イタリアマンドリン通信
<着物に関する講演会><他の生徒のギターレッスンに奮起><和菓子作りに挑戦>

<着物に関する講演会>

前回お茶事稽古でお手伝いした茶道表千家の先生が、着物に関する講演をするというので着物で参加しました。

事の発端は、ある日本文化マニアのイタリア人女性がとんでもない着物の知識を披露して、誤った着物に関するルールをイタリア人達に講演していたことを聞き、正しい説明をせねばと思ったからだそうです。

講演は、先生の以前のお弟子さんの協力で、彼女が経営しているティールームにて開催されました。約2時間という長い講演で、「着物の種類とどんなルール着装するのか、相応しい着付けとは、着物の仕立てや模様・染や織の説明」など盛り沢山でした。最後にはお弟子さんモデルに着付け実演もありました。

先生はある程度お茶の稽古が進んだ時に、お弟子さんに出来れば着物でお稽古をしてほしいと言った時に、その彼女はこう答えたそうです。「どうしてお茶のお稽古に、着物を着てお洒落をしなくてはならないのか?」先生は何故着物着用の意味があるのかを、幾度も説明したそうですが、理解はしてくれなかったそうです。決して洋服のドレスコードのようにお洒落をするためではなく、茶室でのその振る舞いには必要なことを。

今回先生は、ある日本の諺を引用して説明をイタリア語で書いて説明したのです。「外見は内面を移す鏡である」、つまり外見は内面の一部で、その人の思想や価値観を表すものであると。

(ネットより引用)
茶道とは、「茶をたてる作法により精神を修養する」という千利休が大成した着想です。相手を持て成すの心、持て成される心を育てる事も大切な要素として考えられています。亭主役(持て成し役)は、客に対して敬意を持ってお茶を立て持て成すのです。その心得には正式には着物でということになります。伝統にのっとった着装でお客様を迎え持て成すためのものだと。決して自分を美しく見せるためではなく。確かに亭主役の振る舞いには、着物着装を想定した所作になっています。当然、季節感も想定した着物で柄・色も限られます。

約30人位のスペースで立ち見もあり、予約希望者殺到の講演でした。キャンセル待ちの方々も大勢だったそうです。日本文化・食が広まりブームとなってますが、このように少しづつでも正しい知識を知らせる活動も必要だと思いました。かなり複雑で難しいとは感じましたが。また、次回も企画するそうです。

<他の生徒のギターレッスンに奮起>

ギター始めて早4年が経ちました。ある日レッスン待っている時に、先生とある生徒のレッスン時の演奏音が聴こえ、ドアに耳をあてると1年以上前にレッスンした私のお気に入りの曲で、思わず聴き入ってしまいました。その演奏はまだ初心者レベルのようでしたが、丁寧で正確かつ綺麗な音でどんな生徒か想像してしまいました。

そのレッスンが終わりドアが開いたので、中に入ると若い女生徒(15歳)でした。私が先生に彼女の事を幾つか質問しましたら、まだギター始めて短いのに彼女はとてもブラーバと答えました。

その時、私は最近自分の練習がマンネリしている事にハッと気付き、自身の怠慢をとっさに反省しました。先生が余り厳しくないことをいいことに甘えていた自分が居ました。矢張り何年か続けていると、どういう練習が良いのかを余り考えずにただ楽譜を読みながら、間違えない様に弾くと言う単純な練習になっていました。

それから、楽譜を良く読み、メロディを考えながら音を意識する練習を始めました。若い彼女との年齢差はどうしようもないですが、時には聴講レッスンも必要だと思いました。

<和菓子作りに挑戦>

ある日曜日朝早く友人達とハイキングに行き、1人の仲間が茶道の先生で、翌日のお稽古のお菓子を作るので早めにミラノに戻るとの事でした。

ハイキングは順調で疲れもなかったので、私もお手伝いを勝手出て一緒に作ることになりました。

和菓子はなんと「練り切り」で、本格的に作ると聞き益々興味が沸きました。外側の練り餡、中の漉し餡とつなぎの求肥は事前に作って冷凍してあり、まず混ぜ込むことからスタート。レンジで温めを2回して丁度良い粘り気が出た所で色付けして丸めて形付けました。

4月ですから桜の花ということで、難しいのはそれらしい花びらにすることでした。教えて頂きながら大半を私が仕上げました。

そして、お薄も頂き満足。先生からは和菓子の頂き方も教わりました。上品な味と我ながらうっとりする出来栄えで、充実した一日でした。

5月には菖蒲の花をイメージした練り切りだそうで、また弟子入りする予定です。日本に居た時は、簡単に味わえる和菓子でそれほど興味ありませんでしたが、ここイタリアで中々材料揃わない中で、工夫して作ることに意義を感じ始め、練り切りは高度レベルですが、きな粉餅や苺大福なら出来そうなので試そうかと思います。