・旅行&留学セミナー2014秋 「Tutta Bologna」ご報告

DSC00982春と秋に恒例となりました日伊協会主催の旅行&留学セミナー、今回は「食い倒れの町」ボローニャがテーマです。

ボローニャからは語学学校Cultura Italianaの校長マッシモさんが、仕事ではなく大好きな日本に”バカンス”として来日され、それならばと二国間の文化交流イベントが実現したことがきっかけとなりました。イタリアから沢山のパルミジャーノやハム、バルサミコを持参され、楽しい会話と美味しい試食で和やかな会でした。

第一部『イタリア留学って?』

イタリア留学と一言でいっても、その内容は十人十色です。
まずは大まかな留学のスタイルから、イタリアでの生活のイメージをホームスティの写真等とともにご紹介しました。
留学は「暮らす」こと、です。
何も決まっていなくても全然かまいませんので、まずは「こうしたい」という希望をまとめて是非ご相談にお越しいただけることをお待ちしております。

また、今後も留学に関してガイダンスは継続して行う予定です。
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第二部『ボローニャから行くおすすめの小さな町』

Tutta Italia㈱ワールドエアサービスの青木さんより、ボローニャを基点に、日帰りや週末を使って訪ねることのできるおすすめの小さな町を紹介していただきました。モザイクで有名なラヴェンナ、ヴェルディ等の音楽とパルミジャーノ等の食でも有名なパルマ、バルサミコ酢で有名なモデナはフェラーリの聖地としても有名である事、など食と歴史に触れながら沢山の写真と共に語っていただきました。

第三部『ボローニャ ~美味しいもの探しの旅~』

DSC00994バカンスとして大好きな日本に来たマッシモ校長が、ボローニャ人として食を中心にその魅力を語ってくださいました。

彼のイタリア語はとてもゆっくりでわかりやすく、イタリア語を勉強中の方にとって、とても有意義だったのではないでしょうか。通訳は日伊協会の通訳養成コースの生徒さんが日頃の成果を披露してくれました。

マッシモ校長がいつも言う「押し寄せる観光客から離れた町」の魅力を、食を中心に沢山の写真と共に紹介していただきました。
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一通り食の話を聞いた後は、実際に試食です。
イタリアから持参したモルタデッラ、生ハム、パルミジャーノとバルサミコ酢に、日伊協会からはワインを提供しました

試食の合間には、参加した方から「そのバルサミコ酢は何年物ですか?」といった質問が出たり、また昨年Cultura Italianaの料理コースに参加したスタッフからもその体験談が語られ、美味しく楽しいひと時はあっという間に過ぎていきました。

11月にはそれに続くセミナーとして、
・11/5(水)旅行&留学セミナー2014秋 ローマ「トッレ・ディ・バベレ」エンツォ校長体験レッスン!
・11/6(木)旅行&留学セミナー2014秋 Tutta Milano!
・11/12(水)「Tutta Umbria!」を予定しております。

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日伊協会同時通訳付き特別セミナー『マルケ州の魅力―マルケ州はなぜ複数形なのか』ご報告

マルケ13去る9月13日(土)の午後、約40名のご参加を頂き、第5回目となる同時通訳付き特別セミナーを開催いたしました。このセミナーでは、毎回、日伊協会のイタリア人講師がスピーカーを勤め、日頃、日伊協会のプロ養成講座の同時通訳コースで修練を積んでいる生徒さんたちが同時通訳を行います。会場は、青山教室の201号室。この教室には、本格的な同時通訳ブースが完備されており、同時通訳の授業の他、今回のような同時通訳付きセミナーや会議にも使用されています。

さて、今回のセミナーのテーマは、『マルケ州の魅力―マルケ州はなぜ複数形なのか』。スピーカーは、NHKイタリア語講座でもご活躍中のマルケ州アンコーナ出身のアンドレア・フィオレッティ先生です。イタリア語を学んでいらっしゃる方なら“Le Marche sono una regione italiana.”という文章の文法的矛盾がお分かりになると思います。そう、マルケは1つの州(単数形)なのに、主語も動詞も複数形になっています。なぜマルケ州は複数形なのでしょう? “Marche”の単数形“Marca”は、ドイツ語の“mark”、すなわち「境界の土地、辺境領」が語源になっています。その名のとおり、19世紀にイタリア王国に統合されるまでは、マルケはいくつもの領土に分かれていたのです。セミナーでは、この“Marche”という言葉に表されているマルケ州の「多様性」について、歴史、地理、芸術、料理など多方面から、たくさんの映像とともにお話しいただきました。

日本では、まだまだ馴染みの薄いマルケ州ですが、ルネッサンス期の巨匠ブラマンテやラッファエッロ、また作曲家ロッシーニを輩出し、地理的にも、風光明媚な海岸線と中世都市がそのままの姿で丘の上にそびえたつ丘陵地帯を併せ持つ、とても魅力的な土地なのです。

アンコーナやウルビーノなどの主要都市はもとより、地方都市にしても、例えば、毎年夏にオペラフェスティバルが開催される大変美しい野外劇場を有するマチェラータ、中世時代から製紙業で栄え、今もユーロ紙幣を印刷している工場があるファブリアーノなど、興味深い街がたくさんあります。マルケ11

最後は、美味しそうなスライドとともに紹介された郷土料理のお話で会場も一気に盛り上がりました。

約1時間のセミナーのあとは質疑応答、回を重ねる毎に上達されている同時通訳者の皆さんの実力が遺憾なく発揮されていました。

セミナー後の懇親会では、アンドレア先生の周りには常に人垣が!みなさん、楽しそうにご歓談されていらっしゃいました。

今後も継続して企画して参りますので、次回もどうぞご期待ください!

