トーニャとレジーナの南イタリア紹介「南イタリアのめんどり祭り」

 
foto_0.jpg南イタリア、カンパニア州にパガーニ(Pagani)という小さい町があります。
毎年、パスクア(復活祭)の後の最初の日曜日には、パガーニの最も美しいめんどりが自ら市内中心部の教会にやってくるという話があります。
めんどりが到着すると“マドンア・デッレ・ガッリーネ (Madonna delle Galline、めんどりのマドンナ)”の祭りの始まりです。

“めんどりのマドンナ”とはなんでしょう?どうして“めんどり”なのでしょうか?この奇妙な名前の由来は何でしょうか?

伝説によると、1500年頃、何羽かのめんどりが地面をつっついたら、“マドンナ・デル・カルミネ(Madonna del Carmine)”というマリア様が描かれた木の板が出てきたそうです。
その時から“マドンナ・デル・カルミネ”のマリア様は、この土地の人々に崇拝されるようになりました。
このマリア様は、病気の治癒を始め多くの奇跡を起こし、信仰の輪はますます広がりました。
そして、1610年に彼女に捧げるための教会が建てられました。これは今もある町で最も美しいバロック様式の教会です。

めんどりが絵を発見したのは、パスクア後の最初の日曜日だと言われています。
それで、500年以上たった今でも、毎年同じ日曜日にその小さな町にマドンナ・デル・カルミネの祭りが行われるのです。

朝9時頃、めんどりやおんどり、クジャクやその他様々な種類の鳥に囲まれたマドンナの木像が教会から出発し、祭りが始まります。
祭りの行列は町の路地を練り歩き、夕方まで続きます。
すべてのバルコニーにはカラフルなタペストリーが飾られ、そこから花びらのシャワーが降りそそぎます。
さらに爆竹や花火でマリア様を迎えます。
マリア様は信者のために止まりながら、ゆっくりと進みます。
不思議なことに、マドンナの木像の足もとにいるほとんどの鳥は、信じられないほどの大きい音が鳴り響く中でも、じっとして、飛んでいってしまうものはいないのです。
今までこの現象に論理的な説明をすることができた人は一人もいません。
でも、町の人々には説明など必要ありません。これは奇跡なのです!

foto_1.JPG外で華やかに音楽が鳴り響く一方、家の中では、主婦たちは料理の準備に余念がありません。
自家製パスタにラーグー(ミートソース)、メイン料理はローストしたアーティチョーク。
この日はパガーニのすべての家で同じメニューが用意され、違う食べ物を食べるのは冒とくと考えられています!

foto_2.JPG午後には、行列がゆっくりと行進する中、南イタリアの各地からミュージシャンやダンサーのグループが集まり始めます。
さて、南イタリアの最も人気のある祭り、タッムッリアータ(tammurriata)と呼ばれる民俗舞踊の始まりです。
音楽が流れる中、路地や中庭、古い壁や石の階段、わらの椅子を美しく見せる柔らかな光が降り注ぎ、まるで時が遥か昔に戻ってしまったかのように感じられます。
絶え間ないタンバリンやカスタネットのリズムで、老若男女が一晩中タッムッリアータを踊ります。
言葉だけでは、本当の雰囲気が伝えれらないのが残念です。
鳴り響く音楽や永遠に続く舞踊、そして人々の厚い信仰心が、祭りの場を特別な空間にするのです。

 

foto_3.JPGほとんど毎年、私たちトーニャとレジーナはこの祭りに参加しています。
パガーニで生まれた私レジーナは、子供のときからこのダンスを踊っています。
最初は祖母から、次は母からこの貴重な伝統舞踊を教えてもらい、今では伝統を守る精神を尊重しながら、同時に踊りそのものも楽しんでいます。
よろしければ、ぜひこの映像をご覧ください。

しかし、南イタリアで行われるのはパガーニの祭りだけではありません。
カンパニア州には、半世紀以上の歴史を持つ伝統的な祭りがたくさんあります。

たとえばナポリ県にあるサンタ・アナスタシア(Sant’Anastasia)という村では、毎年パスクアの月曜日にパガーニの祭りとに似た“マドンナ・デッラルコ(Madonna dell’Arco)”が開催されます。
信者が行列をして、聖母の教会を訪問してから、古代音楽と舞踊で人々を楽しませます。
 

foto_4.JPGイタリアの家族的なパスクアの雰囲気を味わいたいと、パガーニに来た日本人のマリさんとアサキさんがそのマドンナ・デッラルコのお祭りも体験しました。
 

foto_5.JPG彼女達の旅のレポートは下記ブログをご覧ください。
http://mmnowhere.exblog.jp/13445238/
http://mmnowhere.exblog.jp/13496411/

私たちが深く愛する南イタリアの伝統行事、ぜひみなさんも休暇を取って実際に体験しに来てください。
旅の情報などお気軽にメールでお尋ねくださいね。
お待ちしています!

