2019年連続文化セミナー 須賀敦子が遺したもの - 日本とイタリアのあいだで《全6回》
第3回 須賀敦子と翻訳 - 日本とイタリアを往還する眼差し

文化 日本語

コルシア書店にて
(写真提供:河出書房新社)


身近な話題をも上質の文体に包み込む須賀敦子の魅力は、没後 20 年余りを経てなお、色あせることがありません。

存命なら今年 90 歳。ひょっこりこの世にもどってきたら、ミラノの街角で自分の足跡をたどる日本人旅行者の姿にえっ?とまん丸にした目を、やがて笑顔に包みこむことでしょう。

持ち前の知性でとらえた「別の目のイタリア」を、彼女の人となり、日本語⇔イタリア語双方の膨大な翻訳、晩年 10 年足らずで開花させた作家としての仕事を軸にさぐります。

第3回 須賀敦子と翻訳 - 日本とイタリアを往還する眼差し

日伊を往還して言葉を紡いだ須賀敦子。

その仕事のなかできわめて重要な位置を占めながら、いまだ充分に顧みられることのないイタリアへの日本文学の優れた紹介者としての側面に光をあて、安部公房『砂の女』と樋口一葉『十三夜』のイタリア語訳を手がかりに、彼女の訳業の先駆性を検証します。

後半は、イタリアを描く須賀敦子の新鮮な筆致に魅せられたピア・アイロルディ氏による、『ミラノ 霧の風景』などのイタリア語訳(本邦初公開)を取り上げ、日本語で綴られたエッセイがイタリア語としてどのような像を結ぶのかを確かめながら、長年にわたるイタリアでの暮らしや翻訳という営みをつうじて須賀敦子が手探りで獲得していった文体の魅力に迫ります。

<講師プロフィール>

 アンドレア・フィオレッティ
ローマ大学/東京外国語大学大学院博士課程修了。東京外国語大学特任准教授。NHKテレビ/ラジオ講座で活躍。
専攻は比較文学・翻訳研究。樋口一葉の『にごりえ』、『たけくらべ』のイタリアにおける初の翻訳(Higuchi Ichiyo, Due racconti, Vecchiarelli 2013)を手掛けた。

 高田 和広(たかた かずひろ)
東京外国語大学大学院博士後期課程単位取得退学。日伊協会講師。訳書にタブッキ「思い出はあとからはじまる」(『ユリイカ』特集:アントニオ・タブッキ)(抄訳・共訳、青土社)、エーコ『ウンベルト・エーコの世界文明講義』(共訳、河出書房新社)など。

大好評につき、より広い新会場を用意しました。日伊協会から徒歩1分のところです。

申込名 開催日 時間 会場 参加費 備考
SUGA
-3
6/22(土) 17:00

18:30
ゲーテインスティツゥート
東京2F207
セミナールーム
会員 2,000円 満席
受講生
一般
3,000円

※こちらの連続文化セミナーは全 6 回、すべて同じ時間帯・受講料・会場で開催いたします。

申込名 回数 開催日 テーマ 講師
SUGA-1 第1回
終了
4/20(土) 序論 - 日本の須賀敦子
・須賀敦子のイタリア
白崎 容子
(元慶応義塾
大学教授)
アンドレア
フィオレッティ
(東京外国語大学
特任准教授)
SUGA-2 第2回
終了
5/18(土) 須賀さんの思い出
― その足跡をたどりながら
木村 由美子
(河出書房新社
編集者)
SUGA-3 第3回
満席
6/22(土) 須賀敦子と翻訳
- 日本とイタリアを
往還する眼差し
アンドレア・
フィオレッティ
(東京外国語大学
特任准教授)
高田 和広
(日伊協会講師)
SUGA-4 第4回
8/3(土) 須賀敦子を魅了した
現代イタリアの作家(1)
アントニオ・タブッキ
~ 境界の喪失 ~
森口いずみ
(東京外国語大学
講師)
SUGA-5 第5回
9/14(土) 須賀敦子を魅了した
現代イタリアの作家(2)
エルサ・モランテ
~ 語りの魔術師 ~
北代 美和子
(翻訳家)
SUGA-6 第6回
会場未定の為
キャンセル待ち
10/19(土) 須賀敦子を魅了した
現代イタリアの作家(3)
ナタリア・ギンズブルグ
~「作家」須賀敦子への道を
ひらいたもの~
白崎 容子
(元慶応義塾
大学教授)

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