2011年10月18日

プーリア便り44

Ciao dalla Puglia!

早くも10月、150年ぶりの猛暑だった夏も終わり、イタリアもすっかり秋です。日本はいかがでしょうか? 私は1年ぶりに一時帰国が決まり、日本を想いながらワクワクしております。日本滞在中は、プーリア家庭料理レッスンも開催する予定です。

今回はプーリアの話題は少しお休み。週末に出かけたロンバルディア州パヴィーア県(Pavia)の小さな町で行われていたカボチャとクリの秋祭の様子をお便りいたしますね。

IMG_6107_ridimensionare.jpg

雲ひとつ無い秋晴れの中、会場に到着すると小さな町のメインストリートの両側は露店でいっぱい。

主役のカボチャの他、
IMG_6103_ridimensionare.jpg

フレッシュポルチーニ、ブドウ、ザクロ等も。秋ですね~
IMG_6101_ridimensionare.jpg

ぶらぶらと見学中、食欲をそそられて1つお買い上げ…、地元の腸詰の炭火焼です。パンに挟む他、同じく炭火で焼いたポレンタを付け合せて供されるのが北イタリアらしいところです。
IMG_6132_ridimensionare.jpg

GIANはポルケッタ(子豚の丸焼き)のパニーノも追加していました。
IMG_6137_ridimensionare.jpg

地元の楽団も会場内やメインストリートを行ったり来たりしながら音楽を奏でています。フォークソングって初めての土地なのになぜか懐かしい気持ちになるものが多いですね。音色に惹かれて楽団に着いていく私を見て「“ブレーメンの音楽隊”みたい」とGIANは笑っていました。
IMG_6118_ridimensionare.jpg

お食後はもちろん大鍋で炒った栗と、  

IMG_6140_ridimensionare.jpg地ワイン。こういう所ではワインそれ自体の味はあまり関係なくて、愛郷心丸出しで屋台のボランティアをしている地元の方々や気持ちいい屋外の空気が何よりのごちそうという気がします。
IMG_6141_ridimensionare.jpg

秋祭りと言えば、ちょうど1年前の同じ時期に “プーリア便り2” でお便りしていますね。季節の行事が毎年変わらず開催され、それを同じメンバーと同じように楽しめるって実はとっても豊かなことなのかも。今、私の近くにはテーマパークも豪華なお店も無いけれど、いつもお出かけが楽しいです♪

NAMI

2011年7月27日

プーリア便り43

Ciao dalla Puglia!

暑中お見舞い申し上げます! いかがお過ごしでしょうか? 大震災後、今もご不便な生活を強いられている方々にとって少しでも過ごしやすい気候であると良いのですが。

プーリアは7月以降、日中気温35度を越す猛暑日。でもこちらの人は日中の最も暑い時間帯は平日であればお昼休みを利用して体を休ませ、休日であれば暑さを逆に利用して海水浴を楽しむことが多いです。私も彼らに倣ってできるだけ冷房を使わずに夏を乗りきっています!

今回は、7月15日より、昨年同様ここマルティーナ・フランカで開催されている “イトリア谷 音楽祭(Festival della Valle d'Itria)” の話題です(昨年の様子は “プーリア便り28” をご参照ください)。既に町の至る所にポスターが貼られ、日暮れ後に会場のある歴史的市街区を歩けばどこからともなくリハーサルや本番の音色が聞こえ、町はフェスティバル一色。私もリハーサルを見学させていただいたり、演目を調べてチケットを予約したりと、どっぷりその中に浸かってワクワクしています。

一昨年から通い続ける中で感じるこの音楽祭の特徴は、一言で言えば “演目、演奏者、観客にチャレンジがある、そして広く門戸を開いている” ことだと思います。どういうことかと申しますと…、