『イタリアンポップスセミナー』ご報告

去る7月26日(土)の午後、2回目となる『イタリアンポップスセミナー』を開催したしました。
この日は30℃を軽く超える猛暑日だったにもかかわらず、おかげさまで満席となり、みなさま冷たいドリンクを飲みながらリラックスモードでご参加いただきました。

Exif_JPEG_PICTURE昨年のちょうど今頃、イタリアンポップスのダイジェストをご紹介したセミナーを開催しましたが、その際、参加者のみなさまからぜひ第2弾を!という多数のリクエストを頂き、今回のセミナーの実現となりました。
講師は、前回同様、イタリアンポップスのエキスパート、磐佐良雄氏。磐佐さんは、日本で唯一のイタリア音楽の専門誌「ムジカ・ヴィータ・イタリア」の編集長であり、約10年にわたり、イタリア音楽の愛好会「ピッコラ・ラディオ・イタリア」を運営していらっしゃいます。日伊協会会報誌『クロナカ』にもイタリアン・ポップスの記事を連載中です。

そんな彼に、今回は、「“真のイタリア”を観て・聴いて・体感しよう!」と題して、新旧のバラエティに富んだ歌手とその曲について秘蔵映像を交えながら2時間たっぷりお話いただきました。

Exif_JPEG_PICTUREまずは、イタリアンポップスを代表するディーヴァたちの登場です。現在トップクラスの歌唱力と人気を誇るGiorgia、そして日本のカンツォーネ・ブームの中心的存在、Gigliola Cinquetti。この2人は今秋開講の日伊協会イタリア語講座「 イタリアン・ポップスを楽しもう【中級】」でも取り上げます。特にGigliola Cinquettiは、16歳でのデビュー当時の初々しい映像と2年前(65歳)のときのライヴの様子が紹介され、今も変わらず活躍し続けている姿に感嘆しました。
つづいて、現代イタリアで一番の国際的知名度を誇るLaura Pausini。音楽活動20周年を迎えた彼女の活動を数々のヒット曲で振り返りました。

次に紹介されたのは、1967年のサンレモ音楽祭中に自殺し、28歳の短い生涯を終えた伝説のカンタウトーレLuigi Tenco。皮肉にも死後再評価される彼の歌は、知的で美しい詩で知られ、イタリア語の文法の学習にも最適です。途中、複文や様々な時制が頻出する詩を題材にミニ文法講座も展開され、イタリアンポップスの訳詩を数多く手がけていらっしゃる磐佐さんならではのセミナー内容となりました。前出の2人のディーヴァ同様、彼も今秋の「 イタリアン・ポップスを楽しもう【中級】」講座で取り上げます。

DSC00273そのLuigi Tencoに代表される「ジェノヴァ派カンタウトーレ」として、Bruno Lausi、Umberto Bindi、Gino Paoliも紹介されました。「ジェノヴァ派カンタウトーレ」とは、1960年代のイタリア音楽界に新風を吹き込んだシンガーソングライター(イタリア語でカンタウトーレ)たち。港町であり、反逆精神旺盛で新興勢力が生まれやすい土地柄のジェノヴァは、外国の歌も入って来やすく、彼らの作る曲は当時の他の歌とは一線を画していました。

最後は、ジェノヴァ派カンタウトーレに留まらず、現代イタリア音楽の巨頭のひとりと目されるFabrizio De André。常に庶民的視点を持ち、娼婦など社会的マイノリティに捧げた作品を数多く発表しています。また、地中海全域の民族楽器をふんだんに使用し「地中海音楽」に根ざした曲も精力的に発表しています。セミナーで紹介された全編ジェノヴァ方言で歌われている“Creuza de mä”は、歌詞はわからなくても音楽を聴いているだけで地中海の風を感じ取れる曲でした。彼は15年前に亡くなりましたが、イタリアでは今でも老若男女誰もが知る超有名歌手です。残念ながら日本での知名度は高くありませんが、彼の楽曲のひとつ“Il pescatore”は中国語でもカバーされているほど、海外でも知られています。音楽界に限ったことではありませんが、「日本に入ってくるものはアメリカのフィルターが通されている」という磐佐さんの言葉が印象的でした。受身的に情報を得るだけでなく、インターネットなどを通して直接イタリアのメディアにアクセスすれば、リアルなイタリア音楽の世界をより身近に感じることができるでしょう。生のイタリア音楽界の情報満載の今回のセミナーもそういった意味でとても貴重な機会でした。

Exif_JPEG_PICTUREセミナー後には神保町にあるイタリア音楽の専門店「タクト」さんのCD販売もあり、巷のCDショップではなかなか見つけることのできないレアなCDも購入することができました。
アンケートでは、ぜひ第3弾も!というリクエストをたくさんいただきました。次回もどうぞご期待ください!

最後になりましたが、暑い中ご参加いただいた受講生のみなさま、講師の磐佐さん、「タクト」のスタッフのみなさま、どうもありがとうございました。

『もっと気軽にバルサミコ』 ご報告

Exif_JPEG_PICTUREこれまでにも「生ハム」「パルミジャーノ」などさまざまなイタリア食材を取り上げてきた食のセミナー、今回は知っているようで実はまだ使いこなせていない方も多い”バルサミコ酢”をテーマにしました。

お話いただいたのは、駒場にあるイタリア食材専門店”Piatti”を主催する岡田さんです。Piattiはハムもチーズも切りたてを販売する、まさにイタリアのAlimentari(食料品店)です。

買っては見たものの、期せずして自宅で数年間”熟成”してしまっているバルサミコ、皆さんのお宅にもありませんか?今回のセミナーでは、千円を切るような安価なものから数万もしくはそれ以上のものまで、すべてが”バルサミコ酢”として販売されているのは何故?といった疑問から、まず”バルサミコ酢”の歴史、製法、種類、法的なお話などを資料をもとに伺いました。
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現在一般に流通しているものとしては、料理でも気軽に大量に投入できる、いわゆる”シャバッ”としたタイプと、12年熟成以上の”伝統的”と名のつく厳格で崇高な”トロッ”としたタイプに別れ、食し方によって上手に使い分けていくことになります。

セミナーでは、まずはスプーンに別々に用意された、”シャバッ”と”トロッ”のバルサミコ酢をそのまま召し上がっていただき、その違いを味わっていただきました。

また、ちょっと贅沢に切り立てのパルミジャーノの上にバルサミコのジュレを乗せての試食もありました。これはそのままワインのお供にしても最高ですね。(いずれもPiattiにて購入可能)

バルサミコ自体は”お酢”ですので、開封後は冷蔵庫に入れる必要はないとのこと。もし自家熟成してしまい固まってしまっても、お湯で溶かしてソースに入れてしまうなど活用する事には問題ないそうです。

基本の味を理解いただいた後は、イタリア家庭料理研究家の山中律子さんによるバルサミコを使ったレシピのご試食です。

Exif_JPEG_PICTURE当日ご用意いただいたのは、
①タマネギとズッキーニのフリッタータ
②鶏のバルサミコ風味ラグー
③豚ヒレ肉をソテーしてバルサミコをかけたもの
の3種類。
そのまま食卓で「バルサミコの夕べ」が出来るほどのフルコースのレシピです。

ラグーソースの中身と豚肉のソテーには”シャバッ”としたバルサミコを大量に入れて香りを楽しみ、その後”トロッ”としたバルサミコを上からかけて更なる風味をだす至極の数々を堪能しました。

Exif_JPEG_PICTURE気軽な会ということで、セミナー開始からカンパリソーダを片手に参加していただいた参加者の方からも、保存方法や期限についてなど質問もたくさんいただき、和やかな会となりました。

