「天正遣欧使節の偉業が今、蘇る」 ─ 伊東マンショ没後400年顕彰記念祭 ご報告

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大航海時代、世界を持ち帰った宮崎人、天正遣欧使節首席正使 伊東マンショ。日本に何をもたらし世界にどんな影響を与えたのか。400年の時空を超えて伊東マンショの偉業を検証する記念祭が昨年マンショの生地である宮崎で2日間にわたって開催されましたが、このたび1116日(土)に東京(イタリア文化会館アニェッリホール)において、主催:宮崎日伊協会(主管)、公益財団法人日伊協会(東京)、共催:イタリア文化会館により開催され、出演者も含めて約300人の方が参加されました。

記念祭は講演と音楽会で構成されました。

1.講演:原口泉氏(鹿児島県立図書館館長、鹿児島大学名誉教授、志學館大学教授)による講演「伊東マンショら4人の少年たちが歴史を変えた」。

テレビ宮崎制作「MANCIO(天正遣欧使節伊東マンショの生涯)」DVD同時上映。

2.マンショゆかりの音楽会:第1部としてマンショのふるさと宮崎県出身のソプラノの川越塔子さん、ピアニストの佐伯周子さん、ファゴット奏者の黒木綾子さん、琵琶演奏家の中村鶴城さんによるによる演奏と、第2部として、マンショが学び、実践し、体験した西洋音楽はその心にどのように響いたであろうかを中世・ルネサンス音楽の第一人者、皆川達夫氏の監修、解説とともに紹介する演奏が披露されました。第2部では、マンショたちが帰国後秀吉の前で演奏したと考えられる「千々の悲しみ」(秀吉は感動し3度のアンコールをしたと伝えられている。)やマンショたちが持ち帰った活版印刷機で楽譜が印刷された2曲の聖歌、そして琴の名曲「六段」とグレゴリオ聖歌「クレド(私は神を信じます)」などが星美学園合唱部(小、中、高等学校、短期大学)と中世音楽合唱団及び紫綬褒章受章者の野坂操壽さんの琴演奏で演奏されました。キリシタン禁教とともにマンショたちが持ち帰った西洋音楽も消えていったのですが、「六段」と「クレド」を同時進行で演奏することにより2つの曲がぴたりと重なることから、日本の伝統音楽に大きな影響を与え、秘かに伝えられていたことを皆川先生が明らかにされました。

また当日のサプライズとして、音楽会終了後、イタリア大使館のご協力によりイタリアワインがふるまわれ、出演者を交えて懇談が続きました。

また、前日にはレストラン「六本木農園」において、伊東マンショ顕彰記念前夜祭が開催され、宮崎牛や焼酎など宮崎の物産を賞味しながら16日の記念祭の関係者と懇談する場が設けられ、こちらも盛況でした。


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