イタリア マンドリン通信 
<四重奏コンサート鑑賞><ガイド付きハイク参加><ミラノオーケストラ練習開始>

<四重奏コンサート鑑賞>

4月に開催する予定だった弦楽四重奏のコンサートが、コロナロックダウンのため延期となっていましたが、解除後改めて開催の知らせを受け取りました。友人の1人がその四重奏のヴィオラ奏者で、やっと音楽鑑賞が可能となりました。場所はミラノの郊外で、21;00が満員のため22:00の部を予約しました。

本来はこの建物内にある素敵な歴史的なホールでの予定でしたが、まだ室内のコンサートは禁止でしたので、建物の入口のポーチでの演奏で客席は外の席が用意されていました。ですが、22:00開始直前に雨が降り始め急遽そのポーチで演奏と立ち見でのコンサートとなりました。

何ヵ月ぶりの生で聴く音楽。久しぶりに、籠っていた気分が洗い流されるようなクラッシック音楽に鳥肌が立ちました。観客はマスク姿で立ちの鑑賞でしたが、特に問題なくコンサートは進みました。雨が止むと一部の観客は外の椅子に戻ったり、そのまま最後まで立ち見であったりとそれぞれでした。

マンドリンと違い、やはり弦楽四重奏は迫力あり、満足いく音量で羨ましいと思いました。照明の不備でチェロ奏者が譜面が見えないと一部演奏中断もありましたが、私の友人が機転良くスマホの照明で彼女の譜面を照らすというハプニングがありましたが、その後照明がすぐ用意され事なきを得ました。

この建物が夜照明に浮かび上がる光景は、その時代を思い起こさせるようなうっとりするものでした。ヨーロッパの貴族が、音楽をこんな場所で演奏させたのだろうと想像できます。

演奏終了後、ミラノまで友人奏者と別な奏者一緒に地下鉄の最終電車に乗り、お喋りしながら私はマンドリン活動についてお話ししたり。友人のお蔭でこの様な機会を持て、交友関係がまた広がる楽しさを感じました。

<ガイド付きハイク参加>

ロックダウン解除後、異なる州への移動が可能となり、早速友人が時折参加していたガイド付きハイキングに参加しました。その友人が、私達の体がまだ慣れないため「慣らしハイク」をガイドに相談しましたら、企画してくれたとの事。他の参加者が集いましたが、キャンセルもあり当日は3人の参加者でのハイクとなりガイドが気の毒でした。当日朝ドタキャン2件だったそうです。急病とかの理由では
なく少し酷いなと思いました。
場所はイタリアロンバルディア地方とスイスのティチーノ州との国境に近い「シギニョーラ(Sighignora)」で、イタリアのバルコニーと呼ばれている素晴らしい景色の所でした。スイスのルガーノ湖とその街並み、山の後ろにはマッジョーレ湖が垣間見えるというアルプスの景色を一望出来ます。

その日は電車・バスでの行程で、車よりやや時間がかかるため朝6:45の電車に乗りこみました。電車は時間通りでコモ湖の駅に到着。Lanzo行きのバスに乗りました。チケットはロンバルディア共通1日チケット€16.50というのがあり、ロンバルディアの公共交通機関全てが有効な便利なチケットです。都度チケット売り場を探したり買ったりする手間が省けて、割安です。

バスも時間通り出発しましたが、1時間余り乗ったところで突然途中の停留所で全員乗客が降ろされました(?)。乗り換え?と思いましたが、ガイド曰く「バスの運転手はガソリン入れに行った」との事。。。15分位で戻るらしいと。私と友人は唖然!他の乗客は特に気にしてないよう(日常?)でしたが。待っている間にガイドが地図を広げて今日の行程を参加者に説明。イタリアとスイスの境界線の真上ややスイス寄りの尾根道を歩いて、シギニョウーラに向かうとのこと。思った通りバスは15分で戻るはずもなく、やや遅れて戻ったバスに乗り直し出発。

10:00頃に登山口にて下車して、トレッキング開始しました。ハイライトはスイスとイタリアの国境の上の尾根道を歩くのですが、かなりの傾斜と落葉樹の枯れ葉が積もっており、ただでさえ細い50センチ以下の幅で歩きにくいと言ったらないというか、足元が緩いのでアブナイ山道でした。ところどころ更に山道がないような場所の通過があり、金属のロープを伝いながらでひやひやでした。

各参加者が不安を隠せない表情の中、ガイドは皆を励まし(?)一体いつまでこんな状況が続くのかわからないまま、ひたすら安全に通過をすることに集中しました。何回か参加した友人曰く「いつもこうなの。彼の提案するよく分からないコースを行くと通過出来れば良いけど、結局行けずに引き返したこともある」と。その場は絶対に引き返すなんて考えられず、通過出来る事だけを祈りました。結局目的地に着いたのは14:00で、もうお腹が空きすぎて体力消耗しました。(途中の休憩でバナナ1本食べたのは正解でした)。でも展望は素晴らしく参加者は笑顔で写真に納まりました。

下りはどうなのか?心配でしたが、問題ないスキー用スロープをたった1時間で下山。バスの時間迄、冷たい軽いアルコールRadler(ビールとレモンソーダソーダを割ったもの)を飲み爽やかでスッキリし、その日の苦しかった(?)歩きを忘れさせてくれました。

<ミラノオーケストラ練習開始>

ミラノオーケストラのプレジデントから、8月1日にミラノのスフォルツァ城の夏のイベントで、ミラノ市から演奏オファーがあったと連絡ありました。久しぶりのコンサートに心躍るニュースです。演奏プログラムは「映画音楽」のシリーズです。夏のイベントにふさわしい聴きやすいものです。

既にバカンス・シーズンに入ってますので参加者は募った結果約半数でしょうか。でも、主要なメンバーが集まっているようなので、しっかり演奏すれば何とかなりそうだとの判断だったようです。勿論私も長いバカンスないですから参加意志を伝えました。

7月初めからマスク厳守、換気とソーシャル・ディスタンスを空けた、いつもと異なる場所で練習スタートしました。3回目の練習から通常の場所で行えると聞き私は参加をしました。ところが、到着すると鍵がないことが分かり、プレジデントは色々連絡取り合ってましたが、どうやら持っているメンバーの家まで取りに行き、蚊が飛び回るその場所で待ち、約1時間後に入れました。。。いつも不思議に思うのですが、何故鍵の事を確認しなかったのか? まあイタリアですねで余り考えないことにしました。誰も文句も言わずお喋りしてましたから。こういう事はいつも鷹揚です。見習いたいです。そして再会を喜び、観客の期待を裏切らない演奏をしたいと皆張り切っています。