イタリア映画セミナー「シチリアとイタリア映画の巨匠たち ― マルコ・ベロッキオ『結婚演出家』を楽しむために ―」の報告 の報告

2013年から続くイタリア映画の特集上映「Viva! イタリア」の第4弾がいよいよ6月23日よりヒューマントラストシネマ有楽町にて始まります。今年も日本未公開作品やイタリア映画祭で上映された人気作品3本を上映しますが、今回の注目は、巨匠マルコ・ベロッキオ監督の傑作『結婚演出家』です。

日伊協会では、この『結婚演出家』を楽しむためのセミナーを6月8日(金)に開催いたしました。講師は、イタリア映画を語ると止まらない、マシンガントークでお馴染みの日伊協会主任講師の押場靖志先生。参加者の皆さんはアペリティーボ片手に、時に笑いながら熱心に耳を傾けていました。

セミナーでは、ルキノ・ヴィスコンティ、ピエトロ・ジェルミ、タヴィアーニ兄弟など、ベロッキオ同様、この映画の撮影地シチリアに魅了された巨匠たちの作品の紹介から始まり、ベロッキオのフィルモグラフィー、そして、本題の『結婚演出家』の楽しみ方へと、息つく暇もなく話が進んでいきました。

『結婚演出家』は、随所に謎めいた映像が挿入され、ストーリーも単純ではありませんが、それゆえ、見ごたえのある作品となっています。冒頭の結婚式のシーンに秘められた宗教的背景、マンゾーニの『いいなづけ』との関連性、舞台がシチリアである必然性などなど、押場先生の名解説によって、ネタ晴らしにならない程度の映画の謎解きが続きました。

今回のセミナーを聞いた後で見る映画は、一味も二味も違ったものとなるはずです。

尚、セミナー内容の詳細は、押場先生のブログに掲載されていますので、ぜひご一読ください。

また、『結婚演出家』の日本語字幕は、日伊協会イタリア語翻訳講座でお馴染みの関口英子先生が担当されています。

今回の「Viva! イタリア」では、『結婚演出家』に加え、『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』、『あのバスを止めろ』の2本が上映されます。

上映の詳細につきましては、配給会社パンドラのHP及びヒューマントラストシネマ有楽町のHPをご参照ください。

みなさん、ぜひ劇場に足を運んで、イタリア映画の醍醐味を味わってください!