「マンドリン通信」

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イタリアに行く目的は十人十色。
ご自身に合った留学を見つけていただくことで滞在はとても豊かなものになります。
日伊協会を通じてミラノに留学し、現地でマンドリン奏者の一員として演奏活動をされている関さんに、イタリア暮らしとマンドリンを通して見えてきたイタリア、イタリア人の素顔をこれから日伊協会会員ブログ「イタリア マンドリン通信」としてご紹介していただきます。是非連載をお楽しみ下さい。
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私のマンドリン、そしてイタリアとの出会い、留学までのイタリアとの関わり方
seki1-mandorinイタリア語の勉強は、初めてイタリアを旅行したとき、テレビとラジオの講座で始めました。そして、実際にイタリアでこの言葉を耳にしたとき、とても新鮮な言葉の響きを感じました。英語にはない、特有の発音と独特な語彙にとても惹かれ、語学学校に通い始めました。上達しない自分のふがいなさを感じながらも、十数年に渡って地道に勉強を続けてきました。

一方マンドリンは中学・高校のマンドリンクラブに在籍して演奏活動をしておりましたが、社会人になってからは全く楽器を手にしておりませんでした。2003年から、あるマンドリニストを知ることで、およそ30年振りに演奏活動を再開しました。そして、あるアマチュアのマンドリンオーケストラに所属して、オーストリアとクロアチアの海外演奏旅行に参加し、初めてマンドリンを弾く海外の方々との交流を体験しました。ウィーンで合同コンサート終了後、そこのマンドリンオーケストラのあるメンバーとイタリア語で会話し、海外音楽交流を自分自身の肌で実感し、音楽交流に興味を持ちました。また、そこで出会ったイタリアで活躍されている、日本人マンドリニスタの西山 みきさんと知り合ったたことも大きな出来事でした。
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2007年に体調を崩し、早めに仕事をリタイアすることを決意し、しばらくの休養の後、フィレンツェにイタリア語学留学をしました。帰国後、イタリア語をもっと上達させるためには自分自身に目的がないと意味がないと考え、思いついたのがマンドリン留学でした。私はアマチュアなので、コンセルバトリオ(音楽専門大学院)に入学することよりも、一般のマンドリンを弾くイタリア人との交流をしたいと思い、インターネットで数人のマンドリニスタにイタリア語でメールを出し、数日後にあるイタリア人の演奏家から、とても丁寧なイタリア語での返事を受け取り、幾度かやりとりの後、行くことを決めました。彼は、CasertaというNapoliから近い町に住んでおり、私にその当時に彼の音楽グループ主催のLa Mostraに誘われ、そこで行われた毎晩のマンドリンコンサートを聴く機会を得、クラッシック以外に更に南のマンドリン音楽を知ることになりました。
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いわゆる、La Canzone Napolitana(ナポリ地方の伝承音楽)ですが、それに限らずその地域の大衆音楽があり、彼らはそういう演奏活動もしていました。また、そこで知り合ったマンドリン関係の友人から、毎年夏に行われるインターナショナル マンドリン講習があるのを知り、現在までに4回参加しました。そこでは、様々な国からのマンドリン愛好家が参加しており、イタリア語・英語・フランス語が飛び交い、私も参加して沢山の友人が出来、このことが大きなきっかけとなり、その後毎年その繋がりからコンサートや、友人宅に出かけて、彼らの練習に参加したり、様々なマンドリンに関する機会を得ました。

昨年母親が他界し、かねてからの自分の大きな目標である、イタリアのマンドリングループにメンバーとして参加して演奏活動することを決め、日伊協会さんに留学相談をし、親切で思いやりある担当者:加藤さんに親身な対応に助けられ、今年6月から、念願の私の目標が実現しました。

現在は、平日はLINGUADUEに通い、BRESCIAのマンドリンアンサンブルで演奏活動し、10月からは、ミラノのマンドリンオーケストラの友人の誘いでそこでも演奏することになりました。
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イタリアでは、マンドリンに限らず色々な小さなコンサートがあり、私は出来るだけ出向きます。またヨーロッパは他国ととても近いので、日本とは異なる文化・音楽の歴史を肌で感じる得がたい経験が出来、コンサートや研修で、出かけることも可能です。今後、こういった活動も合わせて広げて行きたいと考えています。

何故私はイタリア語を続けてきたのか?マンドリンを通じてイタリアで交流を始めたとき、その理由がはっきりわかりました。正にこのことをするためだったのです!私はイタリア語とマンドリンとの出会いが、今の私の人生を大きく変えたことを実感している日々です。

Yumiko Luna Seki