プーリア便り35

Ciao dalla Puglia!

今回はイタリアのお笑いライブについてお便りします。

今回出かけたのは18日にプーリア州バーリのアレーナ・デッラ・ヴィットリアで行われた“フィオレッロ(Fiorello)”こと、ロザーリオ・フィオレッロ氏の“フィオレッロ・ショー” (そのまんま…)。
フィオレッロはロザーリオという典型的なシチリアンネームからお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、シチリア州カターニア出身、1960年生まれで既に20年近くコメディアン、歌手、タレントとしてイタリアショービジネス界の第一戦で活躍しています。舞台、CM、TVと引っ張りだこで、今、イタリアで最も人気のある芸人と言っても過言ではないでしょう。今回の全国ツアーもアリーナクラスの大会場ばかり、最前列は財界、芸能界、スポーツ界等の大物が多くを占めます。

P9180033_ridimensionare.JPG昨年、TV放映されていた時、伊語ネイティブでない私にとっては、早口な上に同音異義語や方言等も用いて笑いをとる彼のショーを全て理解するのは難しかったのですが、写真でもお分かりのようになかなかのハンサムということもあり(笑)、GIANや友達と共に今回のショーに出かけることにしました。

ショーは15分遅れで、フィオレッロがバーリ方言で語る笑い話から始まりました。話しながら舞台を降り、遅れて入って来た観客を捕まえては、それぞれの人の特徴を捉えた笑い話に即興で仕立てる技に感心。このように彼のショーでは観客との直接のやりとりも多いのです。ちなみに今回は客席に彼のご家族も来ていました。
また、兵役時代はバーリの軍基地で過ごしたそうで(イタリアは2004年まで徴兵制)、兵役時代を同じ軍基地で過ごしたGIANはフィオレッロと年代が重なっていなかったことを残念がっていました。

そんなこんなでフィオレッロ自ら一通り観客を席に案内した次は、時事ネタ、エリザベス女王に挨拶なさるローマ法王の物まね。ドイツ語訛りのイタリア語がベネディクト16世ローマ法王そっくりで会場の大爆笑は止まりません。物まねの持ちネタも幅広く、彼のベルルスコーニ首相の物まねはイタリア暮らしの方なら誰しも耳にしたことがあるのでは? 私は昨年TVで何度も耳にしていたためか、逆にニュースで首相の声を聞くと反射的にフィオレッロを思い出して笑ってしまうほどだったのです。

その後もトークや歌が続きます。彼のショーは懐メロ~現代歌謡までイタリア人なら誰もが知っていて盛り上がれる曲がたくさん盛り込まれているのも特徴。歌手としてサンレモ音楽祭(日本の“レコード大賞”のような番組)に出場したり、何枚かアルバムも出しているそうで歌もプロ級です。ってプロなんですけどね、ほんと何をやっても芸達者。

P9180096_ridimensionare.JPG途中、装置のトラブルで舞台にエンジニアが来たり、携帯マイクが外れたのでスタッフが取替えに来たり、といった事態も何度かあったのですが、その度にトラブルも上手くネタにして爆笑を誘いつつ、しゃべり倒し・動きまくりのショーは3時間近くも続いたのでした。フィオレッロは50歳、しかも最近ぎっくり腰にかかったと言っていましたが、そんなことは微塵も感じさせないパワフルさ! 幕引き後も前方のスクリーンに彼の有名な持ちネタの1つであるエセ仏語の独白の様子が流れ(個人的にはこのネタが大好きなので最後に見られて嬉しかった!)、最後の最後まで観客を楽しませるサービス精神! 通常、イタリア人は映画はエンドロールが流れるや否や帰り始めてしまうし、舞台も盛り上がりに欠けた時は途中で席を立ってしまう人も少なくないのですが、このショーではみんな最後の最後まで大爆笑で楽しんでいました。帰り道も私達のみならず周囲の人たちも口々に“Bravissimo(すばらしい)!”を繰り返しており、大満足で帰途に着いたのでした。