最後はバルサミコ酢やパルミジャーノ、生ハムなども販売し、多くの方にお求めいただきました。ご自宅でも早速レシピを実践していただけたことと思います。

秋にはパルミジャーノのセミナーも予定しております。

詳細は決まり次第HPでもご案内いたします。

イタリアの大きな文化の一つ「食」、美味しく楽しいセミナーをこれからも企画して参りますのでご期待下さい。

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連続文化セミナー「ファシズムと芸術」
第3回ファシズム期の建築家たち ―ムッソリーニとイタリア合理主義建築家(報告)

facism3-3連続文化講座『ファシズムと芸術』シリーズ第3回は、6月28日(土)に、建築家、大学非常勤講師の北川佳子先生に、「ファシズム期の建築家たち ―ムッソリーニとイタリア合理主義建築家」と題してお話をしていただきました。(18名参加)

ファシズム期のイタリアでは、数多くの公共建築が作られ、また都市も改造されました。ムッソリーニは建築によって国民を教化できると考え、建築の潜在的な力を理解し利用しました。まず、ムッソリーニが熱心に取り組んだローマの都市改造を取り上げられました。コンチリアツィオーネ通り、海の道、帝国の道など、街区を取り壊してのインフラ整備を進め、またローマ・ラ・サピエンツァ大学やE42(1942年に開催が予定された万博―第2次大戦のため中止―に向けて建設、後にEURと呼ばれた)のような新都市開発、また郵便局や駅舎などの公共建築も多く建設されました。「第3のローマ」の偉大性を具現化し、大空間、大柱廊、アーチなどを多用し、装飾を省いた簡素な様式建築を目指しました。

facism3-4ところで、1920年代は、ヨーロッパの他の国々の近代建築運動に影響を受けた若手建築家たちが「イタリア合理主義」と呼ばれる建築運動を開始した時期でもありましたし、ムッソリーニもこれらの若手建築家を積極的に登用しました。後半では、このイタリア合理主義建築家たちがファシスト体制においてどのように近代運動を進めていったかが紹介されました。グルッポ7の活動や2回にわたるイタリア合理主義建築展、G.テッラーニの作品紹介など。しかし、合理主義建築家の目指すものと体制の求めるものには微妙な相違があり、一方で、政府主催の公共建築設計競技参加によって迎合したデザインになり運動が変容し、E.ベルシコのように合理主義建築家たちが体制に迎合している状況を憂慮し、「イタリア合理主義は死んだ。」との批評も現れました。

facism3-2<講師プロフィール>
■北川 佳子(きたがわ けいこ)
建築家、大学非常勤講師。早稲田大学大学院博士後期課程単位取得満期退学、博士(工学)。イタリア政府給費生としてミラノ工科大学に留学。早稲田大学で専任助手、建築設計事務所勤務の後、独立。現在は建築設計と並行してイタリア近現代建築史および西洋都市論の研究を行っている。
著書:『イタリア合理主義』(2009年、鹿島出版会)

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第3回 日伊文化交流「初夏のフェスタ2014」ご報告

毎年恒例となった日伊協会主催「日伊文化交流フェスタ」の第3回として、去る6月7日、東京・九段のイタリア文化会館において、「初夏のフェスタ2014」(共催:イタリア文化会館、後援:在日イタリア商工会議所、協賛:ターキッシュ エアラインズ)を開催いたしました。
当日は、約260人の方々の参加をいただきました。

2015年ミラノ国際博覧会日本政府代表 加藤辰也氏

第1部の前半は、来年5月1日から10月31日まで、ミラノで開催される万博と、その中の日本館の紹介。

プロモーションビデオを視聴したのちに、2015年ミラノ国際博覧会日本政府代表 加藤辰也氏による概要の説明がありました。

第1部の後半は、クラシック×ポップスのボーカルグループ、エスコルタ(ESCOLTA)のコンサート。
メンバー3人の美しいハーモニーと楽しいおしゃべりに、会場の興奮は一気に高まりました。

エスコルタのコンサート

第2部はラッフル(くじ付き募金券)抽選会。ターキッシュ エアラインズのご提供による日本・イタリア往復ペア航空券(ビジネスクラス)をはじめ、数多くの景品のご提供を受け、参加者は大いに楽しむことができました。

往復航空券当選!弦間会長からラッフル景品のプレゼント

この募金は、日本からイタリアへの文化発信事業に助成する「日本文化奨励基金」を拡充することを目的としています。

今年の夏も、イタリア人大学生に対する「日本語・日本文化夏期講座」に助成をする予定でおり、会場では昨年の講座の様子がビデオで放映されました。
おかげさまで、今回もみなさまの暖かいご支援をいただき、468枚の売上がありました。

そして、蒲谷理事のピアノと歌唱指導により、出席者全員が歌うナポリ民謡『サンタ・ルチア』で第2部はお開き。
第3部では、イタリア料理とワインを楽しみながら、歓談の時間となりました。

蒲谷理事の歌唱指導全員で歌った「サンタ・ルチア」
最後になりましたが、ご参加くださった方々に、改めて御礼を申し上げるとともに、今回の企画に協力をいただいた、以下の企業・個人に深く御礼を申し上げます(敬称略)

ターキッシュ エアラインズ、株式会社資生堂、ヴァンジ美術館、小田原城カントリー倶楽部、株式会社ワーナーミュージック・ジャパン、株式会社サンリオ、フランチェスコ・フォルミコーニ、Caruso 遠藤美紀子、英正道、篠利幸、豊田正明、島商株式会社、長崎日伊協会、仙台日伊協会、北海道日伊協会、名古屋日伊協会、北村憲雄、ハツヤレイコ、リストランテ文流、株式会社フォルトゥーナ(バール・デルソーレ)、バリラジャパン株式会社、株式会社ワールドエアーサービス、群馬県甘楽町、有限会社アビコ、有限会社アルコトレードトラスト、株式会社ヴィーノ・フェリーチェ、オッジ株式会社、日欧商事株式会社、パラディーゾ・ジャパン株式会社、株式会社モリス商会、株式会社ワイン・ウエイヴ、日本リカー株式会社

連続文化講座『ファシズムと芸術』ご報告

nishimura第2回 ファシズムと映画 ― チネチッタ撮影所物語

連続文化講座『ファシズムと芸術』シリーズ第2回は、5月24日(土)に、東京工芸大学の西村安弘先生に、「ファシズムと映画 ― チネチッタ撮影所物語」と題してお話をしていただきました。(24名参加)

