2015年連続文化セミナー 『古代ローマの皇帝たちとそのイメージ』
第2回 ローマ共和政期とアウグストゥス治世の美術作品 ―初代皇帝アウグストゥスによる皇帝美術の創出に着目して―


日本語 文化
古代ローマでは、モニュメント、彫像、碑文などを通じて、皇帝たちは自らのイメージを人々に伝えていました。現在でも、彼らが残した記録物は地中海やヨーロッパ各地で目にすることができます。ローマ皇帝たちは、これらの記録物を通じてどのようなイメージを伝えようとしたのでしょうか。また、皇帝のイメージはどのように利用されたのでしょうか。この全5回の連続セミナーでは「イメージ」を手がかりとして、歴史や美術など様々な立場から古代ローマの皇帝たちの姿を紹介したいと思います。
20150417-1古代ローマ皇帝のイメージと言われて、思い浮かぶのは、おそらくローマに現存するコンスタンティヌスの凱旋門やトラヤヌス記念柱に表現されたハドリアヌスやトラヤヌスなど皇帝の姿でしょう。
 本講座では、皇帝の肖像や美術作品の規範が創り出されたとされるアウグストゥス治世の代表的な作例を特に取り上げ、前後の時代の作例と比較してその性格を把握し、社会背景との関わりに焦点を当てて作品の意味と特徴を考えます。

まず、皇帝のイメージが形成される以前に制作されたローマ共和政期の肖像彫刻や記念碑の話から始め、その時代の作例の特徴を見ていきます。初代皇帝のアウグストゥスの治世になると、共和政期とは異なる特徴を持つ美術作例が創り出されますが、その性格をアラパキスアウグスタエやアウグストゥスの肖像彫刻などの作品に則し、美術と文化・社会背景の関わりからお話しします。最後に、アウグストゥス治世以降に制作されたティベリウスやクラウディウス治世の作品についても少しふれてみたいと思います。

講師紹介:
■坂田 道生(さかた みちお)
千葉商科大学非常勤講師。国際基督教大学教養学部人文科学科卒業、(オランダ)ライデン大学考古学部古典考古学科修士課程修了(M.A.)、筑波大学大学院人間総合科学研究科芸術専攻博士課程修了。博士(芸術学)。専門は古代ローマの皇帝美術、現在はハドリアヌスとトラヤヌス時代の美術作品を調査中。
2015年の連続文化セミナーは、「古代ローマの皇帝たちとそのイメージ」をテーマに、5回シリーズで開催いたします。1回ごとでも、複数回でもお申込みできます。日伊協会会員の方は、第1回から第5回までの全セミナー5回分を一括ご入金の場合、通常10,000円のところ8,000円とさせていただきます。

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受講料:各回とも会員2,000円(5回一括ご入金の場合は、通常10,000円のところ8,000円とさせていただきます)、受講生・一般3,000円
会場:各回とも日伊協会青山教室 石川記念ルーム(201号室)
時間:各回とも18:30~20:00

第1回3月6日(金) 首都ローマのモニュメントから見るローマ皇帝のイメージ
講師:福山佑子(早稲田大学ヨーロッパ文明史研究所招聘研究員)

第3回5月15日(金)アウグストゥスの時代 ―文献史料に見られる理想のローマ皇帝像― 講師:中川亜希(東京大学大学院総合文化研究科学術研究員)

第4回6月19日(金)ローマ皇帝と馬 ―美術作品からの考察―
講師:中西麻澄(東京大学大学院総合文化研究科学術研究員)

第5回7月13日(月)変容するコンスタンティヌス帝 
講師:田中創(東京大学大学院総合文化研究科准教授)

申込名開催日時間会場参加費備考
S-SR24/17(金)18:30–20:00 青山
石川記念
ルーム
201
一般/受講生3,000終了
日伊協会会員2,000