「イタリアマンドリン通信」<3夜連続コンサート><コンサート鑑賞>

mandorin-banner1
<3夜連続コンサート>

4月は6日ミラノ・7日フェッラーラ・8日ブレイシャの3か所で、それぞれ異なるオーケストラの演奏会に参加しました。まるで巡業のようでした。


*4月6日は、前回書いたミラノのテアートロ・ジローラモという、小さいスカラ座と呼ばれる古い歴史ある劇場でのコンサートで、馴染み深い映画スクリーンを見ながらの、有名な映画音楽の演奏でした。

このシリーズはいつも大変なのが、やはり暗転の中で小さい譜面台に付ける灯りを頼りに映画シーンに合わせて演奏することです。今回は狭い舞台でしたから身動き出来ず、また指揮者が殆ど見えず、また曲目も当日急遽順番が変更になり、苦労しました。

リハはいつも簡単で、主要な曲しか試さないので不安でした。ですから、雰囲気と出だしのタイミングをスムーズにいかないことが多いです。せめて全曲の最初の出だしだけでも、リハでしてほしいと思ってますが・・・聴衆の反応も、映画のシーンと曲目で異なります。難しい曲ではありませんが、私としては合わせるのに苦労するシリーズと感じています。幸い劇場側は満足で、次回も新しいシリーズでの出演依頼があったそうです。

*翌7日は、フェッラーラの有名なマンドリンオーケストラ「ジーノ・ネーリ(Gino・Neri)」の創立120周年記念コンサートに参加する、カンポバッソのオーケストラのメンバーとして参加しました。ミラノ中央駅から電車で発ち、いつも心配な列車の遅れもなくスムーズにコンサートのあるフェッラーラに到着して、待ち合わせのホテルで彼らと合流しました。

会場は、旧市街にあるフェッラーラ市立劇場でミラノのスカラ座同等の大きい立派な劇場でした。今回はおよそ7つほどのイタリアのマンドリンオーケストラが参加し、総勢150人ほどの大人数でした。ですからそれほどの人が乗れる舞台でした。イタリアでこんな大規模なイベントに誘われ演奏出来る機会はめったになく、光栄なことだと現場で改めて感じ入るものでした。

私の親しいモデナのオーケストラのメンバーとも出会え、お互いに再会を喜び合い、会話が弾みました。どちらかというと年配者が多いのですが、フェッラーラのオーケストラでは若い演奏者(少年少女含め)も多く、マンドリン演奏者を育てる環境を素晴らしいと思いました。午後3時から3時間かけて、初めてのリハーサルを全曲行い、私もやっとどんな演奏になるのかが理解出来た次第です。何しろ、譜面を見て1人で練習してきたわけで、細かい所が分からず不安で一杯でしたから。

夜9時からコンサートが始まり、終了したのは0時でした。演奏もそうですが、盛大なセレモニーもあり、否が応でも盛り上がる雰囲気は相当なものでした。最後の曲を弾き終え、やっと肩の荷が下りた思いでした。

*翌8日は、カンポバッソのメンバーと別れを告げ、次の目的地ブレイシャに向かいました。ホールは前回のゲネプロで音響が良くないことが分かり、あるメンバーがミキサーを持参して入念なサウンドチェックを行い、本番がスタートしました。

ブレイシャにある3つのオーケストラの合同コンサートは、普段それぞれが音楽活動をしていますが、今回はマンドリニスタの西山みきさんの提案でこの合同コンサートが実現しました。地元の新聞にも紹介されました。演奏はそれぞれが数曲演奏し、最後は全員合同演奏でした。この合同演奏では、みきさんのお弟子さん(少年少女)も、晴れやかな舞台衣装で上気した笑顔で楽しそうに参加して、彼らの家族もさぞ嬉しい機会だったと思います。

観客は親しい友人・家族が中心ですから、演奏者の演奏をあたたかく見守り応援するというイタリアらしい雰囲気の中、大成功に終わりました。日本ですと演奏会形式において、音楽を奏でて表現することが主な目的ですが、今回の場合は、それぞれのグループの特徴ある演奏と、マンドリン音楽を披露して楽しむといったコンサートでした。

私はこのブレイシャのコンサートに、ミラノの友人夫婦を招待しました。彼らも「イタリアらしい暖かいコンサートでしたね」と同様のことを話しておりました。無事私も3日連続コンサートを無事終了出来、快い疲れを感じつつ、友人達の車でミラノまでリラックスしながら帰りました。

<コンサート鑑賞>

3日連夜のコンサートが終わり、翌週末は毎月1回のコンサートへ聴きに。今回はオペラのトスカで、ソプラノ・テノール・バリトンの歌手3名がオペラのシーンを歌い演じ、ピアノの演奏と進行もあり、まるで舞台を見ているようでした。目の前での迫力ある、歌と演技はリアルで心を揺さぶられるものでした。素晴らしかったです。

翌日は、マルケ州在住の友人ヴィオラ奏者が、ベルガモのチッタアルタにあるサンタ・マリア・マッジョーレ教会で演奏するため、誘われて聴きに行きました。この教会でのコンサートは何回かありましたが、中に入ると寒くかなり冷えていて演奏者が大変だと思いました。教会のコンサートは素敵で好きなのですが、夏以外は弾くとなるとかなり冷え、着込まないと辛いです。

今回の曲目は、古楽と現代曲がミックスされているそうで、かなり難解で苦労したと友人がコメントしていました。合唱はいわゆるグレゴリオ聖歌で、合奏の方は難解過ぎでした。演奏者は、それぞれがこのコンサートに各地から招集され、自分の実家に帰る目的もあったそうでしたが、イタリア人ヴァイオリニストは、ベルリンから来たとか。彼女も久しぶりの優秀な演奏者達との、練習を含め現地での3日間の音楽漬けの時間は、日々の日常生活を忘れる、自分を成長させる貴重な機会で満足だと話していました。