「マンドリン通信」 良いマンドリンと出会う難しさ

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mandorin14-1新年が明け、5日から授業が始まり、なんとPassato Remotoからスタートという気の重い内容です。。。先生は、レベルが高いから本をしっかり読むためにはこれを理解しなければいけないとのこと。しかし、普段は殆ど使わないこのイレギュラーだらけの動詞を一体どうやって覚えたらいいのか?憂鬱な日々となっています。

先日突然、日本の友人の1人、関西でマンドリン系統の楽器を扱う方からメッセージが入り、ミラノに居るとのこと。しかし、翌々日に帰国予定のため急遽会うことになり、久しぶりに イタリアマンドリン談義に楽しい時間を過ごしました。 彼は、メールだけでなく直接販売元(工房や個人コレクター)に直に出向き、 信頼関係を構築しつつ、良い商品を仕入れるという考えで、それには私も同感です。 今回も顧客のリクエストに応じた楽器を仕入ることが目的だったそうです。日本のマンドリン愛好者は、高価なプランドのアンティーク楽器で、尚且つ完璧なコンディションを要望しますので、実際に手にして自分で確かめての仕入は大事だと仰っていました。 また美しく仕上げるために、大体日本の工房にリフォームを依頼します。イタリア人職人さんは、修理はイマイチ丁寧とは言えないやや雑な所があります。それでも、なかなかアンティーク物は、経験と知識が必要です。

ランチのあと、私も知っている彼の仕入先でもある楽器工房を訪ね、久し振りに楽器職人の方と再会し、彼も喜んで迎えてくれました。 彼の作る楽器は高級楽器です。自身で制作し、更に職人を育てる学校で指導もしています。何人か日本人弟子も彼の元を巣立って日本で工房を開いている方も居ます。彼は高度なテクニックと楽器に対する有り余る情熱を持っていて それが価値の高い芸術品とも言える程の楽器を創り出します。

私には苦い経験があります。数年前に友人のつてである工房から1台マンドリンを見ずに購入しました。知り合いの日本人マンドリン愛好者が数台のマンドリンを購入していましたし、友人のイタリア人マエストロが絶賛していた有名なブランドであり、かねてより欲しかった楽器ですが、しかもやや安かったのです。しかし、念のために日本人の楽器職人さんに診断を(?)依頼しに工房に出向きました。彼はまるで歯医者さんが使う楽器の中を見る小さい鏡を使いながら、こう言いました。「とんでもなく重大な欠陥があります。 全部楽器を開けて、完璧な修理をする必要があります」と。その費用はなんと、楽器より高かったのです!

私は、ショックで言葉を失いましたが、それからが私の試練の始まりでした。「何故、私が最初はあんなに気に入っていたのが、1か月後に気に入らなくなったのか?」と、専門の彼がその欠陥を知らないはずはないのですが、最後までその欠陥を気づいていないことを通してました。3か月に渡る交渉(これもイタリア語の勉強でした)となり、先方を怒らせずに、じわじわと攻めて相手が折れるのを待ちつつ。。。結局、全額返してくれることになり、私の目論みは大成功しました!

これには私が会社員だった時の営業での様々な交渉経験があり、これがかなり役立ちました。焦らず、相手の出方を待ち、攻めるという方法です。イタリア語の先生や、イタリア人友人マンドリニストにもいろいろ相談して、相応しい表現で文章を添削してもらいましたが。。。

さて2月のコンサートに向けて私のマンドリン活動も再開し、ミラノのオーケストラでは早速夜の練習に参加しました。2月初旬に以前書いた、”Stramilano”の舞台があり、20日過ぎには小規模のクラッシクコンサートを予定しています。 昨日クラスで、馴染みある先生からまた、クラスメイトで日本人テノール歌手のMさんのカンツォーネと韓国人のギター、私のマンドリンの小さいコンサートをまたしてほしい!と要望されました。今まで、3回?位披露したのですが。私達アジアンミュージシャンはいつも好評です。さて、本当にするか?まだ未定ですが。。。