2011年6月26日

坂本鉄男 イタリア便り 真の男女同権とは


 2003年にノルウェー政府が「08年までに上場企業の女性取締役の比率を40%以上にする」と定めたときは、世界中がビックリ仰天し、その実現性を疑ったものだ。

 しかし、その結果、ノルウェー企業の女性役員の比率は44%にまで達した。欧州連合(EU)諸国の上場企業の女性役員はわずか12%だが、ノルウェーの成功例に啓発され、EUは女性役員の増加を加盟国に義務づけようとしている。域内の上場企業の女性役員の比率を15年までに30%、20年までには40%に引き上げる、というのだ。

 この点、イタリアは表面的には女性を大切にしているように見えても、本質は日本と同じ男性社会。上場企業の女性管理職の割合も欧州平均33%をはるかに下回る12%。役員になると7%で、それも経営者が自分の娘を取締役にしている個人企業を含めてである。

 イタリア政府は、他のEU諸国と足並みをそろえるため法案は作ったものの、女性役員の30%到達は18年が目標だ。

 日本は1972年に、現在の男女雇用機会均等法の前身にあたる「勤労婦人福祉法」を制定し、男女同権の大きな目標を掲げた。だが、果たして「家内が会社の役員で忙しいから、育児と家事はボクの担当だ」と言える日が来るのだろうか。
坂本鉄男
(6月26日『産経新聞』外信コラム「イタリア便り」より、許可を得て転載)

2011年6月22日

在日イタリア商工会議所 コーヒーセミナー

在日イタリア商工会議所は、国際カフェティスティング協会日本支部との共催で、コーヒーセミナーを開催します。
日伊協会会員は、ICCJ会員価格でご参加いただけます。お誘い合わせの上、奮ってご参加ください。

詳しくはこちらをご覧ください。

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2011年6月19日

坂本鉄男 イタリア便り 子供の名前


 子供の名前はある意味では親の気まぐれで決められることが多い。大手生命保険会社の調査によると、2010年生まれの男の子の名前の一番人気は4年連続で「大翔」で、女の子は「さくら」だという。

 まさか、全ての親が、このほど史上最速の生涯獲得賞金7億円を突破したプロゴルファーの横峯さくら選手のようになることを望んで、娘の名前を付けたのではあるまい。

 イタリアの伝統的な命名法はカトリックの聖人や聖女の名前から取ることで、09年の統計によると、男の子で一番多かったのはイタリアの国の守護聖人、アッシージの聖フランチェスコから取った「フランチェスコ」だ。

 女の子の名前の一番人気は、古代ローマの名門貴族ユリウス家の家名に由来し、語呂が良いので20世紀初めからはやり始めた「ジュリア」であった。

 ローマ法王ベネディクト16世は今年1月、21人の赤ん坊に洗礼を授けた際に「命名はカトリックの伝統に沿うように」と述べられた。カトリックの伝統が薄れてきているからで、イタリア・サッカーのトッティ選手のように、子供に「シャネル」という名前を付けた例もある。

 日本の親も、いっそのこと、将来外国でも通用するような名前を付けてはいかがだろう。
坂本鉄男
(6月19日『産経新聞』外信コラム「イタリア便り」より、許可を得て転載)

2011年6月15日

ザッケローニ監督を励ます会

 5月25日(水)、晴天の下、新緑が眩しいイタリア大使公邸で日伊協会とイタリア大使館の共催で、日本サッカー協会の後援をえて “ザッケローニ監督を励ます会” を開催致しました。
協会員約200名、在日イタリア人およびイタリア企業の日本代表者など約100名が参加し、大変賑やかな会となりました。
何よりもザッケローニ監督の誠実なお人柄に直接触れることが出来、益々監督の率いる日本代表の活躍に期待が高まりました。
在日のイタリア人社会との交流も果たせ、大いに盛り上がった一夕でした。

