2010年11月28日

坂本鉄男 イタリア便り 世界最弱チームとは


 世界のサッカー界には、ブラジル、スペイン、ドイツ、イタリアなど最強の代表チームを持つ国があるのだから当然、最弱の代表チームもあるわけだ。

 違いは人々の関心が集まらないということだけ。さて、この最弱のチームとは、イタリア中部にある「ミニ国家」の一つ、サンマリノ共和国の代表で、この国唯一のプロサッカーチームも兼ねている。

 プロとしては、1960年誕生という古い歴史を持つこのチームは、普段はイタリアプロリーグ第2部(2008年まではセリエC2と呼ばれていた)に属すが、これまで103回も各国代表チームと対戦してきた。

 だが、その戦歴はなんともすさまじい。04年4月に地元のオリンピックスタジアム(名前は大げさだが観客収容数は7千人で、1試合の平均観客数は750人)にリヒテンシュタイン代表を迎えた試合で1対0で勝ったのが、代表としての唯一の勝利だ。あとの戦績は99敗3引き分けで、得点数は17点なのに対し、失点数は445点にも膨らむ。「13試合連続得点なし」と、「38試合連続敗戦」という世界ワースト記録を保持している。世界ランキングは203位。

 だが、勝者があれば敗者があるのは当然だ。負けなど気にしない、気にしない。

坂本鉄男
(11月28日『産経新聞』外信コラム「イタリア便り」より、許可を得て転載)

2010年11月25日

トーニャとレジーナの南イタリア紹介 私のパスタはマンマの味-こんなおいしさ初めて!

皆さん、こんにちは!
数ヶ月前にご紹介した料理の先生、ティルデ・ジョルジォのことを覚えていますか?(「ジェノヴェーゼ」というのは何だと思いますか?) ずいぶん時間が経っているので、覚えていない方もいると思いますが。
さて、今回またティルデ先生をご紹介します。
ティルデ先生はかねてからの念願かなって、昨年、来日を果たし、雑誌『クロワッサン』特別号の記事掲載のために、撮影用の料理を行いました。

クロワッサンプレミアム 2010/01/20発売号 (201003号) foto_1.JPG南イタリア、ナポリの近くにあるパガーニという町で、トラットリアを経営しつつ、料理教室も営み、主婦として日々家族のために食事を作るティルデ先生に、美味しい南イタリア料理のレシピを習うのは如何でしょうか?
雑誌『クロワッサンプレミアム』の人気特集が本になり、9月にティルデ先生の本が出版されたのでご紹介します。

『私のパスタはマンマの味』 foto_2.JPGティルデ先生の料理は、ビックリするほど簡単ですよ。是非作ってみてください。
たとえば、トマトソースはオリーブオイルを熱したら、トマト缶を入れ、強火でがんがん水分を飛ばし、砂糖と塩を加えて煮詰めるだけで、実にフレッシュでおいしいソースができ上がるのです。
興味ある方は『私のパスタはマンマの味』をご覧ください。クリスマスプレゼントにもグッドアイディアだと思います。

しかも、先週は地中海式ダイエット(Dieta Mediterranea ディエタ・メディテッラネア)がユネスコの無形文化遺産として登録されました。
「地中海式ダイエット」とは、主に野菜・豆類・フルーツ・ドライフルーツを中心に、パンなどの穀物類、低脂肪の乳製品、魚貝類や肉類、そしてたっぷり使われる 高品質のオリーブオイル、また適度な ワイン消費を伴うバランスの良い食事法で、9000年もの歴史があると言われています。
すごいのではないでしょうか?

foto_3.JPG

ティルデ先生の料理教室「Zenzero a Tavola」について興味のある方は、以下のウェブサイトをご覧ください:www.zenzeronline.it/atavola
また、情報を知りたい方、ゼンゼロにメールをしてください:info@zenzeronline.it

