坂本鉄男 イタリア便り 世界最弱チームとは

 世界のサッカー界には、ブラジル、スペイン、ドイツ、イタリアなど最強の代表チームを持つ国があるのだから当然、最弱の代表チームもあるわけだ。

 違いは人々の関心が集まらないということだけ。さて、この最弱のチームとは、イタリア中部にある「ミニ国家」の一つ、サンマリノ共和国の代表で、この国唯一のプロサッカーチームも兼ねている。

 プロとしては、1960年誕生という古い歴史を持つこのチームは、普段はイタリアプロリーグ第2部(2008年まではセリエC2と呼ばれていた)に属すが、これまで103回も各国代表チームと対戦してきた。

 だが、その戦歴はなんともすさまじい。04年4月に地元のオリンピックスタジアム(名前は大げさだが観客収容数は7千人で、1試合の平均観客数は750人)にリヒテンシュタイン代表を迎えた試合で1対0で勝ったのが、代表としての唯一の勝利だ。あとの戦績は99敗3引き分けで、得点数は17点なのに対し、失点数は445点にも膨らむ。「13試合連続得点なし」と、「38試合連続敗戦」という世界ワースト記録を保持している。世界ランキングは203位。

 だが、勝者があれば敗者があるのは当然だ。負けなど気にしない、気にしない。

坂本鉄男
(11月28日『産経新聞』外信コラム「イタリア便り」より、許可を得て転載)