イタリアマンドリン通信 「友人から譲られたマンドリン」

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<La festa delle donne>

毎年3月8日は「国際女性デー」で、イタリアでは女性が互いにミモザ(ギンヨウアカシア – Cootamundra wattle)の花を贈り合い(もともと男性が女性に贈る習慣がある)、この季節を迎えると街中にミモザの花がみられます。

私はその日、イタリア人と日本人の女性4人でランチを一緒にしてお祝いしました。その間も、イタリア人女性達の家族から、「Auguri!おめでとう!」と次々とメッセージがスマホに届きます。何かとても暖かい、家族・友人思いの彼らのこの習慣を羨ましいと思いました。そのレストランでも、帰りがけにコックさんからミモザの可愛い花束を皆にプレゼントされました。

春を迎え、町も花が咲き始め過ごしやすい良い季節となり、友人と「郊外にお弁当作ってピクニックでもしに行きたいね」と話しています。

<友人から譲られたマンドリン>

昨年のある日、ミラノ在住の日本人女性から「そう言えば、日本の実家に祖父が弾いていたマンドリンがあるんだけど、誰も使わないので譲りたい」と話がありました。早速写真を送ってもらうととても綺麗で状態が良さそうなので、日本の私の家に送って貰いました。

実は日本にいる友人に私のマンドリンを貸したままで、(そろそろその友人に見合った楽器が必要か?)と考えていたところでした。一時帰国していた私が実際に手にして見ると、弾きやすく、早速その友人に譲ることにしました。

そこで私はその楽器を綺麗に磨き、お店で弦も新しく張り替えて友人に持ち帰って貰いました。後日、本人も「とても弾きやすい!」と気に入って、喜んでくれ、(良い出会いだったなあ!)と実感しました。

マンドリンも誰から手にされることなく放置されているよりも、弾いて貰えることになったわけで、良い引き取り手に行くことになって、満足していることと思います。

私もとても嬉しく、ミラノに戻ってからマンドリンを譲ってくれた友人にその報告をして、お礼に夕食に招待しました。マンドリンとは縁のない友人とこんな繋がりが出来、橋渡しが出来たことが偶然とは言え満足しました。

その夜は、その女性とイタリア人彼氏も一緒に招待して和食を作りました。インゲンと人参の金平、今旬のアスパラとエビの出汁おひたし、カジキマグロの竜田揚げ、白菜と豚バラ肉・鶏肉・干しシイタケのスープ、五目ずしのおにぎり、デザートはジェラートに小豆餡と日本から持参した黒蜜掛け。

なるべくイタリア人の口に合いそうなメニューを選び、喜んでもらい完食してくれました。

私は料理を作って振る舞うのが好きです。日頃は一人暮らしですと沢山作れませんし、一緒に頂くことで喜んでもらい、話が弾むのはとても楽しいことです。特に今回はイタリア語での会話なのでとても勉強にもなり、貴重で楽しいひとときでした。

<3月のクラッシックコンサート鑑賞>

毎月に開かれるクラシックコンサート第5弾は、若いピアニストとヴァイオリニストのデュオ演奏でした。お二人ともミラノ音楽院を主席で卒業し、その後も高名な師に学び、更に別の音楽院(イタリア国内・国外)でも学ばれて、演奏活動も活発にされているという優秀で素晴らしい演奏者でした。

エネルギッシュな演奏スタイル、細やかな技術、身近でその音を浴びることが出来、観客からの割れるような大拍手と賛辞の中で、本当に贅沢な時間を過ごすことが出来ました。

私は着物のレンタルサービスをしている友人達と、この音楽を楽しみました。今回も彼女のお弟子さん達が、しっかりと着付けをして着物で参加。こうした機会に晴れやかに着飾って参加されているのは、日本人としてとても嬉しいことです。

友人は過日もある日本人とイタリア人共同経営のエノテカで、「着物とワイン」のコラボレーションをして、何とヴェネツィアからもイタリア人女性が参加したとか。(写真友人提供)

イタリアでは、年々「着物・浴衣の日本文化を知りたい、是非着たい!」とリクエストが増えています。

夏には、バールやレストランのお店での浴衣でのウエイトレス姿が見られます。今年も更にこういった機会が広がることを願っています。(写真提供:着物レンタル ミラノWajyaku和寂)

<市民マラソン Stramilano>

毎年恒例のミラノの市民マラソン「Stramilano」が3月18日に開催されました。今回も3回目という日本の友人とその仲間数名が遥々日本からやって来ました。全参加者は数万人で、一般の人々は大抵10キロコースを家族や友人、ペットと走り(歩き)ます。参加者が多いので、走るのは先頭集団だけでしょうか?

春到来で天気も穏やかで、花も咲き乱れとても良い季節です。お喋りしながら、休憩コーナーでお菓子(ビスケットやキャンディ)やドリンクサービスを利用して和気あいあいのこの催し。何が何でも走るという日本人とは異なる、なんとものんびりした時間の過ごし方の一つですね。

その友人は前夜にミラノに到着したのですが、ヘルシンキで航空会社のストの為、ロンドン経由となってしまい、夜9時に電話を貰った時、「まだロンドンにいると。。。 夜遅いので、便はなく、あくる朝7時過ぎの便となる」との連絡でした。

結局ミラノの私の家に着いたのは、翌日の昼の12時位。前夜はロンドンの空港ベンチで寝たそうです。乗り継ぎ便での旅は、時にはこういうハプニングが起こると大変な時間のロスとストレス疲れとなります。今回は、ストだったので、新たな支払いをしないで済んだそうです。無事着いて安心しました。