演目 :コテコテのメジャー作品は取り上げず、有名作家でもあまり世に出ていない作品を取り上げたり、前衛作品や実験的作品を取り上げ ることも。例えば今年の演目ではロッシーニの “AURELIANO IN PALMIRA(パルミーラのアウレリアーノ)”  、字幕スクリーン付き独語上演作品 “DER RING DES POLYKRATES(ポリュクラテスの指輪)” や “DAS GEHEIME KONIGREICH(秘密の王国)” 等。
演奏者 :若手が多く登場します。例えばリハーサルを拝見した “AURELIANO IN PALMIRA” の指揮者はどう見積もってもせいぜい30代。ただ登壇時や演奏前後の挨拶等は “初々しいな~” と思わせることはあっても演奏は当然プロフェッショナルで堂々としており、未熟さは微塵も感じさせません。
観客 :上記のような演目・演奏者ですから、主催側はもちろんですが観客側もチャレンジングな面があります。数年前のとある演目の際はあまりに前衛的過ぎたのか観客席からブーイング&離席者が続出し、終わる頃には半数以下になっていたこともあったそう。でも今は主催側もその辺りを十分考慮しているようで、少なくとも私が鑑賞し始めた一昨年以降、そのようなことは起こっていません。

いずれも夏の野外で行われるので、ドレスコードも緩く、チケット価格も無料~最高でも50ユーロと全体的にとても参加しやすい音楽祭です。

こちらは23日に聖マルティーノ聖堂で行われたロッシーニの小荘厳ミサ曲終了後の写真です。

IMG_4271_ridimensionare.jpg

専門的な音響云々について言えば教会はNGなのかもしれませんが、歌声や演奏が厳かに響き渡り、途中で何度か教会の鐘の音も混じり…、この演目にはこれ以上ないくらいぴったりの雰囲気の中で行われたすばらしい音楽会でした。しかも満員の中、一度たりとも携帯電話の音やおしゃべりに悩まされること無く、休憩なしの1時間半の音楽会が終了したのはイタリアでは珍事と言ってよいかも(笑)。それだけ内容にみんな聞き惚れていたということです。おまけにこの会は無料…。いち地方都市にてこんなにすばらしい音楽会を無料開催することに芸術を愛するイタリア人魂を感じます。

今年は8月2日まで行われる “イトリア谷 音楽祭” 。弊社 “プーリアインカミング” ではサービスのいずれかをご予約いただいたお客様で鑑賞ご希望の場合、手数料無料サービスでチケット予約を代行しております。詳細は弊社HPをご覧ください。このサービスは来年以降も続ける予定ですので「興味はあるけど今回は無理…」というかたはぜひぜひ今から来年の予定に加えてくださいね。この時期は近辺のお宿も早い段階から満室となりますのでご計画はお早めに!

皆様、良い夏をお過ごしください!
pugliaincoming-link.jpg

2011年6月 7日

プーリア便り42

Ciao dalla Puglia!

お久しぶりです。前回のブログから約半年が経ちました。
その間に日本では未曾有の大惨事が起こりました…。イタリアでもその様子は大きく報道され、多くのイタリア人が日本を案じ、応援しています。
このブログをご覧くださっている皆様、そのご家族やご友人みんながご無事でありますように。
そして1日も早い復興を願っております。

今回はプーリア州トラーニ県アンドリアにそびえるカステル・デル・モンテ(Castel del Monte) についてお便りいたします。
世界遺産として、またイタリアの1セント硬貨の図柄として、ご存知のかたも多いのではないでしょうか。
モンテ(伊語で“山”の意) というお城の名前からも分かるように山の上に堂々とそびえるお城です。
その立地や公共交通が不便なことから必然的に交通手段は車となるのですが、到着までの道のりも美しく、楽しめます。
最寄のインターを降りた後、左右にオリーブ畑やオリーブ地主のお屋敷が並ぶのどかな田舎道を進み…

小高い山の上にポツーンと見えるお城が少しづつ近づいてくる様がとてもドラマチック!

