イタリアマンドリン通信 「イタリアの年末年始は大忙し」

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<クリスマスムード満載のミラノ>

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12月に入り、Duomo広場にクリスマスツリーとイルミネーションが点灯されました。

スカラ座では「蝶々夫人」が開幕、初日はTVでライブ中継があり、ミラノでこのライブ放送を見ることが出来る幸運を味わいました。

このオペラの規模の大きさと、主演のソプラノ歌手の方の歌唱力・演技力とも表現出来ない位の素晴らしさで、スカラ座で鑑賞していたら泣いてしまうだろうと思いました。

来年もし席があれば見に行こうと思います。

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デパートのリナシェンテ(Rinascente)のショーウィンドウには、蝶々夫人の衣装と日本の浮世絵・その時代の女性の着物姿などのディスプレイが迫力あり、見て圧倒されました。

ややディフォルメされてはいますが、とても優雅で日本人の私が見ても素敵だと思いました。2016年は日伊国交150年ですから、葛飾北斎展もPalazzo Realeで開催されており、かなりの評判です。

昨夏のExpoから日本ブームは続いており、これからも日本に関するイベントは更に増えそうです。

<クリスマスコンサート>

今月はコンサートが3回もありました。4日ブレーシャ、17日・18日はミラノオーケストラでした。4日のブレーシャでのコンサートは、こじんまりとした教会でしたが、何せ寒い!暖房があると聞いて薄着のドレスにしたのを後悔。。

しかしカーディガンだけは持参したので、なんとか乗り切りました。何人かのメンバー(特にギタリスト)は指が動かなくなるとどうにもならないので、かなり気を使ってました(手袋・カイロ等)。
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今回のコンサートには、オルガネット奏者とソプラノ歌手をゲスト奏者として共演しました。教会の祭壇前でソプラノ歌手の澄み切った美しい声が響き渡り、それは神聖な光景で、演奏しながらその雰囲気に感動し引き込まれました。

オルガネットとの共演では、ピアソラ*のタンゴがピッタリで、マンドリンとクラシックに限らない演奏スタイルもお客様に楽しめたと思います。

ハプニングはただ一人のチェリストがコンサート当日の12月4日のイタリア国民投票の開票作業に駆り出されてしまうことが、コンサート2週間前になって判明、急遽ピンチヒッターのシニアのチェリストとなりました。

しかし、ソロの曲は当日どうしてもオケと息が合わず、結局ソロ中止。。。残念でした。バッハのアヴェマリア、チェロで聴かせたかったです。教会で演奏するとより一層に臨場感溢れる音楽となります。次回1月のコンサートに期待したいです。

女性司会者が素晴らしくコンサートを盛り上げてくださり、聴衆を巻き込んでの展開となり、私達もその波に乗れて気分よく演奏出来ました。聴く側の気分も演奏には大事な要素であるので、舞台と客席との距離を近づけるのは互いに良い音楽を楽しめる結果を生み出します。そういった点で、大成功だったと感じました。

最後はお客様総立ちで、一度バックに戻っても、再度の挨拶を待ってくださり、改めて舞台に戻ると、また嵐のような大拍手でした。アンコールを2つ用意しておいて良かったです。勿論反省点もありますが、とても気分よく演奏を終えることが出来、自分としては気合いを入れて、気持ちを集中して演奏した甲斐がありました。

演奏後は、季節柄パネットーネと温かいレモンティーを頂き、温かい感謝の言葉と笑顔、細やかな暖かいもてなしを受け、自然に自分たちも笑顔になり、とても気持ちの良いものでした。

<クリスマス 南イタリア編>

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親しくしている南イタリアのカゼルタのイタリア人家族から、またクリスマス・フェスタに招待され、行ってきました。

電車を探したところ、イタロ(Italo)**でなんとミラノ-ナポリ往復が€104という割安な切符を発見しすぐ購入しました。さすがに22日から26日は既に完売か数倍の価格しかありませんでしたが。次の日にはもうその席はありませんでした。

日本と違い、イタリアでは前もって予約購入するとかなり安い切符が買えます。日にちにより金額が飛行機のように変わります。キャンセルは出来ませんが、確実な旅程ならかなり格安で電車の旅が可能です。

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日本のお正月のように、24日の夕食の献立用に沢山の食材とワインを買い込み、その準備の大変なこと。今回は、友人の姉の家族との合同の食事会でした。

総勢10名。暖炉に火がともされ、プレゼピオ***も飾ってあり、食事は盛り沢山でした。24日は魚料理と決まっています。よく25日はランチで肉料理。後に続く料理を聞いた上で量を調整しつつ、全部お腹に納めることが出来ました。

南イタリアは家族・親類・友人たちとのクリスマスのお祝いで、日本のお正月の様に挨拶廻りをします。私も毎日大体同行して、久しぶりに会った方達や、初めて会う友人など中身の濃い日程でした。

