「日本語・日本文化講座*」受講の為、この夏を東京で過ごすイタリア人大学生が自分達の目で見、聞き、体験したことを自分達の言葉(日本語とイタリア語)で綴るリレーブログ。羽田空港に到着した記念すべき日本最初の日の出来事をご紹介します。
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アレッシアとフェデリカの二人を預かるホームステイ先、日本のマンマのハツヤさんが仕事の為、お迎えに行けなかったので、代わって日伊協会のスタッフが出迎えました。今回はプロロゴ編として、イタリア人大学生に代わってブログを書いています。
~空港到着!(第一日目)~
フランクフルトからの飛行機は予定より30分遅れたものの無事に羽田空港に到着しました。「到着→手荷物受取中」の表示に変わってからしばらくして、緊張した面持ちのアレッシアとフェデリカと思しき二人が出口から不安そうに出てきました。”BENVENUTE A TOKYO!! Federica e Alessia (ようこそ東京へ!! アレッシアとフェデリカ)”と書かれたボードを見て、ハッとしたあとニコッと笑った二人と目が合い、無事に合流できました。
空港からステイ先まではタクシーで。車窓から見える東京タワーや町を見て歓声を上げたり、流れているラジオの声に「早くて全然わかんない。。。」と苦笑いしたり。暑い中、マンションの入り口に立っていてくださったホストファミリーのハツヤさんとも無事にご対面。ハツヤさんはマンションの管理人さんにも話を通してあり、二人もきちんと「これから5週間よろしくお願いします」と挨拶できました。
玄関に着くと、
「あ!フェデリカ、靴のまま上がっちゃダメよ~」
「あ!そうでした~ごめんなさ~い。」
知ってはいてもやはり習慣で上がってしまうものなのですね。
長旅で疲れていた二人は、”かぼす”入りの冷たいお水とアイスクリーム、そして冷えた桃、と身体を休めるおもてなしの歓迎を受けました。フェデリカはすっぱいカボスを、皮ごと「美味しい!」とボリボリ食べていました。二人からも、「お土産です」とイタリアのマキネッタ(エスプレッソを淹れる器具)とコーヒー豆を手渡して、和やかに生活はスタートしました。
シャワーを浴びてさっぱりした後は、早速確認を兼ねて駅までお出掛けです。駅では以前日本に来たことのあるイタリアのお友達からもらったというSuicaでチャージにトライ。駅ビルでは、フェデリカはコスメのコーナーに、アレッシアは書店のマンガコーナーに歓声をあげていました。きっとこれから足しげく通うことになるのでしょう。

日本料理は好きで何度かイタリアでも食べた事があるそうですが、ラーメンはまだだということで、最初の食事は”ウェルカムラーメン”となりました。海外からのお客様にはしょっちゅう連れていくという野方ホープ。目黒駅から権之助坂を下ったところにあります。
時間が早かったのでお客は私たちだけ!店員さんとっても親切で感じよくしてくれました。ゆで卵無料!すっごいサービスです。お箸で頑張ってみましたが、まだちょっと難しいフェデリカはフォークをもらってれんげの上で麺をパスタのようにクルクル巻きながら可愛く食べていました。「やっぱり巻くんだ!」と店員さんも妙に納得。日本のマンマが「二人ともよーく見てて!」とズズーッと軽快にラーメンをすすると、一生懸命音を出して食べようと頑張っている二人。とても健気でキュートでした。
こうして、わくわくドキドキの日本体験、最初の第一日目は終わりました。好奇心旺盛な二人の日本体験は、ホームステイ先の日本のマンマのモーレツなリーダーシップ(ガイド)の下、週末も続きますが、それは次回にご紹介します。
この日を振り返って、イタリアに初めて留学したとき緊張でカチカチになっていた自分が心に浮かび、「国は違っても、皆同じなんだな」とあの頃の初々しい感情を久しぶりに懐かしく思い出しました。長いようであっという間のひと夏、沢山の経験を積んで成長してくれるよう精一杯サポートして行きたいと思います。
*「日本語・日本文化講座」は日本からイタリアへ文化発信する事業に助成することにより、日伊双方向の交流促進を目的として設置された日伊文化奨励基金の一部が活用されています。