今回はこのブログをご覧になり、弊社“プーリアインカミング” にご連絡くださった日伊協会の元生徒さんとそのお友達3名様とご一緒させていただきました。
濃い緑と今が盛りのエニシダの鮮やかな黄色に囲まれ、お天気にも恵まれて、お城の美しさを十分ご堪能いただけたと思います。
 
IMG_3078.jpgご覧のようにこのお城は8角形がテーマ。
お城自体が8角形で各角に付いている塔も8角形。

IMG_3089.jpg吹き抜けの中庭も8角形。見上げると美しい8角形の青空が広がっていました。

このお城をは南ドイツ、かつてのシュヴァーベン公国ホーエンシュタウフェン家出身のフェデリーコII(独語読みではフリードリッヒII)が1240年頃に建造させたと伝えられています。
全てにおいてキチッキチッとした正8角形の造り、質実剛健な雰囲気はいかにもドイツ!という印象ですね。
中世軍国時代に建造されたにもかかわらずその外観は他の同時代の城々とは似もつかぬ物、今見てもモダンで大変洗練された印象を受けます。
なぜこれほどまで8角形にこだわったのか、また使用目的についても諸説あり、未だ謎の多いお城でもあるのです。

お城の周囲は今も360°遮る物が無い立地で、城内の窓からも周囲のパノラマを堪能できます。
城内の窓は通常この様に2つなのですが、

DSC_3992.jpg1つだけ3つの窓があり、

IMG_3085.jpgこの窓の遠く正面に見えるのがアンドリアの町です。
フェデリーコIIもこの窓から町をご覧になっていたのでしょうね。

IMG_3101.jpg別の方角からは遠くアドリア海やプーリアの豊かな台地を臨めますので、城内見学が終わったらお城の周囲をグルッと1周歩いてご覧になってみてください。

弊社では往復専用車での送迎付きでカステル・デル・モンテご案内を承っております。
プーリアにお越しの際はぜひ足を伸ばしてその壮大さを体感なさってみてください!
なお2011年8月28日まで、イタリアが生んだシュールレアリスムの芸術家、ジョルジョ・デ・キリコの展覧会が城内で催されており、お城見学と併せてお楽しみいただけます。

pugliaincoming-link.jpg

2011年1月12日

プーリア便り41

Ciao dalla Puglia!DSC_4022_ridimensionare.JPG
本年もよろしくお願いいたします!!

今回はプーリアのお隣、バジリカータ州のマテーラ(Matera)についてお便りしたいと思います。
洞窟住居サッシで名高いバジリカータ州マテーラは1993年にユネスコ世界遺産として登録され、近年、人気急上昇の観光地です。“サッシ(Sassi)”とは“サッソ(Sasso)”の複数形で、ドゥオーモの南に位置するサッソ・カヴェオーゾ(Sasso Caveoso)と、北に位置するサッソ・バリサーノ(Sasso Barisano)の2つのサッソがあることから複数形で呼ばれています。

バジリカータ州はイタリアの土踏まず部分にあたる州です。プーリアと州は異なるものの、我がマルティーナ・フランカからは陸路でわずか1時間半の距離。“プーリアインカミング”でも「プーリアと併せて訪れたい」とご要望されるお客様が増えてきました。

マテーラの歴史をたどれば、何と!新石器時代から斜面の洞窟が住居として使われていたんです。確かにサッシとそれに続くグラヴィーナ渓谷の景観はとてもプリミティブで時が止まっているかのような錯覚を覚えます。また、そのような背景ゆえでしょうか、メル・ギブ67. panorama dalla S. M. de Idris_ridimensionare.JPGソンが監督したキリストの受難を描いた映画『パッション』のロケ地としても使われたそうですよ!

また、イタリア人はマテーラの町を「プレゼーペのような町」と呼んでいます。
なるほど、この独特の景観に点々と明かりが灯った日暮れ後の様子はまさにジオラマのようです。





57. S. Pietro Caveoso_ridimensionare.JPG マテーラならではの洞窟教会や

63. casa grotta di vico solitario_ridimensionare.JPG 洞窟住居の他、

82. duomo_ridimensionare.jpg プーリア・ロマネスク様式を取り入れた装飾が見事なドゥオーモ(2010年12月現在修復中)や

93. S. Giovanni_ridimensionare.JPG サン・ジョヴァンニ教会等、多くの見所があります。

弊社ではこれらの見所を散策し、その後は洞窟内の人気の郷土料理レストランへご案内いたします。密集した無数の洞窟住居が眼下に広がるマテーラ独特のパノラマをぜひ実際にご覧になってみてください!
pugliaincoming-link.jpg

2010年12月 9日

プーリア便り40

Ciao dalla Puglia!

