくると、その途端100年の恋も冷めてしまう、ということも起きたりします。ロマンスが始まる前から、残念ではあります(まあ、ロマンスはいずれにしても始まらない可能性の方が大きいわけで、新聞を言い訳にする、という考え方もできますね)。
記事も、政治色により、同じ話題が全然違う観点で書かれているので、特に政治関係の記事は、時に全く違う内容に見えます。
日本の新聞のように、なんだかんだ言って根本は…、みたいな常識はありません。
デモの参加者の数なんか、倍以上違っている時があるし、政党の支持率や、世論調査なんかも、読んでる方の頭が混乱するほど違っています。
全然関係ないけど、天気予報も、新聞により、一方は晴天で他方は大雨だったりします。
そんなイタリアの新聞に、何か不便(不満)があるかと言えば…、何もありません。
真実は1つって、こともないし。
まあ、羅生門の世界が、新聞記事にも起きるわけで、それはそれで良いのではないかと思います。
ただ、何も知らない外人が、超右派の新聞を買ってしまったりしませんように…。イタリアに対するイメージがますます悪くなるでしょうから!!
政治とは関係ありませんが、イタリア新聞の文化欄は、とても内容が豊富です。
全体のページ数も多いので、文化欄も余裕のある構成で、アート・科学・本・映画や演劇・建築やデザインと色々なジャンルで、各新聞がとてもレベルの高い記事にしています。
写真も多いし、グラフィック的にもきれいな新聞が多いし、日本の新聞のように「質実剛健」な感じではありません。新聞もまた、良しも悪しも色々な意味で「イタリアらしい」ですね。
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