IMGP5839.JPGザッケローニ監督、ペトローネ大使、日本サッカー協会およびご参加いただいた皆さまのご厚意に改めて心から御礼申し上げます。

日伊協会O

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2011年6月14日

ヴァンジ美術館への遠足

6月12日(日)に当協会の評議員を務める岡野喜之助ヴァンジ美術館館長のご厚意により、同美術館への日帰りバスツアーを行いました。

P6122777.JPG P6122773.JPG梅雨の最中でしたが、幸いにして雨に降られることなく、緑豊かな敷地内に咲くクレマチスを初めとする花々と現代イタリアを代表するジュリアーノ・ヴァンジの作品を十分に堪能できました。

更には美しいテラスが完成したイタリア料理店“プリマヴェーラ”にてイタリア料理のビュッフェの昼食に舌鼓を打ち、“イタリアの名曲を歌う会”のメンバーとイタリア大使館の外交官や協会のイタリア語講師がコラボしたイタリア民謡の合唱やダンスで大いに盛り上がりました。

P6122795.JPG食後はフォト博物館に移動し、特別展示の幕末から現代に至る富士山をテーマにした写真(一部は挿絵)を楽しみ、充実した一日を過ごすことができました。

日伊協会O

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2011年6月12日

坂本鉄男 イタリア便り 教育予算削減の影響


 修学旅行が学校生活の楽しい思い出の一つとなるのは洋の東西同じである。

 ところが、イタリアでは緊縮予算が組まれた影響で、文部省予算が80億ユーロ(約9400億円)削減されたため、修学旅行を引率する教師の日当12ユーロが支払えなくなってしまった。

 ただでさえ、目を離せない年頃の生徒を引率するのは神経を消耗する。それにもかかわらず、わずかな手当も受け取れないとなれば、教師たちが憤慨するのも無理はない。結果、多くの学校で教師の引率拒否にあい、今年度に全国の学校で計画されていた修学旅行の3分の1が中止される羽目に陥ってしまった。

 もちろん、最大の被害者は生徒たちだが、別の大きな被害者は旅行代理業やホテル業者、土産販売店など観光業に携わる人たちである。

 昨年度、修学旅行関連の売り上げは、不景気の影響を受け前年度比9%減だったものの、総額3億4千万ユーロに達した。イタリアでは、日程の長短や距離により違いはあるが、1人当たりの平均旅費は175ユーロ、お土産などに1人130ユーロの金額を充てるという。

 そればかりではない。旅行に際し、新しいカメラや携帯電話などを買い替えてやる親も多い。教育予算削減は思わぬ先にも悪影響を及ぼしているのである。
坂本鉄男
(6月12日『産経新聞』外信コラム「イタリア便り」より、許可を得て転載)

2011年6月 9日

関孝弘 東日本大震災被害者支援チャリティーコンサート

Piano.JPGチケットの売り上げは被災地救援のための義援金として寄付されます。
日伊協会事務局でもチケットは販売しています。

ピアノ:関孝弘さん
日時:7月22日(金)、
    19:00~(会場18:30)
会場:イタリア文化会館
    アニェッリホール(全席自由)
チケット:2000円
お問合せ:イタリア文化会館
    03-3264-6011(EX.14)

主催:イタリア文化会館
共催:公益財団法人日伊協会、
    Italians for TOHOKU
協力:在日イタリア商工会議所、
    Brillante、カワイ

2011年6月 7日

プーリア便り42

Ciao dalla Puglia!

お久しぶりです。前回のブログから約半年が経ちました。
その間に日本では未曾有の大惨事が起こりました…。イタリアでもその様子は大きく報道され、多くのイタリア人が日本を案じ、応援しています。
このブログをご覧くださっている皆様、そのご家族やご友人みんながご無事でありますように。
そして1日も早い復興を願っております。

今回はプーリア州トラーニ県アンドリアにそびえるカステル・デル・モンテ(Castel del Monte) についてお便りいたします。
世界遺産として、またイタリアの1セント硬貨の図柄として、ご存知のかたも多いのではないでしょうか。
モンテ(伊語で“山”の意) というお城の名前からも分かるように山の上に堂々とそびえるお城です。
その立地や公共交通が不便なことから必然的に交通手段は車となるのですが、到着までの道のりも美しく、楽しめます。
最寄のインターを降りた後、左右にオリーブ畑やオリーブ地主のお屋敷が並ぶのどかな田舎道を進み…

小高い山の上にポツーンと見えるお城が少しづつ近づいてくる様がとてもドラマチック!

