ブログ「Tutte le strade portano a Roma(すべての道はローマに通ず)」
第三回「イタリア留学のススメ (その1)」

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今年2016年は日本とイタリアが修好通商条約を締結してから150年目となる。

イタリアに関わる者として、この様な節目ともいわれる年に時代を共有出来たことは中々感慨深い。次の大きな区切りといえば50年後だが、立ち会うことは難しいかもしれない。

昨年から日伊国交樹立150周年に関連して、日本とイタリアの親交を記念するイベントが日本及びイタリア各地で数多く行われている。最近、現地イタリアで一番話題になったものといえばコロッセオのイルミネーションだ。5月11日にイタリア・ローマのシンボル、 コロッセオが日伊国交150周年を記念して、3日間に渡り美しくライトアップされたのである。

ここで話は少し逸れるが、イタリアの文化財・文化活動と観光省(Ministero dei Beni e delle Attività Culturali e del Turismo)の発表によると、昨年2015年一年間のコロッセオの入場者数は665万1046人を記録し、世界で2番目に訪問者数の多い観光スポットとなったそうだ。世界規模で見ると、この入場者数を超える観光施設は中国の万里の長城のみだという。コロッセオは道理でいつも人が多い訳だ。

イタリアは世界一の世界遺産登録数を誇る歴史と文化の国であるが、 近年までこれらの資源が活用されていなかった感があった。しかし最近、国として文化遺産を有効に活用すべく全力で取り組んでいる。その一つが2014年7月1日より施行となった国立の美術館、博物館、遺跡などの観光施設に関する省令(Decreto 27 giugno 2014, n. 94) である。省令では、「文化遺産はみんなで享受しよう!」を理念として様々な点が改正された。例えば、「毎月第一日曜日の無料デー(国営美術館、ギャラリー、博物館、遺跡、遺跡公園等の入場料が無料)」、「毎週金曜日の夜間開放(前述の文化施設の閉館時間の延長)」、「年2回の夜の美術館デー(深夜1~2時頃までオープンするスペシャルデー)」などである。イタリアを訪れる日本人旅行者にとってもよりお得で便利になったのはいうまでもない。

話を元に戻そう。

そのイタリアを代表する人気観光スポット、コロッセオから日伊国交樹立150周年を記念して、世界に向けて「人に愛・地球に愛」をテーマにした光のメッセージが届けられたのだ。

光のスペクタクルは日本の照明デザイナー、石井幹子、石井リーサ明理親子によるプロデュースで、光の演出は10分間の上映プログラムが繰り返し行われた。5月11日の点灯式には日本からは秋篠宮ご夫妻がご出席された。コロッセオへはフォロ・ロマーノ側から投影され、コロッセオがイルミネーションと音の演出により美しく七変化して行く様子を多くの見学者が楽しんだ。

写真1:日伊国交樹立150周年を記念して行われたコロッセオのイルミネーション。秋篠宮ご夫妻が20時40分に光のスペクタクルに点灯した。約10分間の光の演出の最後はコロッセオが日本とイタリアの国旗となり終了。

写真1:日伊国交樹立150周年を記念して行われたコロッセオのイルミネーション。秋篠宮ご夫妻が20時40分に光のスペクタクルに点灯した。約10分間の光の演出の最後はコロッセオが日本とイタリアの国旗となり終了。

ところで、日本とイタリアは国として公式に修好通商条約を締結してまだ150年と日付も浅いが、歴史的には古くから交流がある。13世紀に初めて”黄金の国ジパング”をヨーロッパに紹介したのは、ヴェネツィアの商人マルコ・ポーロである。

写真2:ローマ北西にあるチヴィタヴェッキア(Civitavecchia)にある支倉常長像。仙台藩の武将だった支倉常長は、1613年に慶長遣欧使節団(日本初の公式使節団の欧州訪問)を率いて石巻港を出発。時のローマ法王パオロ5世と謁見した。この像は人の往来が激しい商店街に設置されていることから町の人も良く知る。

写真2:ローマ北西にあるチヴィタヴェッキア(Civitavecchia)にある支倉常長像。仙台藩の武将だった支倉常長は、1613年に慶長遣欧使節団(日本初の公式使節団の欧州訪問)を率いて石巻港を出発。時のローマ法王パオロ5世と謁見した。この像は人の往来が激しい商店街に設置されていることから町の人も良く知る。

遠いようで近い国、似ているようで全く正反対といっても良い国イタリアは今も昔も私達を惹きつけてやまない。
(次回に続く)

阿部美寿穂