ベニート・ムッソリーニは、1936年には「映画は最強の武器だ。」と語り、映画をファシズムのプロパガンダの武器として活用する意欲を見せたが、その数年後には、「映画とは何か?」と問われ、「私にとって、映画は二つの範疇に分けられる。観客がどのように終わるのかと自問する映画と、同じ観客がいつ終わるのかと自問する映画である。」といかにも凡庸な答えしかしなかった。1922年から1943年までのファシスト政権下におけるムッソリーニの映画政策は、プロパガンダと娯楽の両面を含んだ一貫性に欠けるものだったといえる。

しかし、後になって振り返ってみると、1935年の映画実験センター(現在の国立映画学校)及び1937年のチネチッタ撮影所の開設は、人材育成とインフラ整備の点から、戦後のネオレアリズモに始まるイタリア映画の黄金時代を招来した大きな原動力となったことが分かる。

cinecittaとりわけ、22棟のスタジオを擁したヨーロッパ最大級のチネチッタ撮影所は、イタリア映画の発信地としてのみならず、1950年代から60年代には<テーヴェレ川のハリウッド>として、『ローマの休日』(1953)や『ベン・ハー』(1959)を初めとするアメリカ映画の製作拠点ともなり、近年は日本映画『テルマエ・ロマエ』(2012)の撮影にも使用された。セミナーでは、実際の映画からチネチッタ撮影所での撮影風景を見、その歴史(1937年から2013年までのチネチッタ撮影所で製作された主な映画のリストが示された。)を遡りながら、ファシズム政権における映画政策と作品について話された。

まず、フェデリコ・フェッリーニの『インテルビスタ』(1987)やアレッサンドロ・ブラゼッティ監督がチネチッタで撮影した『ファビオラ』(1947)及び『鉄の王冠』(1940)を見た。次に「ポピュリスト喜劇(否定的なニュアンスはない)」の代表例としてマリオ・カメリーニ監督の『百貨店』(1939)により当時のイタリア人の生活ぶりを見た。

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第9回「BUONA FORCHETTAの会」ご報告

5月9日、BUONA FORCHETTAの会が北参道(代々木)の「ボガマリ・クチーナ・マリナーラ」で開催されました。

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「ボガマリ」とは、サルデーニャ島北西部のアルゲーロ方言で「ウニ(雲丹)」の意味とのこと。

その名前からもわかるように、料理はすべて海の幸。
それに野菜をプラスした前菜、パスタ、メイン料理を堪能しました。

昨年秋の開店以来、数多くのメディアで紹介された有名店ということもあって、定員の20名は募集直後に満員となりました。

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上左の写真は海の幸の盛り合わせ。さらに、パスタ、メインのマグロ料理と進んでいくとともに、それぞれの魚介料理に合うワインもいろいろと紹介していただき、会は非常な盛り上がりをみせていきました。

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オーナー店長の布上さんには、限られた予算のなかで素晴らしい料理を提供していただき、大変お世話になりました。
ありがとうございます。

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一方、今回の募集では、定員が少なかったこともあり、参加を希望したものの、ご期待に添えなかった方が多くいらっしゃったことに対して、深くお詫びをいたします。

布上さんと相談の上、今回参加できなかった方を対象に、日を改めて再度「ボガマリ・クチーナ・マリナーラ」でBUONA FORCHETTAの会を開催する予定でおります。

詳細が決まりましたら、会員通信、当ホームページで告知いたします。ぜひともお見逃しなきよう、よろしくお願いします。

 

第3回「楽しいブッフェ交歓会」ご報告

「とても楽しかった」 「料理がたいへん美味しかった」 「コストパフォーマンス抜群!」
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去る4月22日に開かれた第3回「楽しいブッフェ交歓会」が終わって、出口でお見送りした時、参加者の方々が口々に云ってくださったご感想でした。

第3回を迎えた楽しいブッフェ交換会は、これまでの実績を大幅に上回る125名の参加を得て、大盛況のうちに無事終えることができました。

今回の会場は南麻布に昨年10月開店したアンテイキ・サポーリ。
知る人ぞ知る、世界の食通が注目する南イタリア プーリア州の小さな村のオステリアANNTICHI SAPORI が本店の雰囲気そのままにオープンしたのです。
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インテリアの部材一つ一つがプーリアから持ち込まれたという凝りよう。
そして料理は、イタリア料理コンテストの優勝経験を持つ料理長山崎大輔さんが、プーリアの本店でみっちり積んだ経験を生かした本場プーリアの味。
前菜が入れ替わり立ち代わり10種類も出てくる独特のおもてなしに、皆さんすっかりご満悦でした。

今回は、ゲストにポップスからクラシカルまで様々なジャンルを自由に歌いこなすヴォーカリスト
結城安浩さんの特別参加を得て、陽気なカンツオーネからしっとりとした自身のオリジナル曲まで
食後のドルチェを味わいながら楽しい時間を過ごしました。
ゲストの結城安浩さん

アリタリアのグッズの当たる抽選会をはさんで、最後の恒例の全員合唱は今回は曲目を代えてサンタ・ルチアで盛り上がりました。

日伊協会の法人会員ミキインターナショナル社のご好意により、同社の新しい戦略店舗アンティキ・サポーリとのタイアップで実現した特別の夜でした。

留学セミナー「ふらっとローマ」ご報告

sawada1街を知り、留学生活の実際が分かる留学セミナー、今回は「ふらっ!とローマ」と題して、第1弾「観光編」3月29日(土)、第2弾「留学編」4月3日(木)の2回にわたり、開催されました。講師を務めてくれたのは澤田 恵子さん。ローマの語学学校「トッレ・ディ・バベレ」の日本人アシスタントとして、ローマの現地事情に精通するエキスパートです。

第一回目は観光編。ローマで長年生活されていたロマニスタの観点から、ローマの主要観光スポットのみならず、旅行ガイドブックには紹介されていないローマをご紹介いただきました。

まずはローマの起源である双子の兄弟の神話の舞台から始まり、チェステオ橋を渡り、テベレ川の中洲チベリーナ島へ、ファブリッチオ橋を渡り、エスタロマーナが開催される舞台へ。ユダヤ人地区を越え、真実の口からパラティーノの丘、チルクマッシモ、アヴェンティーノの丘、コロッセオへ。沢田さんの話はどんどんテンポアップしていきます。

sawada2フォロ・ロマーノ、カンピドッリオの丘、ビクトリアエマニュエル二世記念堂からカンポ・ディ・フィオーリの市場やナボーナ広場、そしてパンテオン、スペイン広場、サンタンジェロ城、バチカン、トレヴィの泉、サンタマリア・マッジョーレ教会へ。澤田さんの機関銃のような軽快な説明に、ベスタに乗ってローマの街を疾走しているような気分になります。そしてついに話題は、ローマの中心街を離れ、ムッソリーニが建造させたというエウルやローマ郊外ジェンツァーノの花の祭典「インフィオラータ」まで発展していきました。

