「イタリア マンドリン通信」 イタリアの歯医者、着物ファッションショー・ミラノ、合鍵作成

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<イタリアの歯医者>

昨年1月に歯の古い詰め物が取れてしまい、丁度日本に帰国予定だったため日本の歯医者で治しました。しかし、昨年11月に他の歯の古い詰め物が取れてしまい、さすがに帰国する訳にいかず、イタリアの歯医者に行くことを決心しました。今後のことを考え、日本語通訳付き歯医者を見つけて、電話で予約しました。

その日は診察と治療方針の説明で見積もり額を提示されました。イタリアでは歯医者は保険外治療のため、治療にもよりますが高額となります。幸い、元の治療が良かったため、消毒と日本製の低額なセラミックスもどきで空いているいる穴を塞ぐだけとのことで、€150のところ(日本人通訳者の方の助言もあり)、€120となりました。この歯医者さんは、これまでも日本人の患者さんが多く、日本人に慣れているとのこと。不安は無くなり、先生にお任せすることで、次回の治療日を予約して帰りました。なんと、初診料は取らないそうです。治療もたった1日で終わりましたが、かなり長い時間がかりとても疲れました。そして、またこの歯医者さんにお世話になるのがこんなに早く実現しようとは思いもよりませんでした。。。

2月某日、2週間の日本一時帰国を終え、歯医者さんでもチェックをしてもらったにも係らず、なんと成田空港行きのリムジンバスで朝食のおにぎりを食べて?口目に見事にまた別の奥歯の詰め物が取れてしまったのです!2度あることは3度あるとは正にこれがそうでした。これは、またイタリアで治療せよということなのか?唖然として成田に着き、飛行機に乗った時は、次週の予約をすることを決心しておりました。。。

さて、今回の歯の治療日、先生は満面の笑みで迎えてくださいました。どうやって取れたの?という質問には、オニギリを食べていた時と答えましたら、オニギリの中身は何?味はどうだった?というジョークで、患者さんに笑わせて、リラックスさせるということかなと思いました。診断結果、私の歯の以前の治療とコンディションがとても良いので、その場で約1時間で無事終了。綺麗にしていただきました。

「歯の写真を撮っても良いか?」と聞かれたので、レントゲンと思いきや、一眼レフカメラで撮影され、治療終了後に撮影された治療経過を見せていただきました。撮られている自分と先生の真剣な撮影に笑いそうになりました。お値段も以前と同額でホッとしました。定期的な日本の歯医者さんでのメンテナンスのお蔭です。歯の丈夫な方以外は、厄介な治療で費用を掛けないですみます。

イタリアでは、14~5歳までの児童に対する歯の矯正がとても良いらしく、日本人の患者さんが多いとのこと。費用も多分日本と比較にならないくらい安いらしいです。この年齢までの児童ですと顎の骨が柔らかいので、歯ではなく顎をきちんと矯正して土台から治すらしいです。大人は骨が固いのでダメですが。
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<着物ファッションショー・ミラノ>

ミラノで着物レンタルを経営している友人が、ロンドンで着物フィッター(着付け&スタイリスト)のお仕事をしている友人との企画で、ミラノの着物ファッションショーがあり、私は受付と案内のお手伝いをしてきました。

最近イタリアでは着物に対する関心が高まっており、ロンドンの着物スタイリストの方がイタリアのミラノとヴェネツィアで撮影した最新着物ファッション写真がなんと「ヴォーグ紙」の表紙に採用された事から話題となっていたようです。

場所はスフォルツァ城近くのギャラリーで時々小さいコンサートも催され、お洒落で素敵な場所です。なんと200人ほどの観客が集まり、2回に分けてショーを行いました。

今回は伝統的な日本の着物と最新のファッション度高い着物と2種類スタイルを紹介しました。日本人の私から見たらとても着物とは思えないコーディネートでしたが、オリエンタルでエキゾチック、かつちょっとセクシーな着付けが、イタリア人にとっては魅力的のようです。。。

ベルガモからプロ着付けのお二人、ミラノの日本人美容師さん達、日伊のモデルさん達総勢40人による素晴らしいお仕事でした。今回は勿論皆さん手弁当で、日本の着物という美しいモードをファッションの街イタリアのミラノで発信したいという思いで一杯でした。