早くも12月、クリスマスももうすぐですね。
この時期、日本ではお歳暮を贈りあう習慣がありますが、イタリアでもお歳暮のように仕事上でお付き合いのある人同士でクリスマスプレゼントを贈りあうことがあります。
最も多いプレゼントはハードチーズ、ワイン、サラミや生ハム等、保存の利く飲食品。
中でもマルティーナ特産の生ハム“カポコッロ・ディ・マルティーナ・フランカ(capocollo di Martina Franca)”はプーリア人なら誰もが喜ぶ嬉しいもののひとつ。
今回は“プーリアインカミング(Pugliaincoming)”でご案内している生ハム生産者見学の様子をお便りします。

“カポコッロ・ディ・マルティーナ・フランカ”とは豚の首(collo)のお肉から作られ、古よりマルティーナ.フランカの肉職人の非常に高い力量を示す生ハムとして、17世紀には既にその名が知られ、尊重されていました。
認定された生産者が、厳しく定められた使用材料や熟成方法、熟成期間等を経て伝統的手法で作られるもののみがこの名称を用いることができ、弊社でご案内しているお肉屋さん“サン・パオロ”ももちろんその認定を受けています。
 現在、スロー・フード協会保護食品にも認定されています。

見学はまずは香ばしい香り漂う燻製室から。
アーモンドの殻を使って8時間燻すことで風味をつけています。

IMG_0718_ridimensionare.jpgそして燻製されたハムやサラミ類の並ぶ熟成室へ。

IMG_0714_ridimensionare.jpgちょうど1週間たっていい具合に生えたカビがお肉の水分を吸ってくれています。

IMG_0721_ridimensionare.jpg「カビ!」と聞くとちょっとギョッとされるかもしれませんが、これはおいしいハムやサラミを作るために欠かせない良いカビ。
更に1週間たったらカビを拭いてできあがりです!
倉庫では既にできあがった500本以上の“カポコッロ・ディ・マルティーナ・フランカ”がクリスマス商戦に向けて出番を待っていました。

こちら向かって左が“カポコッロ・ディ・マルティーナ・フランカ”、真ん中が“シガレッタ(sigaretta:タバコの意)”と呼ばれる細身のサラミ、右が“ラルド(lardo)”と呼ばれるラードをスライスした状態です。

P2140003_ridimensionare.jpg“カポコッロ・ディ・マルティーナ・フランカ”は普段の食卓はもちろん、パーティーの際に前菜として使ったり、パニーノにはさんだり、と大活躍してくれますよ!

“プーリアインカミング”では工房見学後、併設のお肉屋さん店頭へ移動し、試食いたします。もちろんお気に召した場合、購入も可能です。マルティーナ・フランカならではの味をお楽しみいただき、ご自身もしくは大切な方へのお土産やプレゼントにいかがですか?
ハム、サラミ類は真空処理を施してパックしてくれますので持ち運びも安心です。

pugliaincoming-link.jpg
詳しくは弊社HPをご覧いただき、お問い合わせください。



IMG_0723_ridimensionare.jpg皆様、おいしいものと共に良いクリスマス&よいお年を☆
Vi auguro un Buon Natale ed un felice nuovo Anno mangiando cibi squisiti!

 

2010年11月12日

プーリア便り39

IMG_0143_ridimensionare.jpgCiao dalla Puglia!

秋-キノコの季節です!