時折、思いっきり脱線して、ローマっ子ならではの生活の楽しみ方を紹介されたのも楽しいお話しでした。例えば観光客が駆け足で通り過ぎてしまうナボーナ広場は、昼と夜で全く違う様子がスライドで紹介され、クリスマスシーズンには子どもの為のメリーゴーランドが設置されたり、プレセーペ(キリスト生誕の厩のフィギア)がすべての教会の入り口に飾られたり、広場の屋台で売られている話やローマで一番美味しいコーヒーを飲ませてくれるバール、紅茶の店、ジェラテリア、映画「ローマの休日」のグレゴリー・ペックのアパートの場所、ソフィアローレンが住んでいた家など、ローマに長く住んでいないと分からない楽しい話題で満載でした。

sawada3第二回目は留学に対する心構えと様々な実践的知識をご紹介いただきました。旅行とは違う留学、まずはその土地に馴染むことが必要。空間のイメージを持てば行動範囲が広くなり、コミュニケーション内容が広がり、質が高くなり、留学の成果もあがるとのこと。今回も澤田さんの話はローマの街に繰り出したくなるような楽しいお話と実践的知識のオンパレードでした。例えばイタリアの鍵事情、洗濯機の使い方、空港からの乗り物の利用法、ローマのバスや地下鉄の乗り方、得する切符の買い方、「ながらスマホ」は厳禁!等々。ローマの語学学校の日本人アシスタントとして、現地の多くの日本人事情に精通する澤田さんならではのアドバイスやノウハウで、あっという間の一時間でした。セミナー終了後も、参加者とのコミュニケーションを深め、大いに盛り上がったセミナーでした。

日伊協会では今後も留学される方の参考になるような話題を、セミナーやイベントの形式でこれからもどんどんご紹介していこうと考えておりますので、皆様の積極的なご参加をお待ちしております。

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IFAパスタスペシャリスト養成講座体験ミニセミナー ご報告

pasta1-1IFAイタリアフード協会とのコラボ企画の第二弾は「パスタ」。
今回の講師はイタリアパスタメーカーの日本法人に勤務される堀込 玲さん。ミラノに4年間駐在し、現在もパスタの製造・生産から流通、そして飲食の現場まで幅広く精通されているパスタスペシャリストの第一人者です。

今回はIFAパスタスペシャリスト養成講座のご紹介を兼ねた体験ミニセミナーとして、タイトルは「美味しいパスタをつくる3つのコツ!」。出汁とうまみの①味付けの基本、旬の②食材の基本、そして茹で方、水と油の使用方法に関する③調理の基本の3つのコツについてご説明頂きました。

出汁に関しては、パンチェッタ、ベーコン、生ハム、サラミ、ひき肉といった肉ダシ、アンチョビ、貝、ツナ、アサリの魚ダシ、トマト、タマネギ、ポルチーニ茸、ソフリット、にんにくの野菜ダシの各々について調理法に関するご紹介がありました。

食材に関しては、個々の食材をどのように組み合わせるのか、またパスタをコースの中のプリモ・ピアットの位置づけとして食べる意味(menu completo)についての言及もしていただきました。

pasta1-2最後に茹で方ですが、これまで定説であった黄金比率(1×10×100:1リットルの水に10グラムの塩で100グラムのパスタを茹でる)が、現代的な調理方法ではその比率が塩分控え目に変化し、1×7×100になっていることや、パスタソースとの塩分濃度を計算して、どのような味付けがよいのか、沸騰の仕方、塩投入による反応やどの程度茹でたらよいか、ソースの絡ませ方、茹で汁、オイルの使い方等を、科学的かつ実際的な現場体験を踏まえたご説明をしていただけました。

今回は1時間の体験ミニセミナーでしたが、今春始まる予定の本講座では、今回ご紹介できなかったこの他のパスタ研究とその実践に関するかなり具体的で役に立つお話が聞けそうです。イタリア料理に興味がある方、専門的に勉強したい方、実際に飲食に携わっている方も含めて、満足していただける内容になりそうです。間もなく講座日程が決定しますので、是非ともご参加下さい。

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第65回談話会「日本近・現代文化に記されたイタリアの軌跡」 ご報告

今回の談話会は、昨年イタリア文化会館東京館長に就任されたジョルジョ・アミトラーノ氏を講師にお招きし、3月29日三笠会館にて、40名が参加して開催されました。

イタリアの情報がまだあまりなかった時代に作品中にイタリア人の名前を用いた宮沢賢治のお話、イタリアの景色よりも人間に興味を抱いたという須賀敦子との交流のお話、またシークレットゲストとしていらしたよしもとぱななさんを前にして、彼女の小説の話など、興味深いお話がたくさん伺えました。

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体験ミニセミナー I FAオリーブスペシャリスト養成講座 報告

20140324-1IFAイタリアフード協会とのコラボ企画の第一弾「IFAオリーブスペシャリスト養成講座」開講に先立ち、3月24日(月)に体験ミニセミナーが行われました。講師は日本オリーブオイルテイスター協会代表で、数々の講演や執筆活動をされている長友姫世さん(昼の部)とAISO認定オリーブオイルソムリエの大石知子さん(夜の部)です。講演内容はイタリアオリーブの特徴やオリーブオイルの種類、その精製法に至るまで、知っていそうで知らないオリーブオイルの奥の深さを実感する講座となりました。

まずは原料となるオリーブの品種、それもイタリアとスペインのオリーブの違いは驚きの連続でした。オリーブの品種は世界中で1,300種も存在しますが、イタリアが土着品種世界一、凡そ半分の600もの原生種があること、そして搾油場の数も圧倒的に多い。それに対してスペインはオリーブ栽培面積で第一位なのですが、原生種で300程度、実際に栽培されているのは片手の数ほどでほとんど生産量を占めるとのこと。栽培方法もイタリアが6メートル間隔でオリーブの木を植え、風通しのいいところで栽培されているので、何百年も前の木からオリーブが収穫出来、「イタリアではオリーブの木は死なない」と呼ばれているのに対して、スペインではもっと狭い間隔で棚のような形で超密集栽培と呼ばれる方法を採用しており、風通しが悪いので(もちろんそうならないような努力をしているのですが)病害虫が発生する可能性が高くなり、15年から20年でオリーブの木を伐採し、新しい木を植え替えています。ここは大きな違いと言えるでしょう。

