「支倉常長」セミナーご報告

2013年9月11日 於:イタリア大使館公邸
1613年から1620年まで、仙台藩の武将支倉常長(1571年―1621年)は、伊達正宗公の派遣使節として渡欧し、1615年1月に、スペイン王フェリペ三世に、そして10月にローマ教皇パウロ5世に謁見した。支倉常長は、ヴァチカン滞在中、ローマの市民権を得、シピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿の依頼でアルキータ・リッチが大肖像画を作成し、後世に伝え遺されることとなった。
現在、この肖像画が日本に渡来し、一時イタリア大使館公邸に展示されており、この後仙台に移されて、仙台市博物館の特別展「伊達政宗の夢―慶長遣欧使節と南蛮文化」(2013年10月4日-11月17日)の最重要作品として一般公開される予定である。
イタリア大使館では、この肖像画を前にして、特別セミナーを開催され、日伊協会会員30名をご招待いただいた。
セミナーにおいては、ドメニコ・ジョルジ駐日イタリア大使のご挨拶の後、キリスト教史の五野井隆史 東京大学名誉教授と西洋美術史の石鍋真澄 成城大学文芸学部教授というお二人の著名な専門家による慶長遣欧使節と支倉常長についての講演がなされ、また支倉家第十三代当主 支倉常隆氏による「先祖の思い出」についてのお話を伺った。

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「支倉常長像」 
アルキータ・リッチ(~1615年) 作
ローマ、個人蔵。 
1613年10月28日に月の浦港を出発してから400年経た今年、おりしも先の大震災と大津波により壊滅的な損傷を受けたサン・ファン・バウティスタ号(復元)も修復なって再び一般公開されることとなった。(公財)日伊協会では、昨年の「春のフェスタ」の際ラッフルを実施し、その修復のための寄付をした。このたび11月6,7日に「みちのくイタリア旅行」を企画し、宮城県慶長使節船ミュージアムを訪問することとしている。参加者を継続募集中であるので、ふるってご参加ください。