今年のプーリアの秋は9月に入った途端、急に涼しく秋らしい天気となり、続く10月は雨が多かったことが幸いし、キノコの出来もなかなかのもの。GIANは今年もキノコ採取許可証を更新していそいそと出かけています。本日の収穫はこちら。これらのキノコは様々な種類を一緒にソテーしていただくのがおいしいです。
この時期は“本日のおすすめメニュー(menu del giorno)”と書かれた店頭の黒板でフレッシュなキノコの入荷を知らせるレストランも多いです。もちろん私もいただいていますよ~。
 
この写真は以前“プーリア便り19-1”でご紹介したオステリア“ココ・パッツォ”より、丸々としたポルチーニと地元でフィンフェルリ(finferli)もしくはガッレッティ(galletti)と呼ばれているキノコ。

IMG_0003_ridimensionare.jpgフィンフェルリについて図鑑で調べてみましたら(そう、我が家にはキノコ図鑑があるのです)学名は“Cant harellus cibarius”、日本ではアンズタケと呼ばれているようですね。フィンフェルリはフライ、ポルチーニはシンプルなローストでポレンタと共に。

IMG_0007_ridimensionare.JPG IMG_0101_ridimensionare.jpg最後の写真はマルティーナ・フランカのチェントロにあるレストラン“ヴィッラ・ドゥカーレ(VILLA DUCALE)”のポルチーニ尽くしのコースよリ。
プリモはリゾット、セコンドはソテーで。本当は前菜にポルチーニのカルパッチョもいただきたかったのですが売切…、残念!
おいしさを表す日本語の喩えに“とろけるような”というのがありますがポルチーニを食べると私はいつもこの言葉を思い出します。ただし比喩としてではありません。肉厚の新鮮なポルチーニの笠の部分は旨みタップリな上、実際トロトロで舌の上でとろけます!
イタリア暮らしは日本との様々な違いを感じることも多いですが、食べ物に限らず生活の様々な場面で四季折々の良さがあり、それを慈しむのは日本もイタリアも同じですね。“旬の新鮮で良質な素材の良さをシンプルに生かす料理も日伊共通だな~”と思いながら、季節の恵みに感謝し、おいしくいただきました。
 
通訳や現地コーディネートのWEBツーリストサービス“プーリアインカミング(PUGLIAINCOMING)”を立ち上げました。
プーリアにご興味を持たれた皆様、マルティーナ・フランカでお待ちしております!

pugliaincoming-link.jpg 

2010年10月13日

プーリア便り38

Ciao dalla Puglia!

プーリア便り23” でもご紹介したレッチェに再び行く機会がありました。レッチェは豪華で繊細なバロック様式に彩られた宗教施設が特に有名ですが今回は“まだ行ったことのない所に行ってみよう”と思い、カルロ5世城(Castello di Carlo V)へ。

カルロ5世城は“バロックのフィレンツェ”と呼ばれるレッチェのイメージからすると建物自体は拍子抜けするほどシンプル。そのためかガイドブックや観光サイト等ではあまり取り上げられていないようですが、内部がカルタペスタ博物館(Museo della Cartapesta)になっています。

カルタペスタとはレッチェ伝統の紙粘土工芸のこと。レッチェは石細工も有名ですがこの紙粘土工芸もレッチェならでは。町中にもカルタペスタの工房や店が多くありますが、作品があまりにもリアルなので知らないと紙粘土で作られているとは気づかずに通り過ぎてしまうかもしれません。

カルタペスタの起源は17世紀に遡り、元々は宗教的オブジェを増やすために麦藁、紙屑、糊、漆喰、といった貧しい中でも入手できる素材と僅かな道具を使って作ったのが始まり。当時、素材や道具は貧しくとも忍耐力と宗教心で作っていたのでしょう。現在はイエス様、マリア様、天使等の伝統的モチーフの他、アートとして人形、アクセサリー、室内装飾品等のモダンな作品を作る若い職人も生まれているそうです。

私は今までカルタペスタの存在は知っていたもののその詳細は全く知りませんでした。館内の展示や解説板(英語も併記されています)によれば大きく分けて以下5つの製作工程があるそうです(陳列棚のガラスに反射して写真が見づらい点はご容赦を)。

