2019年連続文化セミナー 須賀敦子が遺したもの - 日本とイタリアのあいだで《全6回》
第4回 須賀敦子を魅了した現代イタリアの作家(1) アントニオ・タブッキ ~ 境界の喪失 ~

文化 日本語

コルシア書店にて
(写真提供:河出書房新社)


身近な話題をも上質の文体に包み込む須賀敦子の魅力は、没後 20 年余りを経てなお、色あせることがありません。

存命なら今年 90 歳。ひょっこりこの世にもどってきたら、ミラノの街角で自分の足跡をたどる日本人旅行者の姿にえっ?とまん丸にした目を、やがて笑顔に包みこむことでしょう。

持ち前の知性でとらえた「別の目のイタリア」を、彼女の人となり、日本語⇔イタリア語双方の膨大な翻訳、晩年 10 年足らずで開花させた作家としての仕事を軸にさぐります。

第4回 須賀敦子を魅了した現代イタリアの作家(1)
アントニオ・タブッキ ~ 境界の喪失 ~


須賀敦子がタブッキの存在を知ったのは、友人に勧められて手に取った『インド夜想曲』でした。

須賀さんが久しぶりにタブッキと顔を合わせたのは、1997年秋にタブッキ夫妻が初来日された時でした。

その折関西方面に出かけられた数日を除き、ご夫妻のアテンドとして箱根の温泉旅行も含め、ずっと行動を共にさせていただきました。

子供の頃祖父の話に耳を傾けるのが常だったヴェッキアーノに避暑に赴くと、今だに祖父の声が聞こえるようで、自然と物語が書きたくなること、語る“raccontare”ことへの思い入れなどさまざまな話をしてくださいました。

『供述によるとペレイラは・・・』で、なぜあれほど頻繁に Sostiene Pereira が繰り返されるのか、その謎についても解き明かしてくれました。

独り占めしておくのはもったいないので、タブッキの生の声を織り交ぜながら、自己と他者の境界を喪失させたり、分身(ダブル)を多用させたりするゲーム性の高い彼の文学世界に分け入っていこうと思います。

<講師プロフィール>

 森口 いずみ(もりぐち いずみ)
東京外国語大学修士課程修了。東京外国語大学非常勤講師。日伊協会講師。日伊協会で担当したダンテの『神曲』講座では約10年をかけて全編を読了。著書に『イタリア語で言ってみたいこの一言』(語研)、『日常イタリア語会話ネイティブ表現』(語研)、『口が覚えるイタリア語』(三修社)など。

大好評につき、より広い新会場を用意しました。日伊協会から徒歩1分のところです。

申込名 開催日 時間 会場 参加費 備考
SUGA
-4
8/3(土) 17:00

18:30
ゲーテインスティツゥート
東京2F207
セミナールーム
会員 2,000円
受講生
一般
3,000円

※こちらの連続文化セミナーは全 6 回、すべて同じ時間帯・受講料・会場で開催いたします。

申込名 回数 開催日 テーマ 講師
SUGA-1 第1回
終了
4/20(土) 序論 - 日本の須賀敦子
・須賀敦子のイタリア
白崎 容子
(元慶応義塾
大学教授)
アンドレア
フィオレッティ
(東京外国語大学
特任准教授)
SUGA-2 第2回
終了
5/18(土) 須賀さんの思い出
― その足跡をたどりながら
木村 由美子
(河出書房新社
編集者)
SUGA-3 第3回
終了
6/22(土) 須賀敦子と翻訳
- 日本とイタリアを
往還する眼差し
アンドレア・
フィオレッティ
(東京外国語大学
特任准教授)
高田 和広
(日伊協会講師)
SUGA-4 第4回
8/3(土) 須賀敦子を魅了した
現代イタリアの作家(1)
アントニオ・タブッキ
~ 境界の喪失 ~
森口いずみ
(東京外国語大学
講師)
SUGA-5 第5回
9/14(土) 須賀敦子を魅了した
現代イタリアの作家(2)
エルサ・モランテ
~ 語りの魔術師 ~
北代 美和子
(翻訳家)
SUGA-6 第6回
会場未定の為
受付保留中
10/19(土) 須賀敦子を魅了した
現代イタリアの作家(3)
ナタリア・ギンズブルグ
~「作家」須賀敦子への道を
ひらいたもの~
白崎 容子
(元慶応義塾
大学教授)

mousikomi