2021年度 秋の連続文化セミナー
イタリア文学、その《真髄》に触れる4講
ダンテ、レオパルディ、ズヴェーヴォ、ダンヌンツィオ

– Dante, Leopardi, Svevo, D’Annunzio –

この秋、日伊協会では、イタリア文学の《真髄》に触れる4つのセミナーを開講いたします。
まずは没後700年を迎えた詩聖ダンテ(1265-1321)、難解ながら今なお魅力的なレオパルディ(1798-1837)、時代を先取りした文学者ズヴェーヴォ(1861-1928)、そして20世紀初頭に圧倒的な人気を誇ったダンヌンツィオ(1863-1938)。そんなイタリア文学の代表する4人をとりあげ、それぞれの文学世界に造詣の深い講師をお迎えして、その魅力を語っていただきます。

  
第1講 9月17日(金)19:30 – 21:00
イタロ・ズヴェーヴォ―『ゼーノの意識』をめぐって

今から百年ほど前に出版された『ゼーノの意識』(拙訳、岩波文庫、2021年)は、作者イタロ・ズヴェーヴォの生まれ故郷であるトリエステを舞台としています。トリエステは、アドリア海の最も北に位置する同名の湾に面し、スロヴェニアと国境を接する魅惑的な港町です。

『ゼーノの意識』は、人間の意識の流れ(stream of consciousness)が克明に描写された、すぐれた心理小説でありますが、同時に、主人公一家の経済活動をも重要な叙述の対象とする経済小説(ヨーロッパ初の?)の面をあわせもつと思われます。

『ゼーノの意識』には、予想外の値動きをする株や商品の相場のように、偶然に左右されて浮き沈みを繰り返し、誰も想像もしなかった皮肉な展開を見せる人間の生の滑稽さと悲しみがみごとに描かれています。

講 師:堤 康徳(上智大学准教授)
上智大学准教授。専門はイタリア文学、イタリア映画。ズヴェーヴォの『ゼーノの意識』岩波文庫、2021年)や『トリエステの謝肉祭』(白水社、2002年)のほか、U . エーコ『バウドリーノ』(岩波文庫、2017年)などの訳書がある。

   
第2講 10月15日(金)19:00 – 21:00
※ 第2講のみ開始時間が異なります。ご注意ください。
《イタリア語特別セミナー》没後700年ダンテとは誰だったのか?(逐次通訳付)

ダンテに関して書かれた本を積んでいけば、富士山より高い山になるに違いありません。ダンテの本を書いたり出版したりするために使われたインクが大河ほどになると言われています。

この膨大な数の評論、随筆などの中から掻い摘んで、人間として、政治家として、詩人としてのダンテの姿を描く講演です。

イタリア語での講演(逐次通訳付)ですが、なるべくシンプルな表現を使い、絵、スケッチ、図などを可能な限り利用します。イタリア語初心者でも楽しめるセミナーです。

第2講は、対面と同時に配信を行う《ハイブリッド》形式です。日伊協会・青山教室201号室(石川記念ルーム)にて人数を限定し感染対策を講じながらの《対面受講》か、またはウェビナーの配信を視聴いただく《オンライン受講》の、いずれかをお選びいただけます。申込時の通信欄にご記入下さい。

講 師:アマデイ・リッカルド(Amadei Riccardo)(日伊協会プロ養成講座講師)

日本におけるイタリア語通訳・翻訳の第一人者として活躍。後進の育成にも尽力し、日伊協会での指導歴は30年を超える。主な訳書にジャンナ・スケロット『誰もがみんな嘘をついている』(青山出版社、2000年)、ウンベルト・エーコ『歴史が後ずさりするとき』(岩波現代文庫、2021年)など。

  
第3講 11月19日(金)19:30 – 21:00
詩人ガブリエーレ・ダンヌンツィオー『アルチオーネ』の世界

小説家、詩人、戯曲家、軍人、政治家、ジャーナリストなど数多くの顔をもつダンヌンツィオの詩人としての実相に迫ります。ダンヌンツィオの詩人としてのデビューは早く、若干16歳にして “Primo vere” 『早春』(1879年)を発表します。

カルドゥッチの影響を色濃く受けた第一詩集は大成功を収めます。それには詩人自身が発したデマの落馬による死亡記事も宣伝に一役買っていました。

女優エレオノーラ・ドゥーゼとの恋は1892年ごろに文通を通して始まりました。女優のそばで暮らせるようにと転居したフィレンツェで、代表作『アルチオーネ』(1903年)に収録された大半の詩は書かれることになります。