Ciao a tutti
Tonia & Regina
logo_zenzero.jpg

2010年11月21日

坂本鉄男 イタリア便り 大いなる遺産


 観光国イタリアの中で一番多くの観光客を集めるのは、西暦80年に完成したローマの「フラヴィウス家の円形劇場」、通称「コロッセオ」である。毎年400万人以上の観光客が訪れ、観光シーズンには平均30秒おきに観光バスが停車するといわれている。

 さて入場料だが、基本料金は9ユーロ(約1030円)だが、青少年割引・老人割引など各種の割引制度がある。とはいえ、年間400万人の入場者があれば、単純計算しても年に3600万ユーロ(約41億円)以上の大きな収入だ。

 現在は全額、文化財省の予算に組み入れられ全国の文化財保護と修理の一部に使われているが、「コロッセオ」の周辺道路の清掃・整備や治安に当たる地元のローマ市としては、この巨額の収入を指をくわえて見ているのも癪(しゃく)の種である。

 前々から、「せめて総収入の30%は市の取り分にしてもおかしくはあるまい」と掛け合ってきたが、文化財省の方では「これは純然たる国有財産だから」と相手にしない。ある試算によると「コロッセオ」の価値は910億ユーロ(約10兆4千億円)というが、購入希望者が現れるというのも非現実的な話だ。

 それにしても、イタリア国民はご先祖様から「偉大な遺産」を残していただいたものである。

坂本鉄男
(11月21日『産経新聞』外信コラム「イタリア便り」より、許可を得て転載)

2010年11月14日

坂本鉄男 イタリア便り 帝王切開


 帝王切開の歴史は古く、古代ローマにさかのぼるともいわれる。もっとも古代ローマの法律では、死亡した妊婦の子宮を「切開」し、胎児を引き出すことを目的としていた。

 一説によると、この「切開」を意味するラテン語の形容詞チェザレアと、ローマの政治家「シーザー」のラテン名チェーザレの形容詞形が似ていたことから、シーザーがこの手術方法で生まれたとの伝説が生まれ、「帝王切開」の名称が広まったらしい。

 実際、ポンペイの発掘品の中には、胎児を引き出すための2千年前の手術用具があるほどだ。

 だが、本日の話題はこの手術の語源ではなく、イタリアでの「帝王切開」大流行についてである。

 有力日刊紙によると、世界保健機関(WHO)は、帝王切開による出産は全体の15%にとどめておくのが望ましいとしているが、現実は、ドイツの27%、スペインと英国の23%、フランスとデンマークの20%となっている。イタリアの37・8%、特にイタリア南部の45%は異常に多すぎる。

 原因は、自然分娩(ぶんべん)に対する指導と産婦用病床の不足などにあるというが、もちろん、初産年齢の上昇も原因に挙げられよう。

 ともあれ、昔から「お産」は女性にとって大変であることに変わりはない。

坂本鉄男
(11月14日『産経新聞』外信コラム「イタリア便り」より、許可を得て転載)

2010年11月12日

プーリア便り39

IMG_0143_ridimensionare.jpgCiao dalla Puglia!

秋-キノコの季節です!

今年のプーリアの秋は9月に入った途端、急に涼しく秋らしい天気となり、続く10月は雨が多かったことが幸いし、キノコの出来もなかなかのもの。GIANは今年もキノコ採取許可証を更新していそいそと出かけています。本日の収穫はこちら。これらのキノコは様々な種類を一緒にソテーしていただくのがおいしいです。
この時期は“本日のおすすめメニュー(menu del giorno)”と書かれた店頭の黒板でフレッシュなキノコの入荷を知らせるレストランも多いです。もちろん私もいただいていますよ~。
 
この写真は以前“プーリア便り19-1”でご紹介したオステリア“ココ・パッツォ”より、丸々としたポルチーニと地元でフィンフェルリ(finferli)もしくはガッレッティ(galletti)と呼ばれているキノコ。