それには理由があります。即ち、スペインでは広い土地に大量栽培に適した品種を機械を使って剪定や収穫しているの対し、イタリアは丘陵地が多く、機械が入り込めないような土地にオリーブを栽培せざるを得ないこと、原生種が多いということは、それぞれの土地にそれぞれの品種があり、生産農家の規模が小さいということ。その結果、イタリア農家では人件費や手間がかかり、どうしてもコスト高になってしまいます。従ってそこから生み出されるイタリアのオリーブオイルは(価格競争では勝負できないので)、品質での差別化を図らないと生き残れない、その為に最先端の技術をいち早く取り入れた農法で、それぞれの土地でそこに根ざした栽培をしているということになります。もちろんこれはあくまで一般論であり、すべての農家がそうだという訳ではありませんし、イタリアがよくてスペインが悪いという意味でももちろんありません。20140324-2

今日の講座ではこの後、オリーブオイルの違い(ヴァージンオリーブオイル、精製オリーブオイル、オリーブオイル、オリーブ残滓油)、オリーブの精製法、その後実際に3種の異なる特徴のオリーブオイル(リグーリア、トスカーナ、シチリア)のテイスティングをしました。オリーブオイルだけでなく、トマトやブルスケッタ、チーズと合わせて食してみると、また違った味わいを実感していただけたと思います。こうした背景を知ると、世界中のオリーブオイルの中から、どのオリーブオイルがいいのかを見分ける見方、使い分ける為の見識が備わってくるように思えます。この本講座は6月より3~4回の講座として予定されています。日程は決まり次第HPでご連絡いたしますので、是非ともご参加下さい。

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旅行セミナー『南イタリア、色彩の旅へ ~カンパーニャ州を中心に~」ご報告

 


東京に春一番が吹いた日、春から夏に向かうこれからの季節に最適な地、南イタリアをめぐる旅行セミナーを開催しました。講師はTutta Italiaワールド エア サービスの青木孝生氏、昨年「イタリアの夏の夜の楽しみ方」ではヴェローナの野外オペラなどご自身の体験を交えながら楽しくお話いただいたその第二弾となりました。

Aoki南イタリアのカンパーニャ州は、州都ナポリを中心にイタリアらしい鮮やかな色に彩られた魅力あふれる地域です。まず初めに鮮やかなトーンの色が表示され、参加された方にそれぞれが好みの色を選んでもらいました。その色を起点にそのイメージとなる町や地域をご紹介していく内容でした。リモンチェッロでも有名なアマルフィは”黄色”、ポンペイは秘儀荘の”赤”、カプリは「青の洞窟」でも知られるように”ブルー”が、というように、その特徴となる色をめぐりながら南イタリアのことを楽しく語っていただきました。

旅行セミナーは今後も年数回開催していく予定ですので、行って見たい場所、興味のある地域がございましたら皆様からのリクエストも大歓迎です。

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第4回イタリア人講師による特別セミナー「エルバ島 ― 名勝・歴史・著名人」ご報告

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みなさんお元気ですか?
日伊協会の押場です。

3月8日(土)に行われたイタリア人講師による特別セミナー「エルバ島 ― 名勝・歴史・著名人」では、エルバ島についての実に興味深いお話を聞くことができました。

日伊協会のイタリア語講師でもあるフィオーレ・リエート先生はエルバ島のご出身。皆さんもエルバ島の名前はご存じですよね。あのナポレオンが最初に追放された島として有名ですが、フィオーレ先生のお話を聞いていると、それだけではないことが実によくわかりました。

elba005まず冒頭に「エルバ島の面積は佐渡島の1/4だ」という比較されたときは、はっとしました。エルバ島にナポレオンが追放されたように、佐渡島は順徳天皇や日蓮、さらには能の世阿弥も流刑にされた島です。ぼくたちはこの比較から様々な想像が出来ました。佐渡島といえば金や銀が採掘されたことで知られていますが、エルバ島ではヘマタイト Ematite が採れます。ヘマタイトは日本語で赤鉄鉱。この赤い石を高温で熱することで鉄を取り出せます。エルバ島は鉄の錬成で知られる場所だったというのです。

鉄からは武器ができる。武器が取れるエルバ島は地中海の要所となり、やがてエトルリア文化が花開きます。その後やってきたローマ人は、島での鉄の精製を禁じてしまいますが、そのかわりローマ文化をもたらします。海路がひらかれ、みごとな浴場が作られると、この島はローマ人の保養地になっていきます。
まさにエルバ島でローマ人は観光の先駆けを行っていたというわけですね。

elba006中世になると、メディチ家のコジモがエルバ島のポルトフェッライオ(Portoferraio)にやって来ます(地名に鉄 ferro が含まれているのが興味深いですね)。そしてコジモはここにコジモーポリを建設します。当時としては最新の難攻不落の要塞都市で、これによって地中海の覇権を握ろうとするのです。

さらに19世紀のはじめにはナポレオンがやってきます。追放されてやってきたのですが、彼はこの小さな島でまさに王のように振る舞うと、島の交通を整備し、なによりも衛生設備を整えたというのです。

ざっとここまで話をきいても、実に興味深いではありませんか。なにしろフィオーレ先生によれば、この美しい自然に恵まれた島には、美味しい料理とすばらしいワインがあるというのですから。

elba007実はそんな場所が観光地として有名になる前、第二次世界大戦の荒廃から逃れた著名な知識人や画家たちが島にやってきたといいます。お金がなかった彼らは、やがて島の食堂の主人と仲良くなり、食事をごちそうになるかわりに、絵を描いたり、詩作を残したというのです。この食堂の名前は「ダ・レンツォ」。写真でみると、店の中は、そんな彼らが直接に描きつけた絵が壁いっぱいに広がっています。じつに見事なものなのですが、そんな絵を描いた画家たちのひとりがベッペ・リエート。「わたしの父です」というフィーレ先生の言葉には驚きましたね。「へー そうだったのだ!」と、なんだかエルバ島が突然身近に感じられた瞬間でした。

残念ながら、この有名な「画家たちの食堂」は現在閉じられているそうです。なんとか保存しようという運動もあるようなのですが、なかなか難しいようです。長い歴史からすればこの場所などはささやかなものかもしれませんが、それでも記憶の場所が無くなっていくのはさみしいものです。それでも、今回のお話で、少なくとも記憶を語り継ごうとするフィオーレ先生の姿に、ぼくは何か希望のようなものを見た気がしています。

elba09自分の出身地のことを誰でも語れるわけではありません。自分の出身地のことを人前できちんと話すのはなかなか難しい。むしろ、大抵の場合、ぼくたちは自分の生まれた場所のことをよく知らないものです。自分の故郷がどういう場所であるか知るためには距離が必要です。フィオーレ先生は「遠くの日本に来て、イタリア語を教えるようになってから、自分の故郷のことが少しずつ分かるようになってきた」とおっしゃるのです。おそらく、先生のお話がとても興味深かったのは、この距離のお蔭でしょう。