25日夜は友人の奥様の実家に伺い、そして友人夫婦が式を挙げた教会に立ち寄り、大きいプレゼピオを見学しました。夜明けから日没までを演出してあり、町の人々が家族で見学に訪れていました。日本にはないキリスト教信仰ある国の風景です。

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29日は5年前楽器を購入したことのあるマンドリンとギターの収集家宅を訪問しました。ご病気をされていたそうですが、今はお元気で私の訪問をとても喜んでくれました。

沢山の楽器を色々見せてくださり、5年前に私が気に入って欲しいと言ったとき、「売れない」という返事だった楽器も、私のためにとってあると言われました。あの時、売ってくれたら良かったのに!今は状況が変わったので購入出来ないので。

その夜は、近くの教会主宰のトンボラ(ビンゴ)大会に呼ばれ皆さんと楽しみました。そのあと、ニンニクオイルのスパゲッティと野菜のパイ、ワイン、パネットーネが振る舞われました。

友人はギターとマンドリンを持参してきて、ビンゴの間はずっとカンツォーネナポレターナと民謡を弾いていて、数人の男性がそれに合わせて歌っていました。

食事の後は、私にマンドリンが渡され、何曲かをギター伴奏で弾いて、皆が歌うというシーンになり、即興で弾けて良かったです。皆とても喜んでくれました。もう少しレパートリーを増やしてまた披露したいと思います。

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翌日は、カゼルタの友人の息子さんエマヌエレさんのライブコンサートがあり、少し滞在を延ばして彼の晴れの舞台を見ることが出来ました。

彼は日伊協会主催の「イタリア人大学生のための日本語・日本文化講座2016」に参加し、その際、東京でのホームステイ先として彼を受け入れました。最近彼はカゼルタのジャズのバンドにシンガーとしてスカウトされたのです。

場所はカゼルタでも高級のレストランの一角にあるライブスペースでした。若いお客さんも居ましたが、やや年齢高い大人の来る所らしく、落ち着いたお洒落な雰囲気でした。

バンドのメンバーはほぼ50代以降で、ジャズ・ソウル・ボサノバなどが中心の音楽で、彼がそれまで好きで歌っていたジャンルにほぼ合致しており、大人のミュージシャンの中で堂々とした、ビートの効いた歌いっぷりに脱帽でした。このバンドでは、全て歌とMCを担当していました。立派です!

Bravi!Bis!の大コールの中で、アンコールを2曲披露し、コンサートは盛り上がり、一緒に同行したご両親も、息子さんの晴れ舞台に大喜びでした。今後の彼の歌手として成長、活躍することを期待しつつ、ミラノに戻りました。

<カウントダウンパーティ>

31日は、自宅に近いレストランのカウントダウンパーティに友人から誘われ、沢山のイタリア人に交じって楽しんで来ました。

料理は、前菜・プリモ2皿・セコンド2皿・正月料理の豆料理コテキーノと続き、デザートはパンドーロの生クリームたっぷり、締めはリモンチェッロ。兎も角、このレストランはローカルな雰囲気で気取ってないので、気楽でしたし、中はぎっしりと人々が埋まり、隙間ないレイアウトでした。

食べ・飲み・喋る・歌い・踊るが連続し、お馴染みさんが多く隣り合った人々はにこやかにこの日を楽しみにしていたことがよ~く分かりました。

着飾り方もそれぞれで、とくに熟年女性のドレスアップ度とメイクアップ度は群を抜いておりました。。。

超ミニドレス、露出度満点!気合い入ってましたね!少し見習わないとと思いました。カウントダウンも大合唱とともに、スプマンテが振る舞われ、そのあとは全員がそれぞれ廻りの人々とハグしながらの「Auguri!!!おめでとう」の連続。

興奮が盛り上がったところで、皆で踊り廻るというフィナーレでした。友人は歌うのが好き、その友人は踊るのが好きということで、そんなシーンを見つつお腹も一杯。気分も晴れやかなうちに、2時過ぎとなり、徐々にパーティはお開きとなって行きました。最後まで持ちこたえられて、良かった。。。

数日後、その友人達が毎週出かけるカラオケレストランに「Yumikoの分も予約しておく?」と聞かれ、今後どうなることか・・・

*アストル・ピアソラ(Astor Piazzolla, 1921年3月11日 – 1992年7月4日)アルゼンチンの作曲家
**イタロ(Italo):2012年4月から運行開始した民間鉄道会社による高速列車。トリノ、ミラノ、ヴェネツィア、ボローニャ、フィレンツェ、ローマ、ナポリなどイタリア国内主要都市間を結んでいる。
***プレゼピオ(Presepio)キリスト生誕の場面をテラコッタの人形で再現したもの