IMG_0003_ridimensionare.jpgフィンフェルリについて図鑑で調べてみましたら(そう、我が家にはキノコ図鑑があるのです)学名は“Cant harellus cibarius”、日本ではアンズタケと呼ばれているようですね。フィンフェルリはフライ、ポルチーニはシンプルなローストでポレンタと共に。

IMG_0007_ridimensionare.JPG IMG_0101_ridimensionare.jpg最後の写真はマルティーナ・フランカのチェントロにあるレストラン“ヴィッラ・ドゥカーレ(VILLA DUCALE)”のポルチーニ尽くしのコースよリ。
プリモはリゾット、セコンドはソテーで。本当は前菜にポルチーニのカルパッチョもいただきたかったのですが売切…、残念!
おいしさを表す日本語の喩えに“とろけるような”というのがありますがポルチーニを食べると私はいつもこの言葉を思い出します。ただし比喩としてではありません。肉厚の新鮮なポルチーニの笠の部分は旨みタップリな上、実際トロトロで舌の上でとろけます!
イタリア暮らしは日本との様々な違いを感じることも多いですが、食べ物に限らず生活の様々な場面で四季折々の良さがあり、それを慈しむのは日本もイタリアも同じですね。“旬の新鮮で良質な素材の良さをシンプルに生かす料理も日伊共通だな~”と思いながら、季節の恵みに感謝し、おいしくいただきました。
 
通訳や現地コーディネートのWEBツーリストサービス“プーリアインカミング(PUGLIAINCOMING)”を立ち上げました。
プーリアにご興味を持たれた皆様、マルティーナ・フランカでお待ちしております!

pugliaincoming-link.jpg 

2010年11月10日

第20回イタリア語スピーチコンテスト出場者決定!

スピーチコンテスト出場者が決まりました。
一般公開となりますので、ぜひご来場ください。お待ちしております。

[出場者](敬称略)
天野萌木、原万琳、服部晋、本田楓子、三嶋路子、生木新菜、佐伯直勝
鈴木千佳子、田中詩音、谷口眞理子、戸田恵、梅林輝道、渡辺克義

最終審査日:12月4日(土)
時間:13:00(会場:12:30)
場所:イタリア文化会館

主催:財団法人日伊協会、イタリア文化会館
後援:イタリア大使館、朝日新聞社、NHK
協賛:スルガ銀行、アリタリア-イタリア航空

header_top1.gif

2010年11月 8日

トーニャとレジーナの南イタリア紹介 お久しぶりです!

皆さん、お久しぶりです。10月まで続いた仕事がやっと一段落しました。
長い間、ブログをお休みしてしまいましたが、いつも私たちを歓迎してくれる読者の皆さんことは、決して忘れませんでした。やっと戻ってきましたよ!

お伝えしたいことは沢山あります。美しい南イタリアを訪れる日本からの観光客の方々と一緒に過ごした素晴らしい日々、ナポリの素敵な広場で過ごした夜、特に有名な カフェ・ガンブリヌス( Cafe'  Gambrinus ) のあるプレビシト広場での夜…。忙殺されたと同時にとても楽しい夏でした。

ここ最近になってようやく肌寒くなってきましが、今年は夏がとても長かったような気がします。
そうこうしているうちに、もうすぐ冬になりますね!そろそろ冬の旅行を考えてみませんか?
冬の面白い企画として、フード&ワインを中心としたツアーはいかがでしょう?