今回はこのブログをご覧になり、弊社“プーリアインカミング” にご連絡くださった日伊協会の元生徒さんとそのお友達3名様とご一緒させていただきました。
濃い緑と今が盛りのエニシダの鮮やかな黄色に囲まれ、お天気にも恵まれて、お城の美しさを十分ご堪能いただけたと思います。
 
IMG_3078.jpgご覧のようにこのお城は8角形がテーマ。
お城自体が8角形で各角に付いている塔も8角形。

IMG_3089.jpg吹き抜けの中庭も8角形。見上げると美しい8角形の青空が広がっていました。

このお城をは南ドイツ、かつてのシュヴァーベン公国ホーエンシュタウフェン家出身のフェデリーコII(独語読みではフリードリッヒII)が1240年頃に建造させたと伝えられています。
全てにおいてキチッキチッとした正8角形の造り、質実剛健な雰囲気はいかにもドイツ!という印象ですね。
中世軍国時代に建造されたにもかかわらずその外観は他の同時代の城々とは似もつかぬ物、今見てもモダンで大変洗練された印象を受けます。
なぜこれほどまで8角形にこだわったのか、また使用目的についても諸説あり、未だ謎の多いお城でもあるのです。

お城の周囲は今も360°遮る物が無い立地で、城内の窓からも周囲のパノラマを堪能できます。
城内の窓は通常この様に2つなのですが、

DSC_3992.jpg1つだけ3つの窓があり、

IMG_3085.jpgこの窓の遠く正面に見えるのがアンドリアの町です。
フェデリーコIIもこの窓から町をご覧になっていたのでしょうね。

IMG_3101.jpg別の方角からは遠くアドリア海やプーリアの豊かな台地を臨めますので、城内見学が終わったらお城の周囲をグルッと1周歩いてご覧になってみてください。

弊社では往復専用車での送迎付きでカステル・デル・モンテご案内を承っております。
プーリアにお越しの際はぜひ足を伸ばしてその壮大さを体感なさってみてください!
なお2011年8月28日まで、イタリアが生んだシュールレアリスムの芸術家、ジョルジョ・デ・キリコの展覧会が城内で催されており、お城見学と併せてお楽しみいただけます。

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2011年6月 5日

坂本鉄男 イタリア便り 「尼僧」は絶滅危惧種?


 世界中で人々の信仰心が薄れているといわれる昨今、神に一生をささげるためカトリック修道女を志願する女性の数が激減しているという。

 特に欧州方面の志願者の減少が目立つ。そう遠くない将来に、往年の名画「尼僧物語」でオードリー・ヘプバーンが主人公役を演じたような白人修道女はいなくなるかもしれない。一方でアフリカやアジア出身の修道女が急増しているのも事実だ。

 修道女には2つのタイプがある。まず、外部社会との接触を完全に断ち切って修道院に籠もり、「祈りと自活のための労働」に一生、従事する女性と、修道院で祈りを中心とする生活をしながら、学校や病院などで外部との接触を保ちながら、教育・看護・慈善活動に従事する女性がいる。

 イタリアには現在約9万人の修道女がいて、このうち約8%の約7千人だけが全国500カ所以上の女子修道院に籠もり、祈りと自活のための仕事に従事している。その半数は平均年齢60歳を超え、女子修道院の中には後継者不足で閉鎖の危機に直面している所も珍しくない。

 あなた、お酒に酔った勢いで、ハムレット気取りで、彼女に「尼寺に入ってしまえ」などと言わない方がいいですよ。両手を広げて迎えてくれる女子修道院がたくさんあるのですから。
坂本鉄男
(6月5日『産経新聞』外信コラム「イタリア便り」より、許可を得て転載)