  1. 麦藁で基礎を形作る。顔や手足はテラコッタの場合もあるそうです。

IMG_0041_ridimensionare.jpg
  2. 紙粘土を貼り付けて形作る。

IMG_0042_ridimensionare.jpg
  3. 焼きごてで固める。

IMG_0043_ridimensionare.jpg  4. 研磨。

IMG_0044_ridimensionare.jpg
  5. 彩色して完成。

IMG_0047_ridimensionare.jpg服のひだが実に優美で美しいですよね。館内にはカルタペスタで作られたプレゼーピオ他、伝統的モチーフから現代的モチーフまで様々なアーティストの作品も展示されています。

IMG_0052_ridimensionare.jpg
レッチェの宗教施設や専門店でカルタペスタ作品を見ることもできますが、更にじっくりとその歴史~作品誕生までをご覧になりたいかたや様々な作家の作品をまとめてご覧になりたいかたにはオススメの博物館。ただし、できあがったたくさんの像が並ぶ展示室や作品に入れる目玉が置いてある(しかもたくさん!)陳列棚等、あまりにもリアルなのでギョッとするかも (^^;

カルタペスタ博物館(Museo della Cartapesta) 入場無料
場所:カルロ5世城内の1~2F
開館:月~金―9:00~13:00、16:30~20:30 土日―9:30~13:00、17:00~20:30
TEL:+39 0832.244845、+39 0832.246517
WEB(伊語):http://www.comune.lecce.it/comunelecce/Territorio/Arte+e+Cultura/Musei+e+Gallerie/Museo+della+Cartapesta.htm

2010年10月 7日

プーリア便り37

Ciao dalla Puglia!

今回はマルティーナ.フランカに本拠を置くバスケットボールチーム“ドゥエ・エッセ(DUE ESSE)”についてお便りします。

イタリアで人気の高い球技と言えば1位は文句なしにサッカーでしょうが2位はバスケもしくはバレーボールでは?
国内リーグであるセリエ(SERIE)A~Dの他、ユーロリーグ(EUROLEGA)A~Dもありますし、NBAで活躍するイタリア人選手もいます。私はサッカーや野球のような試合時間の長いスポーツの観戦は苦手なのですが展開の速いバスケは大好き! おまけに弟2人が元バスケ部で実家にはスラムダンク(バスケ漫画)が全巻揃っているという環境だったため馴染みがあり、なおさら観戦が楽しいのです。

ドゥエ・エッセは先シーズンセリエBに昇格したものの、前半はチームの統制が取れておらず監督交代。その後、調子は上向いたものの僅差の試合を何度も取りこぼしたり、レギュラーメンバーの1人がドーピングで出場停止になったり…。最終戦は“ドゥエ・エッセ”のチームオーナーであり、友人でもあるステーファノと共にシチリアの敵陣まで乗り込んで応援したのですが大差で敗退、と残念な結果に終わりました(ちなみに“ドゥエ・エッセ=2つのS”と言う意味のチーム名はステーファノのイニシャルに由来)。
待望の今期第1戦目は10/3、ホームにてカラブリア州カタンザーロとの対戦。相手シートにも応援団や多くの熱心なファンが来ていました。

IMG_0014_ridimensionare.JPG IMG_0025_ridimensionare.JPG今期は3名を除いて全て新メンバー。なので普段はみんな「がんばれ、アレ(アレッサンドロの愛  称)!」「行け~、クラウディオ!」等、まるで自分の家族や知り合いであるかのように愛称やファーストネームで選手を呼んで熱心に応援するのですが、今回はまだ名前に慣れず、応援がいま一つ盛り上がらなかった気がします。選手層はだいぶ若返り、そのためかとても速い展開で試合が進み、ドゥエ・エッセがやや優勢で前半終了。ハーフタイムにはかわいい地元のチアガールも応援!