夏をテーマとした詩集は5部構成となっており、初夏から盛夏、晩夏へとページが進むにつれ季節も移ろい、そして、文体も聖フランチェスコやダンテの影響を受けた擬古典体から寓意を多用する絵画的で耽美的な詩情あふれるものへと変化を遂げます。

講 師:森口 いずみ(もりぐち いずみ)(東京外国語大学・日伊協会講師)東京外国語大学修士課程修了。東京外国語大学非常勤講師。日伊協会講師。日伊協会で担当したダンテの『神曲』講座では約10年をかけて全編を読了。著書に『イタリア語で言ってみたいこの一言』(語研)、『日常イタリア語会話ネイティブ表現』(語研)、『口が覚えるイタリア語』(三修社)など。

  
第4講 12月10日(金)19:30 – 21:00
ジャコモ・レオパルディの哲学―『断想集』を中心に

ジャコモ・レオパルディは、19世紀前半に活躍し、現代でもありとあらゆるイタリア人を魅了し続けている詩人・思想家です。

ですが、彼の作品の一体どのようなところが魅力的なのかと問われると、なかなか返答に困ります。というのも、第一に、彼の代表作である『カンティ』や『オペレッテ・モラーリ』が非常に難解な作品だからです。

イタリア語の響きや文化的背景を踏まえずには、その魅力を十分に理解することができないのです。そんなレオパルディにも、非常にアクセスしやすい『断想集』という作品があります。

『断想集』は、我々が前提知識なしに読んでも味わえる痛快な現代批判の書ですが、読み込むことによってそこにより深いメッセージを見出すこともできます。

本講座では、『断想集』の訳者でもある担当講師がとくに素晴らしいと感じる断想をいくつかピックアップし、適宜その原文のもつ多層な意味を紹介しながら、レオパルディの魅力に迫っていきたいと思います。

講 師:國司 航佑(京都外国語大学専任講師)(くにし こうすけ)

高校時代にイタリア留学を経験、その後イタリア文学・哲学を学ぶ。2015年に京都大学にて博士号を取得。研究対象は、ベネデット・クローチェの哲学とレオパルディの詩・哲学。著書に『詩の哲学』(京都大学学術出版会、2016年)、訳書にレオパルディ『断想集』(幻戯書房、2020年、須賀敦子翻訳賞受賞)。

形 式: オンライン配信(第2講「ダンテ」のみ対面&配信の “ハイブリッド形式” )
受講料: 4講座一括 :会員 12,000円 受講生・一般 13,000円 
各回単独 :会員・受講生・一般 3,500円
但し、1996年以降生まれの25歳以下の方は、各回 1,000円でご受講いただけます。
第1、3、4講は Zoom ウェビナーによる《オンライン》形式となります。

本コースは9/17, 10/15, 11/19, 12/10の4回通しのコースでお申込いただくと大変お得になっております。
第2講は、対面と同時に配信を行う《ハイブリッド》形式です。日伊協会・青山教室201号室(石川記念ルーム)にて人数を限定し感染対策を講じながらの《対面受講》か、またはウェビナーの配信を視聴いただく《オンライン受講》の、いずれかをお選びいただけます。申込時の通信欄にご記入下さい。

日時時間参加費申込備考
9月17日(金)
10月15日(金)
11月19日(金)
12月10日(金)
19:30~
21:00
10/15のみ19:00~
会員12,000円

受講生
一般
13,000円

日時時間参加費申込備考
9月17日(金)19:30~
21:00
会員
受講生/一般
3,500円

終了
25歳以下1,000円

終了

第2講は、対面と同時に配信を行う《ハイブリッド》形式です。日伊協会・青山教室201号室(石川記念ルーム)にて人数を限定し感染対策を講じながらの《対面受講》か、またはウェビナーの配信を視聴いただく《オンライン受講》の、いずれかをお選びいただけます。申込時の通信欄にご記入下さい。

日時時間参加費申込備考
10月15日(金)19:00~
21:00
会員
受講生/一般
3,500円

終了
25歳以下1,000円

終了
日時時間参加費申込備考
11月19日(金)19:30~
21:00
会員
受講生/一般
3,500円

25歳以下1,000円

日時時間参加費申込備考
12月10日(金)19:30~
21:00
会員
受講生/一般
3,500円

25歳以下1,000円

《重要》申込前に必ずお読みください。

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