そんなフィオーレ先生のセミナーは、お蔭さまで今回も教室いっぱいの盛況ぶり。多くの皆様と、貴重な機会を共有できたことは本当に嬉しいかぎり。また、次の機会にお会いできることを楽しみしております。

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連続文化セミナー 「ファシズムと芸術」スタート

20140222seminar「ファシズムの時代」と聞くと、どのようなイメージをもたれますでしょうか。ムッソリーニ率いるファシストたちがイタリアの政権を担った1922年から42年の20年間の「ファシズムの時代」は、ナショナリズムの高揚、全体主義と呼ばれた政治体制、秘密警察の存在など、とても恐ろしい時代であったように感じられます。

 一方、この時代の芸術各分野では、ヨーロッパを中心に改革や実験が続いており、それは現代にも影響する当時のさまざまな社会的変化とつながりをもっています。イタリアの場合はファシズムとの関わり合いが決して見過ごせず、この政治的・文化的状況のなかでイタリアの芸術家たちは挑戦を試みていました。

 今回の連続文化セミナーでは、このファシズムの時代とその芸術を取り上げることとなりました。この時代を生きた芸術家たちとその作品について、建築、都市計画、映画、美術など多方面の分野から、それぞれを専門とする講師に幅広く、わかりやすくお話ししていただきます。

 古代ローマ、ルネサンス、バロックの芸術でおなじみのイタリアですが、今回の連続セミナーは、20世紀の前半、特にこの困難な時代の芸術の世界を体系的に通覧し、それを通じてファシズムの実像と虚像に迫ろうとする試みのまたとない機会となるでしょう。

第1回「ファシズムの時代、人々の日常と文化、そして建築」ご報告
シリーズ第1回は、2月22日(土)に、早稲田大学の奥田 耕一郎先生に、「ファシズムの時代、人々の日常と文化、そして建築」と題してお話をしていただきました。(22名参加)今回は、はじめに連続セミナー全体の概説として建築史を中心とした視点から当時のヨーロッパとイタリアの文化的な状況をファシズムとの関係のなかでお話しいただきました。

まずイタリアの「モダニズム」建築はジュゼッペ・テッラーニらが「イタリア合理主義建築運動(MIAR)」を牽引して始まりました。
ムッソリーニ、そしてファシズムという体制は、芸術と積極的にかかわりあいを持ち、なかでもとりわけて注力されたもののひとつが建築でしたから、ファシズム時代にはモダニズム建築の中に伝統的な様式も取り込みながら、計画都市リットリアや1942年ローマ万国博覧会会場として設定されたEURの諸建築のほかイタリアの各都市で数多くの公共建築が建設されました。独裁的・抑圧的な性格を持つ当時の体制が、自らの作り上げようとする国家のあり方を内外に示しうるものとして建築を重視したのはもちろんであります。

一方でそれは近代という社会のなかで実際的な役割を担う建築として建てられたものでもありました。その代表的な例がファシズム期のイタリアで市民の余暇活動のためにつくられたレクリエーション施設であります。「ドーポラヴォーロ」と呼ばれたその余暇活動は、ファシズム体制が市民生活の一部となるよう熱心に普及を進めたもので、その専用の施設が設けられることもありました。今となっては利用されていながらもそれが何であったのかを知る人は減り、またひっそりと放置されてもいるこのマイナーな建築もファシズムの時代の建築や文化の一側面であります。

 結局のところ、ドーポラボーロは「工場の規律に労働者を調和させることを試みるものであり、ファシスト党からすれば余暇を通じた労働者の組織化の手段としてこれに注目していた」といってよいでしょう。やはりイタリアは多様性の国であり、単純化はできませんが、「ファシズムの本当の恐ろしさ、薄気味悪さを示しているのはどの建築なのか」を知ることにより、「ファシズムとは何なのか」の問いに肉薄していくことができるのではないかということでした。

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第10回 イタリア20州食べ歩きの会「ラツィオ州」

今回の「イタリア20州食べ歩きの会」は、2月6日(木)、目黒と白金台の間にある「トラットリア・ダル・ビルバンテ・ジョコンド」で開かれました。

トラットリア・ダル・ビルバンテ・ジョコンド店内

募集期間が短かったにもかかわらず、24名の方々が参加。折からの厳しい冷え込みにもめげず、東京都庭園美術館前に位置するお店に元気に集合しました。

トラットリア・ダル・ビルバンテ・ジョコンドは、白金の有名店から独立した店長とシェフを中心に、2012年に開店したばかりの新しいお店です。

バッカラ・フリット(塩ダラのフリット)
バッカラ・フリット(塩ダラのフリット)

ラツィオ州の州都は、イタリアの首都でもあるローマ。その下町に軒を連ねるトラットリアをイメージしてつくられたお店です。
ですから、店外の看板から内装のすみずみまで、まさにローマのトラットリアそのもの。

サルティンボッカ
サルティンボッカ

当日のメニューは、仔豚とウィキョウをローストした前菜「ポルケッタ」から、スカモルツァチーズの鉄板焼きアンチョビのせ、塩ダラのフリットにはじまり、パスタを経て、メインの牛テールの煮込み、仔牛肉をプロシュートで包んだ「サルティンボッカ」、そしてデザートまで、ローマのトラットリアの味を堪能することができました。
当日は、古川店長、厨房、ホールのみなさま、騒がしい団体でしたが、大変お世話になりました。ありがとうございます。

トラットリア・ダル・ビルバンテ・ジョコンド店内

今後は、日伊協会の提携店としても、ご協力いただけることになりました。
ディナー予約の際には、日伊協会会員である旨をお伝えの上、当日は最新の日伊協会会員証をご持参ください。アペリティーボ1杯のサービスがご利用いただけます。

1/25(土)文化セミナー シリーズ「著者に聞く」第2回『システィーナ礼拝堂を読む』 (河出書房新社)の著者の1人、松浦弘明先生に聞く』ご報告

matuuraseminar文化セミナー「著者に聞く」シリーズ第2回は、イタリア・ルネサンス史に燦然と輝くシスティーナ礼拝堂についてその内部を飾る無数の作品群に秘められた謎を本書の著者のお一人である松浦先生に、映像を見ながら、語っていただきました。参加者36人。


