「イタリア語で学ぶボッティチェッリ展」の授業を受けて


3月1日(火)晴れ渡る天候の中、「イタリア語で学ぶボッティチェッリ展」のクラスの皆さまと東京都美術館で行われているボッティチェッリ展を訪問いたしました。

こちらの講座はボッティチェッリ展をより楽しむための講座で最初に3回の座学でボッティチェッリについて学び、最後に東京都美術館で行われている「ボッティチェッリ展」を見学いたしました。

担当講師はプーリア出身のアバテマッテオ先生。毎回、先生が作成された資料は大変分りやすく、難しい箇所も細やかに説明をしてくださいました。もちろん、全てイタリア語です!!

ボッティチェッリは幼少期は体が弱く、実家の家業(皮なめし職人)を継ぐには難しかったそうで、絵の才能があった彼はフィリッポ・リッピの工房で修行することになりました。

彼は宝石や生地の工房で働いていたこともあり、絵の中の宝石や布はまるで本物のように描くことができたそうです。フィリッポ・リッピの工房から、ヴェロッキオの工房に修行の場を変え、独立しメディチ家御用達の画家となり、たくさんの作品を残しました。

中でも有名な「Primavera(春)」「La Nascita di venere(ヴィーナス誕生)」は、当時フィレンツェで絶世の美女と称された「シモネッタ・ヴェスプッチ」がモデルとなっていて、彼はシモネッタをモデルとした作品を数多く残しています。

今回のボッティチェッリ展では「ラーマ家の東方三博士の礼拝」や「書物の聖母」、「美しきシモネッタの肖像」などの華々しいルネッサンスを象徴するような作品から、晩年に描かれた「オリーヴ園の祈り」や「アペレスの誹謗」など苦難や葛藤を描いている作品も多数来日しています。

これだけのボッティチェッリの作品を一度に見れる機会もありませんし、なんといってもアバテマッテオ先生の授業のおかげでより深く作品を鑑賞することができました。

クラスの皆さまも大満足の内容だったようです。ご受講生より感想をいただいておりますので、抜粋して掲載せさせていただきます。
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<伊藤 えり子様>
私の場合、他の受講メンバーの方々とはレベルが違い、イタリア語も良く分からないのにこの授業に申し込んでしまい、皆様にご迷惑を掛けなければ良いと心配していましたが、とても楽しく勉強することができました。

元々ボッティチェッリが大好きで、日本語でも今まで勉強して来ましたし、ウフィッツィ美術館を初め、イタリア各地の美術館や教会で実際に沢山の作品を見て来ましたが、個人で見る時は、解説がないので絵画の見方も学べて、とても良かったと思います。

授業で戴いた資料は、もう一度復習し、イタリア語の勉強にも役立てたいと思っております。イタリアファンの私にとって、こういうテーマのはっきりした授業は特に面白いと思うので、また機会がありましたら、是非こういう企画を期待しております。

<西 友子様>
今回の大好きなボッティチェッリ展を鑑賞するに当たり、この授業は見逃せないと思い受けさせていただきました。もともと、イタリア語を始めたきっかけがウフィッツで出会った絵画たちでしたので、こういう企画はうれしいです。やはり、ただボッティチェリが好きなだけで絵を鑑賞するより、俄然面白く鑑賞に浸ることができ、もっと好きになりました。 

3回だけではつたないイタリア語を駆使してスムーズには聞き取れませんでしたが、大雑把に背景を知っててのイタリア語による授業は想像力も働き、プリントを復習することでどうにか、意味を把握できました。今回のように展覧会に沿った授業はすごく良いと思います。このような新しい企画お待ちしております。

<清浦 恵理子様>
今回はルネサンス美術についてイタリア語で学ぶことができる良い機会でした。4月にフィレンツェに行くので今回学んだことを頭に置いてボッティチェリやフィリッポ リッピの絵を見直して見たいと思います。

<津島 恵子様>
美術関連の授業を受講するのは初めてでしたが、作品展への訪問前に、画家の生い立ちや時代の背景を学ぶ事によって、違った観点から作品鑑賞できたようです。ありがとうございました。

ご感想をくださいました皆様、ありがとうございます。座学だけではなく、実際に体感することもイタリア語を学ぶ上でとっても重要な要素だと実感いたしました。このような授業がまたできるといいですね!
皆さま本当にお疲れ様でした。