Ciao a tutti
logo_zenzero.jpgTonia & Regina

P.S.
“マドンア・デッレ・ガッリーネ (Madonna delle Galline)”、民俗音楽について知りたい方は、以下のサイトをご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=xCsR61uuibc
http://www.youtube.com/watch?v=V0CO7z2X70g

(イタリア語なので少し難しいですが、頑張ってくださいね!)

『テルマエ・ロマエ』マンガ大賞受賞

古代ローマの浴場と現代日本の風呂を舞台とした異色のマンガ、「テルマエ・ロマエ」が、全国の書店員が選ぶ「2010年 マンガ大賞」を受賞しました。

主人公は古代ローマの浴場設計技師ルシウス。
浴場のアイデアについて悩む彼が、気を失うたびにタイムスリップして、やってくるのが現代日本の銭湯や温泉、家庭風呂。
「テルマエ・ロマエ」第1巻
そこで知ったアイデアを、古代ローマで実現すると……。

あるときは書き割りの富士山を参考にしてローマの浴場にヴェズーヴィオ火山を書き、またあるときは風呂上がりの牛乳をローマっ子に出す。
はたして、その反応は?

まるでギリシャ・ローマ彫刻のようなルシウスが、いろいろと悩むところがかえって笑いを誘います。

タイトルがラテン語で「ローマの風呂」という意味であることからもわかるように、時代考証もしっかりしています(たぶん)。

教養に裏打ちされた笑いに、思わず引き込まれること請け合い。イタリア、ローマファンにお勧めです。

作者のヤマザキマリさんは、ヴェネト州のバッサーノ・デル・グラッパで新婚生活を送り、現在は旦那さんの仕事の関係でポルトガルのリスボン在住とのこと。

徐々に口コミで評判になっています。一度、書店でお手にとってご覧ください。
詳しい情報は、こちら を。

(画像ご提供:エンターブレイン様)
日伊協会F

プーリア便り7-2

もう1つの目的である「カンデラーラ(Candelara)のロウソク祭」-電気を消し、ロウソクの光で町を彩るマルケ州ペーザロ県カンデラーラで開かれる祭です。
カンデラーラという町名は伊語で「ロウソク」を意味する「カンデーラ(candela)」に由来し、それにはこんな言い伝えがあります。

~昔々、まだ電気が無く、夜間勉強するには炎の光に頼るしかなかった時代、ペーザロ領主が築城に適した地を探していました。
彼は領地内の3箇所にロウソクを置き、最も炎が消えにくい地を選び、そこがカンデラーラの町となりました~

祭は12月5~8日にかけて開催され、私達は最初6日夜に出かけたのですが、既に遅く…。
目的地に到着する大分手前から道の両脇がびっしり車で埋まっていて全く駐車スペースが無かったため、翌日再訪問して鑑賞してきました。

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翌日は4時頃到着し、クリスマス市を回りながら買い物したり、氷の彫刻で造られたプレゼーピオ(presepio:キリスト降誕の場を表現したジオラマ様の展示)を見たりしているうちに、町のそこかしこにロウソクが準備され、辺りも段々暗くなってきて….
5時半、一斉に町の電気が全て消え、目に映るのは無数のやわらかいロウソクの光、という光景が広がりました。そしてその中をロウソクの冠を被った光の神様、聖ルチアに扮した町の少女達の行列が「サンタ・ルチア」を歌いながら練り歩いてゆきます。
電気が消えた時間は15分ほどでしたが一瞬タイムスリップしたような美しい幻想的な光景に私達も周囲の観光客もうっとり…。
 
PC070313.jpg様々な電化製品に囲まれている現代、僅かな時間でも電気が使えないというのは相当不便な筈ですが、その分一層、全住民の町を大切にする思いや祭に協力しようという思いが強く感じられ、それらが更に祭を盛り上げているように感じられました。
 目に映るロウソクの光同様、温かい気分で町を後にしたのでした。

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