連続文化セミナー 『ファシズムと芸術』
第5回 ファシズムの舞踊  ― ファシズムとイタリアのモダン・ダンス



ファシストたちがイタリアの政権を担った1922年から42年の「ファシズムの時代」を生きた芸術家たちとその作品について、様々な分野の専門家が数回にわたってわかりやすく解説します。古代ローマ、ルネッサンス、バロックの芸術でおなじみのイタリアですが、20世紀前半、特にこの困難な時代の芸術の世界ものぞいてみませんか?

ファシズムの時代、さまざまな芸術形式がプロパガンダの媒体を演じたとき、はたして舞踊はいかなる役目を担ったのでしょうか。あるいは、身体そのものに実践される芸術形式である舞踊は、いかにしてファシズム化されたのでしょうか。 

20世紀初頭のヨーロッパでは、自由な表現によるモダン・ダンスが隆盛し、「踊る身体」は、前世紀に確立された厳密な規律に基づくバレエから解放された新たな表現を試みます。イタリアにおいては、20世紀の舞踊史を牽引するほどの支配的なスタイルは確立されなかったと定義されるのが一般的ですが、イタリア性を象徴する興味深い傾向が同時に見られることが今再考察されています。ファシズム政権下においては、エミール・ジャック=ダルクローズの提唱したリトミックやイサドラ・ダンカンのギリシア文化に着想を得た自由なダンス等、とりわけフランスとドイツ語文化圏に誕生した新しい舞踊形式が輸入され、それらは、いささか歪められたかたちで、体育教育や女性政策における格好の題材として流用されていきます。 

本セミナーでは、ファシズムの時代にみられる舞踊を考察するにあたり、まず、19世紀末のナショナリズムを象徴する「バッロ・グランデ」から、20世紀初頭の、身体の機械化に特徴付けられる未来派の身体概念、ジャンニーナ・チェンシによる「航空ダンス」、アントン・ジュリオ・ブラガリアによる新しいイタリア的舞踊への提言等に触れたうえで、ファシズムにおける「踊る身体」の変容について考えていきたいと思います。

<講師プロフィール>

■横田 さやか(よこた さやか)
慶応義塾大学文学部卒業、東京外国語大学大学院博士後期課程、ボローニャ大学大学院博士課程修了。ロータリー財団奨学金によりミラノ大学へ留学した後、東京外国語大学・ボローニャ大学間に締結された共同指導共同学位授与制度に則し、ボローニャ大学大学院芸術学部に於いて研究活動を行い、両学にて博士号を取得。専門は、イタリア未来派とイタリア20世紀舞踊史。

申込名開催日時間会場参加費備考
S-SF512/13(土)16:30~18:00青山
石川記念
ルーム201
会員2,000終了
受講生3,000
一般