ところが後半に入ると相手の3ポイントが次々に決まるのに対し、ドゥエ・エッセはシュートがなかなか決まらず、リバウンドの取りこぼしも目立つように…。こうなるとイタリア人ファンは容赦ナシ、とても活字にできないようなパロラッチャ(parolaccia)を浴びせる人も少なくありません。パロラッチャとは汚い罵り言葉のこと-語学学校では決して習いませんが、実際のイタリア語にはもう呆れるくらい多くのパロラッチャがあります。GIANは滅多なことでは使いませんがスポーツ観戦等で興奮した時にはつい口を衝いて出てしまうようです。パロラッチャを浴びるのは選手だけではありません。相手チームに有利な判定をした場合は審判も。イタリアでは選手も審判もパロラッチャに動じないメンタル面が非常に重要な気がします。

IMG_0032_ridimensionare.JPG IMG_0037_ridimensionare.JPG話は試合に戻って-第3クォーターは6点差の劣勢で終え、いよいよ第4クォーター。6点はバスケでは簡単にひっくり返る範囲内の点差なので応援&パロラッチャにもますます熱が入ります。ところが相手チームのシュートの正確性はさらに冴え、最後の方はドゥエ・エッセがファールで止めざるをえない場面が多くなり・・・結局、57-74で負け(> <)
終了後は毎回熱心なファンがコート近くに集まって選手を称えながら握手やサインを求め、選手も気軽に応えます。この時はパロラッチャもナシ。勝っても負けてもみんな地元のチームが大好きなのです。

今回は残念な結果でしたがシーズンはまだ始まったばかり。マルティネーゼと共に私も応援し続けようと思います!

2010年10月 1日

プーリア便り36-2

メインのマルティーナ風ラグー。ラグーといえばひき肉を使ったボローニャ風、いわゆるミートソースが有名ですが、マルティーナ.フランカではぶつ切り肉のトマトソース煮込みを指します。これも義母から教わったレシピの1つ。

[作り方(4人分)は以下の通り]
①鍋に油を敷き、ぶつ切り肉(私はウシ、ブタ、ウサギ、ヒツジ等を混ぜて使うことが多いですがお好みの肉で)の表面を焼きつける。

P9260046_ridimensionare.JPG②小さく切ったタマネギ少々を加え、炒める。

P9260047_ridimensionare.JPG③ワイン1/2カップを加える。(食事に合わせるワインと同じものを使うのがベスト)
④ワインが煮立ったら肉がひたひたに隠れるくらいまでトマトソースを加え、荒塩少々を加える。
⑤様子を見ながら必要であれば時々水を加えつつ90~120分煮込んで完成!

P9260065_ridimensionare.JPG材料は人数に見合った肉とその肉がひたひたに隠れるくらいのトマトソース、とアバウトでokだし、作り方もとっても簡単。かつ色鮮やかで見た目もキレイだし、大きくカットした肉を使うのでガッツリ食べた気分も味わえつつ、でもトマトソースで煮込んでいるのでクドくなく、マルティネーゼ(マルティーナ・フランカ人)誰もが大好きなメニュー。夏は暑くて煮込み料理から遠ざかっていたので久々のマルティーナ風ラグーにGIANも大喜びでした。
DSC04438_ridimensionare.jpgそうそう、忘れてはならない陰の主役がトマトソース。義弟が趣味で作っている家庭菜園のトマトを夏に義母がソースにしたもの。ありがたい~!(&今年はお手伝いに行けなくてごめんなさい)
義母が毎年100kg!のトマトを使って空き瓶に詰め、おすそ分けしてくれるこのソース。素材も製造過程も無農薬・無添加の安全&おいしいソースなのです。

そのソースが肉の旨みをたっぷり吸い込み、良い具合に煮詰まっているので、オレッキエッテだけでなくパスタ全般やラザニア等に使ってもプリモがよりおいしくいただけます。煮込み時間は少々長いですがその間にオレッキエッテを作ったりテーブルセッティングができる上、家族や気の置けない友人であればプリモをいただいた後「洗い物が増えるからお皿は変えないでいいよ。同じソースなんだから気にしないで」と言ってくれるのでお皿も1枚で済み、後片付けもラク。
絶妙の組み合わせであるオレッキエッテとマルティーナ風ラグー。簡単&おいしいのでぜひお試しください!

