「イタリアマンドリン通信」 
<ギターコンサート鑑賞><あるメンバーの悲しい旅立ち><巻き寿司講座参加><映画上映の故障とリベンジ>

mandorin-banner1
<ギターコンサート鑑賞>

ギターマエストロからギターソロのコンサートを勧められ行って来ました。17:30開演で初めて行くホールでしたので、慎重に早めに家を出ました。もう陽が短くなっているので暗くなるのが早く、日本とは違い、明るい所が少なく(余程の町中か大通り沿いでなければほぼ暗い)見つけるのが大変なのです。

なんとか辿り着いたのが開演ギリギリ。約500人位収容のホールでしたが満員で熱気溢れる雰囲気が意外でした。暗がりでよく見渡すと、ギターを持った若い男女が沢山おり、驚きました。マエストロ曰く、有名なギター奏者でマスタークラスも同時期に開催しており、その為だとのこと。でもクラシックギターを弾く若い人がこんなにも居るのか(そこ見ただけで判断は?ですが)と思いました。

その夜のコンサートは現代曲が多く、私には少し分かりにくいものでしたが、イタリアのクラシックギターの世界は新鮮でした。来年2月迄はいくつかのギターコンサートがあるのでマエストロと相談しつつ行こうと思っています。

<あるメンバーの悲しい旅立ち>

Armonia in Pizzico(アルモニエ・イン・ピッチコ)のベースギターのEは、長く患っており、それでも音楽活動に参加していましたが、今年の1月のコンサートを最後に参加不可能になり、自宅療養をされてました。マエストラの西山さんからは、かなり悪い状態と聞いておりましたが、ある朝、突然の訃報に大きな悲しみとなりました。

練習には参加出来ないものの、グループのWhatsApp*には始終チャットに参加、ウィットに富むお茶目な発言をしてくれ、まさにいつも活動に参加している気にさせる会話で、心配している皆を和ませてくれる存在でした。

私にもいつも優しく声を掛けてくれた、温かい心の澄み切った謙虚な方でした。ご本人の意志で正式な葬儀は望まずに親しい友人だけの密葬を望まれておられ、その場で最後のお別れの演奏を私達にしてほしいとのことでした。

当日の寒い葬儀場には約100名は超えると思われる彼の親しい友人達が集まりました。メンバーの殆どと親しいギタリストも参加して、私達Armonie in Pizziocoの音楽で見送るといった悲しいけれど、彼が望んでいた送り方が出来たと思います。今年5月にCD録音をして、もうすぐ出来上がるという直前の出来事でした。そのCDを是非手にして聴いて貰いたかったと全員が思っています。

<巻き寿司講座参加>

北イタリア日本人会の中の「なでしこ会」企画の「巻き寿司講座」に参加しました。場所は、ある素敵な和食レストランで、マエストロは勿論日本人シェフ。期待して臨みました。最初にシェフが行程を説明しながら、あっという間に見事なお鮨が目の前に並び、皆歓声とため息の連続。

奥のキッチンで実習開始。まず、裏巻き→細巻き→握りと進みました。用意されたのはマグロ赤身・サーモン・ブリ白身・エビ・飛子・キュウリ・アボガドと豪勢で新鮮な食材でした。ミラノの評判の良い噂通りの信頼できるお店です。

皆さん、和気あいあいと巻きずしに取り組み、奮闘し、そして終わりには素晴らしい出来栄えのお寿司が食べられ、とても満足の様子でした。人気講座と聞いておりましたが、その通りでした。

最初、中々思うような手際でなかった参加者を従業員の皆さんの親切な気配りとヘルプもとても素晴らしいものだと思いました。

今回の巻きずしで感じたことは、かなり美味しかった寿司飯です。寿司はネタも大事ですが、ご飯が大事だと思っています。イタリアでは信頼出来る日本人シェフのお店だけしか行きません。生魚の質と味が日本とは異なりますし、釣ってからの流通行程が信頼出来ません。

私が今回この講座に参加した理由は、ナターレにカゼルタの友人の家のお嫁さんから、巻きずしを習いたいとのリクエストがあったからです。今までは自己流でしたが、人に教えるとなるとさすがに基礎を学んで、コツを身につけたいと思ったのです。今回しっかり教えていただいたので、その日に備えイタリア語のレシピを作り(お米の炊き方から教えねばならないから大変!)、臨みたいと思っております。寿司マエストラと呼ばせてみたいです(笑)。

<映画上映の故障とリベンジ>

ある日友人と映画鑑賞に行きました。平日の午前中ですから観客はシニアの方(我々も)が多いです。イタリア人は携帯を切らない人が多いですから、時折上映中に電話の音が鳴ります。通常は誰かが「Silenzio!静かにして!」と言うのは当然ですが、この日は私の2つ席となりのかなりの老齢男性が電話に出て会話を始めました・・・ブーイングは少しありましたが本人無視。この方は、映画上映開始に遅れて来て、何と席に座る途中の階段で携帯で話しながら到着してましたから、有り得ると思いました。他にも携帯で話す声が聞え、この日は最悪でした。

暫くして、またこの年配男性携帯取り出し、SMSをチェックし始め嫌な予感。すると突然映画画面が中断し、画面が消え、照明が点きました。皆騒然。何のアナウンスもなく、5分少し経過。係員が階下に登場。「放映器が不調で今暫くお待ちください」と言いました。また10分位して照明が暗くなり、放映が開始されました。この中断最中にこの男性またもや、携帯掛け始め、私の友人が見かねて「止めて欲しい」と言うと、「今映画中断しているのだから構わないだろ?」と止めません。いやはやこの方、何しに来たのか?ただの暇潰しとしか思えないですね。

ある友人曰く「イタリア人に携帯電話を持たせたのは、大きな間違いだ!」納得です。地下鉄・バスなどの公共交通機関内、レストラン・バール、歩きながらと常に携帯で話しながら・・・という人が多いです。最近はイタリア人に限らず他の移民風の人々(中国人も)も同様の光景が多くなりました。大きな声ですから、内容はあからさまに分かります(イタリア語の場合)。大抵は母親・恋人と言った近い関係ですね。余りにうるさいとその場をすぐ離れます。音楽やPCで映画等の場合はイヤフォンしているのに、自分で話す言葉が騒音だと気付かない所が不思議ですね。

映画が再開しましたが、まだストーリーは終盤にかかるころ?またしても中断。皆「Oh, no~!」さすがに今回はすぐに階下に係員現れ、「故障で直る見込みがないので、映画は放映出来ません。従いまして映画代は全額返金致します」と。。。友人曰く、「何年もこの映画館に来てるけど、こんな事態は初めて」と。呆れて家に戻りました。ランチのあと、この友人から電話あり、別の映画鑑賞の提案。互いに見たいと話していた映画の誘いでした。今日は映画代が返金されましたので、映画リベンジということで、他の映画鑑賞をした日でありました。

編集部注)*WhatsApp:LINEのようなスマートフォン向けメッセンジャーアプリ