坂本鉄男 イタリア便り 真の男女同権とは

 2003年にノルウェー政府が「08年までに上場企業の女性取締役の比率を40%以上にする」と定めたときは、世界中がビックリ仰天し、その実現性を疑ったものだ。

 しかし、その結果、ノルウェー企業の女性役員の比率は44%にまで達した。欧州連合(EU)諸国の上場企業の女性役員はわずか12%だが、ノルウェーの成功例に啓発され、EUは女性役員の増加を加盟国に義務づけようとしている。域内の上場企業の女性役員の比率を15年までに30%、20年までには40%に引き上げる、というのだ。

 この点、イタリアは表面的には女性を大切にしているように見えても、本質は日本と同じ男性社会。上場企業の女性管理職の割合も欧州平均33%をはるかに下回る12%。役員になると7%で、それも経営者が自分の娘を取締役にしている個人企業を含めてである。

 イタリア政府は、他のEU諸国と足並みをそろえるため法案は作ったものの、女性役員の30%到達は18年が目標だ。

 日本は1972年に、現在の男女雇用機会均等法の前身にあたる「勤労婦人福祉法」を制定し、男女同権の大きな目標を掲げた。だが、果たして「家内が会社の役員で忙しいから、育児と家事はボクの担当だ」と言える日が来るのだろうか。

坂本鉄男
(6月26日『産経新聞』外信コラム「イタリア便り」より、許可を得て転載)