先週、私レジーナとトニアはアヴェッリーノ県( Provincia di Avellino ) の小さな村 カリートリ( Calitri ) を訪問しました。
ここは歩くだけで、思い出に残るような素敵な村です。標高530メートルの地に漂う、澄んだすがすがしい空気。石畳と小さな家々、細い路地から広がる景色。パン、ハムやサラミ、チーズの香り。ここのチーズは本当に美味しいんですよ!イタリア語で “caciocavallo irpino di grotta” と呼ばれている、旧市街の洞窟( grotta ) で熟成されるチーズです。今すぐに皆さんに味わってもらえないのが残念ですが、本当に素晴らしい味なんです!請合います。

foto_1.JPG foto_2.JPG foto_3.JPG
美味しいチーズとくれば、美味しいワインが無いと!
ということで、伝統を守る手作りのワインを作る友達も訪ねました。今年も美味しい ブドウaglianico ができたそうです。

foto_4.JPG
foto_5.JPG

ワインといえば、有名なのが “Feudi di San Gregorio” のワイナリーと “Taurasi” のワイナリーのカッジャーノ( Caggiano )。数週間前にトニアと一緒に見学したのが、日本からお越しのカオルさんです。元気なカオルさんと楽しい時間を過ごすことができ、私もトニアも私達の家族もとても嬉しかったです。
(カオルさん > お肉屋さんのご夫婦、ティルデ先生から「宜しく!」とのメッセージを預かりました!)

FOTO_6.jpg
FOTO_7.jpg

つたない文章ですが、ゼンゼロのニュースを読んでくれる皆さまに、心からお礼を申し上げます。

それではまた。

Ciao a tutti
Tonia & Regina
logo_zenzero.jpg

2010年11月 7日

坂本鉄男 イタリア便り 公用車が一番多き国


 人間とは生来卑しい根性の持ち主が多い。日本でもイタリアでも、議員になったり官庁で高い役職についたりすれば、それだけ高い給料をもらうのだから自分の車を使い、自腹でタクシーに乗ればよいのに、生来の卑しい根性が出るのか、それとも役得とでも思うのか、国民の税金でまかなわれる公用車に乗りたがる。

 官庁の予算の大削減に踏み切ったイタリアでは、ブルネッタ行政相が公用車の異常な多さを指摘し、近く議会に公用車30%削減案を提出すると宣言している。同相によると、イタリアの公用車の総数は9万台。この数はドイツの5万4千台、英国の5万5千台、フランスの6万5千台に比べEU(欧州連合)内でも群を抜いているという。

 イタリアの公用車のうち、1万台が国会、地方議会議員、政党関係者、2万台が中央と地方官庁の高級官僚用、あとの6万台は役所の仕事用だという。このガソリン代、保険料などの維持費は1台あたり年間平均3300ユーロだから、全部で2億5千万ユーロ以上もかかる。そればかりではない。公用車のうち3万台は運転手付きだというから無駄遣いも甚だしい。

 財政難の日本でも、赤字国債を発行する前に、まずは国会議員や高級役人が使う公用車の大削減から手を付けたらいかがだろう。

坂本鉄男
(11月7日『産経新聞』外信コラム「イタリア便り」より、許可を得て転載)

2010年11月 1日

展覧会「旅雀素描帖・展」


日伊協会会報「クロナカ」のデザイン・レイアウトを担当している新井美樹さんの水彩画展が、日伊協会事務所近くの青山で、明日2010年11月2日から6日間、開かれます。

101101arai01.jpg

前回ブログでお知らせした第6回では、イタリア、日本を含む世界各地を絵にしたものでしたが、今回の第7回は「IBERIA 陽光のスペイン&ポルトガル」。
イタリアではありませんが、同じラテン諸国の風景ということで、今回もご紹介しました。

場所は、101101arai02.gif地下鉄青山一丁目駅から、日伊協会とは反対方向に徒歩5分ほどのところ。

住宅地のなかにある、こぢんまりとした一軒家ギャラリーです。

お時間のある方は、ぜひどうぞ。





日時:
2010年11月2日(火)~7日(日)
11:00~19:00
(初日は14時から、最終日は17時まで)

場所:
ギャラリー・スペースキッズ
107-0062
港区南青山2-7-9
地下鉄銀座線・半蔵門線・大江戸線「青山一丁目」駅下車。
3番・5番出口から徒歩5分。

新井さんのホームページ
http://moineau.fc2web.com/

日伊協会F