プーリア便り36-1

Ciao dalla Puglia!

休日の我が家の食卓からプーリアの料理とレシピをお届けします。
今回のメニューはトマトソースのオレッキエッテとマルティーナ風ラグー。

“オレッキエッテ(orecchiette)”は今、日本で最も知られているプーリア料理ではないでしょうか。耳(orecchio)から派生した名からも分かるように耳形をしたプーリアを代表するパスタです。材料は粉と水だけ、パスタマシーンは必要なく、指で転がして作れるので、私は義母に作り方を教わって以来いつも手打ちしています。せっかくだから何人前でも作るのは一緒、ということで今回は多めに作ってお客様もお招きしました。と言ってもオレッキエッテはおもてなし料理というより家庭料理なので家族や気軽な友人に「明日、オレッキエッテ作るけど食べに来る?」と声をかけて一緒にいただくことが多いです。

P9260038_ridimensionare.jpg  [義母直伝の打ち方は以下の通り]
①1人当り100gのセモリーナ(全粒粉で作ることもあります)と熱湯を用意。
②打ち台にセモリーナを載せ、熱湯を少しずつ加えながら耳たぶくらいの柔らかさに捏ねる。

P9260039_ridimensionare.JPG③ナイフで適量を切り出し、約1cm巾の棒状に伸ばす。

P9260056_ridimensionare.JPG④(右利きの場合)③を約1cmに切り出す傍から奥側を左人差し指を使って押さえ、力を入れすぎないように注意しながら右手のナイフ先端を使って引き伸ばす要領で形成後、左親指で裏返して完成!(作る傍から布巾に並べておくとくっつかないし、茹でる時も布巾を摘んで一気に湯に入れられるのでラクです)

P9260060_ridimensionare.JPGソースが良く絡まるよう、表面に細かい筋があることがポイントなのですが義母のオレッキエッテ(写真下)と比べるとその差は歴然…。まだまだ修行の身ですが義母は「娘も他の嫁も『料理を教えて』と言ってくる子は1人もいないし、オレッキエッテを手打ちできる子もいないのに、日本人のNAMIがプーリア料理を作るとは!」といつも笑いながら嫌な顔一つせず、お手本を見せてくれます。

PC210009_ridimensionare.JPGそしてトマトソースのオレッキエッテに欠かせないのがプーリアの特産チーズ“カチョリコッタ(cacioricotta)”。パルミジャーノに比べてカチョリコッタは味わいが柔らかいので脇役として料理をじゃませず、軽い酸味がトマトソースにピッタリ。いつもお世話になっているチーズ屋さんのオーナーは「カチョリコッタは色が真っ白だろ? 見た目も重視するプーリア人の美的センスにも叶っているのさ」ともおっしゃっていました。確かに真っ赤なトマトソースの上にヒラヒラと削り落とされるカチョリコッタは雪のように白く美しく、トマトソース以外にも合わせる料理の色を選びません。
DSC04433_ridimensionare.jpgお客様がミートボールとジャガイモのスナック(ピュレ状にしてオーブンで焼いたもの)をタップリ作ってきてくれたので、 ミートボール半分を前菜としていただき、もう半分はトマトソースに加え、一気に充実の前菜とプリモになりました。ありがとう!
ワインはフォッジャ県ルチェーラ(Lucera)にワイナリーを持つ友人、アルベルト・ロンゴ(Alberto Longo)の“レ・クルステ(le Cruste)”。“その土地の料理にはその土地のワインを”という鉄則どおり、プーリアの土着品種ネーロ・ディ・トロイア100%で作られたこのワインは今回の料理にピッタリ!
味もエチケットもセンスが良く、大好きなワイン生産者の1人です。

マルティーナ風ラグーについては次のブログでお届けしますね。