日伊協会 連続文化セミナー 『イタリアの祝祭』
第3回 ミラノのデルビー ― イタリア・サッカーの醍醐味 ―のご案内

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イタリアの都市の聖堂、宮殿、劇場そして広場などを舞台に繰り広げられる祝祭に出会った時、その都市は一層輝いて見えます。

なぜ都市はそして人びとは祝祭を求めるのでしょうか。

この連続セミナーでは、ヴェネツィアやフィレンツェなどの都市で繰り広げられるさまざまなかたちの「祝祭」を通して都市の魅力を再発見し、祝祭によせる人びとの心の動きに触れることを目指します。

ミラノ スタディオ・サン・シーロ

ミラノ スタディオ・サン・シーロ

伝統を重んじるイタリアでは、古(いにしえ)の時代から様々な祝祭が営まれ、今も多くの都市、地域で受けつがれている。シエナのパリオ、フィレンツェの古式カルチョ、ヴェネツィアの古式レガッタなど、その例を挙げれば枚挙にいとまがない。そうした祭りに共通する特徴は多くが都市内の地区同士の対抗戦であるという点だ。誰が“町の主人”になるのか? それは、次の祭りまでの都市内の覇権を賭けた手かげんぬきの闘いである。

イタリア語で「ストラチッタディーナ」とも呼ばれる同都市の2チームによるダービーマッチ(デルビー)は、そんな古き祝祭の現代版といえるものである。ここ数年、イタリアサッカーの衰退が嘆かれてはいるが、同都市あるいは同地域の2クラブがライバル心をむき出しにしのぎを削るデルビーだけは、今もまだ多くのサッカーファンの心を魅了し続けてやまない。

特に、ミラン、インテルという2つの国際的クラブが激突するデルビー・ディ・ミラノは、「ティフォージ」と呼ばれるイタリアのファンのみならず、世界中に存在するミラニスタ、インテリスタの注目のカードである。近年、ファンのスタジアム離れが進むセリエAにおいても、デルビー(特に都市デルビー)の存在だけは別格だ。デルビー・ディ・ミラノではおよそ8万人収容のスタディオ・サン・シーロが超満員に。切符は常にプラチナチケットである。2016年5月現在、ミランに本田圭祐選手、インテルに長友佑都選手が在籍していることもあり、ここ数年は、日本でもデルビー・ディ・ミラノへの注目、関心が高まっている。

ミラノのデルビーには、「デルビー・デッラ・マドンニーナ」という別名がある。ドゥオーモの上に光り輝く黄金の聖母像を賭けた絶対に負けられないゲーム……。そこでは、どんな敗戦の言い訳も敵への慈悲も存在し得ない。あるのは、必勝という“至上命令”のみである。多くのカルチョファンを虜にし続けるデルビーには、どんな歴史、因縁があり、どんな未来があるのだろう。ミラノのデルビーを例にとり、様々な観点から、イタリアの現代の祝祭の魅力に迫ってみたいと思っている。

講師紹介:■小川 光生(おがわ みつお)
慶応義塾大学文学部西洋史学科卒。イタリア留学中の2000年からサッカー専門誌の記事執筆、翻訳などを手がけ、その後フリージャーナリストとして活動。2010年夏からは、NHKのロケ・コーディネーター兼番記者として、インテルの長友佑都選手、ミランの本田圭祐選手を追いかけ続けた。2016年4月から、中京大学、大阪芸術大学の講師として教壇に立つ。著書に『サッカーとイタリア人』(光文社新書)、『プレーのどこを視るか』(青山出版)など。
申込名開催日時間会場参加費備考
S-SF35/27(金)18:30–20:00 青山
石川記念
ルーム
201
一般/受講生3,000終了
日伊協会会員2,000