ギャラリーの経営者の奥様は日本人ということから普段から日本文化に詳しく、またイタリアに日本酒を輸入している日本人のご主人からの差し入れの日本酒を、長い時間寒い中、「外で待ってくれているお客様に申し訳ない」と、ご主人自らがお1人お1人にテイスティングするサービスまであり、その「おもてなし心」に驚きました。素晴らしい対応でした。

主催の彼女の友人スタッフ達全員が出来ることを進んで手伝い、その熱意がショーを成功させたのだと思います。殆どのお客様が長時間待たされても文句ひとつ言わず、お帰りには「何て素晴らしいショーなんでしょう!もう素敵で言葉もありません! 美しい!とても気に入りました! 感動しました!是非また来たい!」という大絶賛の言葉を頂き、笑顔で挨拶してくれ、疲れも吹き飛びました。

ショー終了後は山のような着物や帯を畳んだり(これ大変なのです)、小物を片づけ、ごみを拾い、椅子を畳みと、後片付けもカメラマンもスタッフ全員で行い、皆笑顔で解散しました。素敵な経験でした。私も着付けが出来るので、次回は着物を着てお手伝いしたいと思います。日本から持参せねば。。。

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<合鍵作成>

ある日、マンドリンの練習場所にハンドバッグを置き忘れました!アパートの鍵・携帯はハンドバッグの中。。。その夜は友人の家に泊めてもらいました。幸い翌朝電話して、ハンドバッグは保管してくれており、イタリアにも拘らず、何も盗られず無事に手元に戻りました。

私はいつも盗難や事故に遭った時を考え、外出時はいつも小さなポシェットに現金と身分証明書、友人の電話番号メモを入れて肌身離さずに携帯しています。今回もこれで救われました。

そして、アパートの合鍵を作ろうと、ホームセンターで取り敢えず行ってみましたが、若い店員が作った鍵は、一目見てこれは絶対に開かないだろうという仕上がりでした。本物の鍵と目視でちらっと見ても、鍵山の形が異なり、表面も指で触れると削ったままのざらざら状態で怪我しそうなものでした。

今回はアパートの鍵と入口のドアの鍵もお願いしたのですが、その店員は入口の鍵を一目見るなり「この鍵はここでは作れない」と言い、アパートの鍵を削り始めました。

しかし、私は「この鍵は特殊なのですか?」と更に聞いたら、私に近づき「どうしても作りたいなら、この近くに○○という鍵屋があるから、そこならあるはずだ」とささやいてくれました。仕方なく、仕上がった出来の悪い鍵の代金を支払い、紹介された鍵屋に行きましたが、あいにく夜で閉まっていました。

家に帰り、早速合鍵を試しましたが想像通り開きませんでした。やはり。。。あくる日に再度教えて貰ったその鍵屋に行きました。なんと本格的な専門の鍵屋でした。

ショールームには金庫類・セキュリティ関連商品や見本がずらり。そして店の商品の揃い具合と店主の面立ち・立ち振る舞いから「この店は正にプロのお店だ!」と確信しました。

眼光鋭く、細身で専門家風の制服をまとい、無駄な動作も言葉もなく、鍵を見る眼も真剣。私は前日のアパートの鍵と入口鍵を当然のごとく依頼しました。素早い動きと鍵を削っている姿やその手さばきは、前日のホームセンターの若い店員とは大違いでした。あっという間に出来上がり、その仕上がり度はほぼ100%と自己判定しました。

満足した私は不出来の鍵を持って昨日のホームセンターへ向かい、鍵のカウンターで鍵とレシートを置いて、係員に「この鍵、昨日作ってもらったのですが・・・」と言うや否や、「ああ、合わないんですね。じゃあ、レジの所に行ってそう言って下さい」と言われ、レジではレジの裏にゴム印押して氏名・住所を書くように言われました。その後何もなかったように普通に、返金されました。

つまり、当然のように、作り直しはなく返金してオシマイでした。私は唖然とはしましたが、またまた「そうか、こういうことなのね!?」と納得。

結局は前日の店員さんのお蔭で、素晴らしい鍵屋さんを知りことになり見事な鍵を手に入れた訳です。そのことから、今回の出来事は彼に感謝し、よい経験だったと思うことにしました。その見事な鍵は私の見立て通り、静かにスムーズに廻り、合鍵として私の小さなポシェットに収まっております。