「システィーナ礼拝堂装飾について書かれた書籍は数多く存在している。しかしながら、それらの大半が美術史の学者向けの極めて専門性の高いものか、さもなければ実に簡略な旅行ガイドになっている。ガイドブックの説明では満足できない、より深い知的情報を得たいと願う愛好家のために書かれた。」(本書あとがきから)


sistine本書の発行の裏話から始まって、システィナ礼拝堂(正しくはシスト礼拝堂と訳すべき)の全体の紹介をしていただきました。通常は「最後の審判」の祭壇画と「天地創造」の天井画に注目が行きますが、特に松浦先生が執筆を担当された側壁の「キリスト伝」と「モーゼ伝」の連作は、礼拝堂の創建当初からある重要な一部であり、選ばれた場面の構成や内容がわかりにくいところを、側壁のラテン語銘文から「キリスト伝」と「モーゼ伝」の向かい合う壁画がタイポロジーから同種の主題を扱っていることで解き明かされました。さらにタイポロジーはその頭上の天井画にもつながることを一例をあげて説明されました。何しろ大学の授業では90分×15回分相当するシスティナ礼拝堂を90分ほどで駆け足でご説明いただきましたので、あとはこの著書を読むことで補いましょう。


<講師プロフィール>

1960年岐阜県生まれ。東京芸術大学美術学部芸術学科を卒業後、イタリア政府給費留学生としてフィレンツェ大学へ留学。帰国後、順天堂大学非常勤講師などを経て現在、多摩美術大学教授。日伊協会でイタリア美術史とイタリア語の講座を担当。主な訳書に、『イタリア・ルネサンス美術館』、(東京堂出版・2011年)、『レオナルド・ダ・ヴィンチの世界』(共著/東京堂出版・2007年)などがある。

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「イタリアカフェを知ろう!」 ~おうちでのカフェの楽しみ方~ご報告

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12月10日(火)、「バール・デルソーレ」六本木店にて、日本バリスタ・チャンピオンシップでも優勝経験のあるバリスタの横山千尋さんのご指導の下、『おうちで楽しむ』を主題に“イタリアンカフェ”の体験をしてきました。

はじめに参加者で半分に分かれ、一組はティラミスつくり、もう一組は「イタリアカフェのいろは」を学びました。まずは横山さんのカフェ講義。お店のバール前で、バリスタさんに入れてもらったエスプレッソを飲みながら「本当に美味しいカフェってどうしたらできるのか?」をお話していただきました。

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たとえば、日本で主流のコーヒー豆は「アラビカ種」ですが、イタリアではエスプレッソにかかせない「クレマ(エスプレッソの表面に浮かぶ黄金色の泡)」を作り出せる「ロブスタ」という種類をブレンドしているとか、エスプレッソマシーンや豆にもイタリアエスプレッソ協会の認証マークが入っているものは美味しいカフェを飲むことができるなど、こまかなところまで教えていただけることが出来ました。

そのあとは実際に、バリスタの方に手取り足取り教えていただきながら、エスプレッソマシーンで実際にエスプレッソをいれ、蒸気でミルクを泡立てスチームミルクをつくり、エスプレッソに入れてカプチーノを作りました!皆な、かわいいハートのラテアートができましたよ!

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そしてティラミス作り!こちらはバールデルソーレのコックさんが材料を用意してくださったので、ほとんど乗せていくだけの簡単作業!でもキレイに美味しく作るにはいろいろコツがあるんです。たとえば、敷き詰めるスポンジは重ならないようにしたり、生クリームとマスカルポーネが入ったアパレイユクリームは均等に生地にキレイに敷いていったりと細かくご指導をうけたので、皆さんもかなり慎重になっていました。おかげでキレイなティラミスができました。

そして実食!よく冷えたクリームがアイスのようになっていて甘すぎず幸せたっぷりの味でした。さすが「Tira mi su!!(“私を元気付けて”という意味です)」

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参加された皆さんも、「初めての体験に目から鱗なことがたくさんありました!」と感動。おうちでも実践できる内容もあり、とても実のあるセミナーとなりました。横山さん、バール・デルソーレの皆さま、大変貴重な体験をありがとうございました。

日伊協会ではこういった実際に体験したり、体験した方のお話をたくさん聞けるセミナーやイベントがたくさんあります。ぜひHPでチェックしてみて下さいね!

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第23回イタリア語スピ-チコンテストのご報告

12月7日、13:00より、イタリア文化会館アニェッリホールにて、第23回イタリア語スピーチコンテストが開催されました。今回、本選に参加した14名の方々は高校生から60代と年齢層も幅広く、ジェスチャーやボードを使用しながらの熱演も多く、入賞者の得点も僅差で審査委員を悩ませるコンテストとなりました。

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(結果)

第1位:本多祐太朗  「私とピザとピサ回し」
第2位:我那覇せら  「新たな世界の発見」
第3位:平野暁人  「外国語学習をめぐる希望と絶望」

朝日新聞社賞:齊藤タキ  「映画の世界を旅する~イタリア現代映画の魅力~」
日伊協会賞:小出秋穂  「キッチンでおしゃべり」

(敬称略)

以上の方々が入賞なさいました。なお、1位から3位の方には日伊協会より賞状、賞杯が贈られ、景品として1位の方には、アリタリア-イタリア航空より東京-ローマ往復航空券、Siena Dante Alighieri校よりイタリア語研修費、及び日伊協会より滞在費10万円、イタリア文化会館よりイタリア製品詰め合わせ、2位の方には㈱ワールドエアサービス提供のイタリア往復航空券、Roma Torre di Babele校よりイタリア語研修費。3位の方には5万円の図書券が贈られました。入賞者の皆様おめでとうございました。

惜しくも入賞を逃されましたが、素晴らしいスピーチをされた方々は以下の通りです。

更に研鑽を重ねて、次の機会に頑張って下さい。(アルファベット順 敬称略)

日向梓   「ほろびゆくドン・ファン」
一色映里  「ローマに続く道」
岩崎優希  「ある素敵な出会い」
北原真理恵 「日本の未来への鍵」
松原純子  「千里の道も一歩から」
村上雅子  「子どもたちの笑顔と夢」
佐伯直勝  「パレルモで出会ったカプチーノ・カプチーニ」
谷口眞理子 「バッサノの休日」
得能淑子  「ヴェルディに夢中」

ご協賛、ご後援を頂いた下記の皆さまに御礼申し上げます。

協賛:スルガ銀行、アリタリア-イタリア航空、“Tutta Italia”㈱ワールドエアサービス
後援:イタリア大使館、朝日新聞社、NHK

また下記の審査委員の先生方にも重ねて御礼申し上げます。

審査委員長:長神悟(東京大学大学院教授)
白崎容子(元慶応義塾大学教授)
高田和文(静岡文化芸術大学教授)
Marisa di Russo(元東京外国語大学客員教授)
Silvio Vita(京都外国語大学教授)
Norberto Steinmayr(イタリア文化会館文化担当官)
質問者:竹内マテルダ(日伊協会イタリア語講師)
(敬称略)

主催:公益財団法人日伊協会、イタリア文化会館

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